【相棒22】犯人を諭す右京…ラストシーンに感動の声「泣いた」「いいエンディングだ」
俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒season22』(水曜午後9時)の第18話が、28日に放送された。今回は21日放送の第17話の後編で、犯人の目的や生い立ちが明らかになった。
明らかになった『INVISIBLE』の意味
俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒season22』(水曜午後9時)の第18話が、28日に放送された。今回は21日放送の第17話の後編で、犯人の目的や生い立ちが明らかになった。
同作は、00年に誕生した刑事ドラマシリーズ。警視庁で“人材の墓場”と呼ばれる『特命係』に配属された警部・杉下右京とその相棒たちが、数々の犯罪事件を解決していく。もともとキャリアとして警察庁に入庁した右京は、“切れモノ”過ぎるが故に上層部からにらまれ閑職に追いやられたが、卓越した洞察力と名推理で事件の謎を解き明かしていく。
寺脇演じる特命係巡査部長の亀山薫は、season1からの“初代相棒”。約14年ぶりに“五代目相棒”として右京とのコンビが復活し、今作で再会2年目となる。
(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)
右京とチェスで互角に勝負できるIQ150の天才少年・山田(中川翼)が、連続爆破事件の犯人“INVISIBLE=透明人間”を名乗り、城北中央署に出頭してきた。
山田は、五期連続で市長を務め、次期都知事の最有力候補と目される山田征志郎(升毅)の自宅や、警備会社に勤める牧野文雄(山形匠)宛に、“INVISIBLE”と書かれた荷物を送り、遠隔操作で爆破していた。牧野は約1年前に城北中央署を退職した元警察官で、城北中央署では征志郎の息子で東大卒のエリート・山田正義(金井浩人)が署長を務めていた。
そのまま逮捕された山田は、取り調べ官に右京を指名。右京以外の者とは一切話さない。しかし右京の追及に対しても「この取り調べが、僕にとっての勝負です」とゲーム感覚で、挑発的な態度をとる。山田が質問に答えない中、今度は城北中央署の職員寮が爆破された。山田は事件や共犯者について口を割らないものの、「最後の爆弾は、16時に爆発します」と告げた。
右京と薫は捜査を続け、城北中央署で自殺した新人警察官・金森翔吾(井上拓哉)の存在を知る。児童養護施設で育った金森は、職員寮で牧野からひどいパワハラを受けていた。金森の同僚で、金森の死後に警察官を辞めた柿沼勇作(横山涼)によると、後輩たちをいじめていた牧野に抗議した金森は目をつけられ、特にひどい暴力や嫌がらせを受けていたという。また、施設育ちであることもバカにされていた。牧野のパワハラについて署長に訴えた金森だったが、「きみは施設で育ったって言ってたね。だから常識がないんだね」と相手にされず、自ら命を絶ったのだった。
右京と薫は、金森が育った施設を訪れる。そこでは過去に山田と本城卓(吉田日向)という少年が生活しており、金森を兄のように慕っていたことが分かった。また、山田のフルネームは『山田希望・やまだのぞみ』だった。施設職員によると、子どもたちは18歳で施設を出なければならず、その瞬間から自己責任で生きていかねばならないという。「彼らの抱えている苦労や悩み、本当の姿は世間の人の目には見えないんですよ。外国では、“世間から見放された人々”のことを“インビジブル・ピープル”と呼ぶ人もいます」と話す職員の言葉に、“INVISIBLE”を重ねる右京たち。
山田の生い立ちや金森との関係を知った右京は取り調べ室に戻り、今回の事件の目的が復讐(ふくしゅう)であることを山田に告げる。共犯の本城が城北中央署の空調設備室に仕掛けた爆弾は、爆発処理班によって処理された。
「希望は、あるんですよ」右京の言葉にファン涙
山田は生後すぐに施設の前に置き去りにされ、戸籍法により市長の征志郎が命名していた。征志郎は施設まで行き山田の顔を見て、自身の名字とともに『希望』と名づけた。山田が牧野や城北中央署だけでなく、征志郎の自宅にも爆弾を送ったのは、征志郎が名づけ親だったからだった。山田は「絶望しかなかったのに。自分の名前、大嫌いです」と怒りに満ちた顔をする。「署長の下の名前、ご存知ですか。まさよし、正義って書くんです。僕が希望で、あいつが正義。罪深いと思いませんか」と冷たく笑うと、「すぐに捨てられるなら、生まれなきゃよかった」と吐き捨てる。右京が「生まれてこなければよかった命などありません」と諭すも、「僕がそうなんです」と続ける。
IQ150の山田は、子どもの頃から見たものをすぐに覚え、テストもすぐに解き終わったことから、「気味悪がられ、いじめられるように」なった。「学校に僕の居場所はありませんでした」と語ると、右京も「同じような経験をした」と答える。山田は「人間って、なんで人を差別するんでしょうね」と問いかけ、「施設育ち」ということで本城と共にいじめられてきたことを明かす。そんな時はいつも金森が助けに来てくれ、守ってくれたという。
つらい境遇に何度も自死を試みた山田に、金森は「命を大切にしろ。希望を持て」と言ってくれていた。「自分はあんなふうに死んでおいて。あの強い人ですら、生きられないんです、この世界では」と絶望した。
山田は、本城が署内に隠していた改造銃を使って自死しようとする。しかし右京は「きみの未来に希望はあります。金森さんが言った通り、希望はあります」と制し、銃を持った山田に近づいていく。「希望はあります」と何度も言いながらそばに寄ると、そっと銃を奪い、最後は「希望は、あるんですよ」と山田を優しく抱きしめた。
犯人の生い立ちや犯行の動機にSNS上では、「チェスの山田くんは爆弾魔だが、今回ばかりはその境遇に同情してしまった」「悪しき者たちは裁かれたが悲しい結末だった」「山田くんがもっと早く右京さんと出会えていたら何か変わってたのかな…」「山田くんは情状酌量とかならんやろか」と、切なくなる視聴者も。またラストのハグシーンには、「感動した…右京さんさすが」「泣いた。右京さんが聖母マリアのように見えた」「希望はあります。か。いいエンディングだ」といった反応が集まった