女性ドライバー限定レース「KYOJO CUP」とは? 参戦数20台超に増加、創設者が明かす背景
国内最大規模のモータースポーツイベント「JAFモータースポーツジャパン2024」が、2月24日と25日の2日間、東京・お台場の特設会場で開催された。入場無料でモータースポーツを身近に感じられる同イベントでは、レーシングカーのデモンストレーション走行やトークショーが実施されたほか、自動車メーカーをはじめとしたさまざまなブースが出展していたが、その中でも注目度が高かったのが斎藤愛末、金本きれい、佐々木藍咲と3人の女性ドライバーが来場し華やかさのあったKYOJO CUP(キョウジョ カップ)のブースだ。
JAFモータースポーツジャパンでKYOJO CUPのブースに注目
国内最大規模のモータースポーツイベント「JAFモータースポーツジャパン2024」が、2月24日と25日の2日間、東京・お台場の特設会場で開催された。入場無料でモータースポーツを身近に感じられる同イベントでは、レーシングカーのデモンストレーション走行やトークショーが実施されたほか、自動車メーカーをはじめとしたさまざまなブースが出展していたが、その中でも注目度が高かったのが斎藤愛末、金本きれい、佐々木藍咲と3人の女性ドライバーが来場し華やかさのあったKYOJO CUP(キョウジョ カップ)のブースだ。
25歳人気女優のクルマ愛…免許はマニュアル取得、愛車はSUV(JAF Mate Onlineへ)
KYOJO CUPは女性ドライバーだけで争われるモータースポーツカテゴリーで、富士スピードウェイで年間4戦行われている。2017年に日本人初のル・マン総合優勝ドライバーである関谷正徳氏によってスタートした。開始当初は15台程度の参戦台数だったが、現在は20台以上となっており、盛り上がりを見せているカテゴリーだ。
「モータースポーツを世間にスポーツとして見てほしい」と関谷氏は語る。実際にサーキットで全開走行をすると実感するが、ハイスピードで自動車を運転するというのは身体的にも負荷がかかるし体力が必要だ。だからこそプロのレーシングドライバーたちは、他のプロスポーツ選手と同様にトレーニングをしてフィジカルを鍛えている。しかし、身体的負荷がかかることはあまり世間には認知されていないように思う。
他のスポーツと同じフィジカルを使うスポーツならば、男性と女性が同じ舞台で戦った場合、等しく勝利へのチャンスがあるとは言えないだろう。関谷氏はこのようにも語っていた。
「あらゆるスポーツは男女別で行われていて、そこにはハンディキャップがありません。もしも同じスポーツで男女に等しく勝利へのチャンスを設けるならば、ハンディキャップをつける必要があります。レスリングとかは男女別はもちろんだけど、体重が5キロおきにクラス分けされています。これがスポーツの形だと思うんです」
男女別で開催されないモータースポーツにある課題
国内最高峰のモータースポーツである全日本スーパーフォーミュラ選手権に今年18歳の女性ドライバー、Jujuこと野田樹潤が日本人女性として初めて参戦するが、記者会見で実父である元F1ドライバーの野田英樹氏は「男性に対して筋肉量で劣る女性がウエイト(ドライバーと車両込みで)をそろえる必要があるのはイコールコンディションではない」と発言し、関係者の間で話題となった。
この問題提起について英樹氏は、主催者側に意見を述べたり、何かしらの提案をする予定は現状ないとしていたが、筋肉量で劣る女性ドライバーへのハンディキャップを求めたように映ったこの発言は物議を醸しており、男女別で実施されていないモータースポーツだからこそ起こる問題とも言える。
モータースポーツが男女別の競技としても開催されることに対する理解が深まれば、女性ドライバーが輝く場所が増えるだろうし、社会により認められるスポーツとなるだろう。関谷氏は「運転するスポーツが社会で価値あるスポーツに育てることが私の目標の1つです」とも語っていた。
KYOJO CUPの開幕戦は5月12日だ。抜きつ抜かれつのバトルを毎戦展開していて、とても見応えがある。YouTubeでライブ配信も行われ、過去のレースもアーカイブで見られるので、気になった人はぜひチェックしてほしい。