父は元ドラ1投手も「知ったのはつい最近」 23歳元ミスセブンティーン女優・杉本愛里の夢は「始球式登板」
「ミスセブンティーン2016」をきっかけにモデル、俳優として活動する杉本愛里が、初の水着グラビアに挑戦した。19年に出演したAbemaTV『オオカミちゃんには騙されない』で同世代を中心に注目され、現在は舞台、ドラマに出演。元プロ野球選手の父親からプロ意識の大切さを学び、年内の飛躍を狙っている。
竹下通りでスカウト30人に声をかけられた杉本愛里
「ミスセブンティーン2016」をきっかけにモデル、俳優として活動する杉本愛里が、初の水着グラビアに挑戦した。19年に出演したAbemaTV『オオカミちゃんには騙されない』で同世代を中心に注目され、現在は舞台、ドラマに出演。元プロ野球選手の父親からプロ意識の大切さを学び、年内の飛躍を狙っている。(取材・文=福嶋剛)
杉本は3人兄妹の末っ子として大阪・松原市で生まれた。父は投手として広島、ロッテ、オリックスでプレーした杉本正志氏だ。
「お父さんはプロ野球のピッチャーをやっていて、広島カープにドラフト1位で入団したんですが、入ってすぐに肘を痛めたそうです。2人の兄が子どもの頃には引退して、少年野球のコーチをしていました。厳しかったみたいですが、兄たちと6歳以上離れた一人娘の私には今でも激甘です(笑)。母は箕島高校(和歌山)野球部のマネジャーで父とは野球部で出会ったらしく、『マンガみたいな青春』って言っています(笑)」
幼い頃は活発な少女だった。
「3歳の頃からずっとピアノを習っていて、小学5年生から中学卒業までバスケットボールに夢中でした。強い学校ではなかったんですが、毎日夢中でやっていました。お笑い好きの目立ちたがり屋で、合唱コンクールでは指揮者やピアノ伴奏を積極的にやっていました。度胸はありましたね。今まで舞台や撮影で緊張したことはあまりないんです」
将来の夢は「ペットショップの社長」だった。
「今でも実家で飼っている保護犬や祖母の犬と合わせると5匹飼っていて、とにかく犬の世話が大好きなんです。あとは、父の身長が190センチ近くあって、兄たちも大きいので家がとても狭く感じていました。小学生の頃から『いつかペットショップの社長になってお金をためて家を建てよう』と思い、不動産のチラシを見て理想の一軒家の写真や素敵なキッチンの写真をハサミで切ってスクラップブックを作っていました」
芸能界入りのきっかけは中学生の頃。初めは乗り気ではなかった。
「2番目の兄が上京した時に遊びに行って、原宿の竹下通りを歩いていたら30人くらいのスカウトの人に声を掛けられました。当時はバスケ以外、全く興味がなかったのですが、母に『これだけ声を掛けられたんだから、1回くらい受けてみたら』と言われて、大きなオーディションを受けたらファイナリストに残りました。でも、全然才能がないし、向いてないから断ろうと思いましたが、レッスンを受けていくうちに『モデルをやってみたい』と思うようになり、上京を決めました」
高校入学と同時に上京。「ミスセブンティーン2016」に応募し、約6000人の中から選ばれた時は信じられなかったという。目標だったセブンティーンで専属モデルを始めると、同時にCMやドラマに出演する機会も増えていった。
「モデルとして初めてCMに出演した時は、できあがったのを見て家族で大喜びしました。演技には自信がなかったんですが、ある時、『台本に書かれていることが全てじゃない』と知りました。そして、演じていくうちに褒められることも少しずつ増え。お芝居も好きになっていきました」
何事も勉強とチャレンジ。最初は失敗も多かったという。
「初めて俳優に挑戦したのが2017年のNHKドキュメンタリードラマ『母、立ちあがる~認知症のわたしと、あなたと~』でした。私は娘役でした。家でご飯を食べるシーンがありましたが、普通にご飯を食べてしまい、口の中がいっぱいでセリフを言えなくなっちゃっいました。『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日系)では、雨に打たれて役の女の子が亡くなるシーンがあったのですが、雨が目に当たって我慢できなくて監督から何度も『目が動いてるよ~』って怒られました(笑)。ミュージックビデオ(MV)も大好きで、Aimerさん、マカロニえんぴつさん、サイダーガールさんや他の方々作品に出ています。セリフがない分、表情とか動きで演じる面白さを学びました」
23歳で初めての水着グラビアに挑戦
『オオカミちゃんには騙されない』に出演したことで、同世代からのフォロワーが一気に増えたという。
「私が出演した時は『女の子に1人だけ狼がいる』という設定で、私たちも誰なのか本当に知らなかったんですが、私が一番初めに脱落しちゃいました(笑)。でも、インスタのフォロワーが一気に増えて『中高生の方にすごく影響力のある番組なんだ』って思いました」
そして、23歳になった今年、初の雑誌グラビア撮影に挑戦し、水着姿も披露した。
「ミスセブンティーンで水着審査はありましたが、ずっと抵抗があって踏み出す勇気がなかったんです。でも、昨年あたりから『もっと挑戦していかないと』と思い、3月4日発売号の週刊プレイボーイさんで初めて水着を披露しようと決めました。撮影は1日でしたが、やってみるとすごく楽しかったです。カメラマンさんには自分のイメージ通りに撮っていただきましたし、写真を見ながら『足の長さはこれからも武器にしていくぞ!』って思いました(笑)。いつか海外で撮影してもらいたいという欲も出てきました」
趣味はドライブ。休日に車で出かけることが楽しみだという。
「自然スポットを走るのが好きなんです。この前は友達を乗せて7時間くらい走りました。見た目からフワフワしておとなしい印象で思われがちなんですが、男兄弟の中で育ったので、活動的で友達とワイワイ話すのが好きです。ゲームもスマッシュブラザーズで相手をボコボコにやっつけるとスッキリするんです(笑)」
最近は舞台にも出演。芝居の面白さを実感する毎日だという。憧れの俳優を聞くと「安藤サクラさんです」と返した。いつか叶えたい夢を聞くと、「プロ野球の始球式をやることです」と言った。
「実は父がプロ野球選手だったことを知ったのはつい最近なんです。家に海外の人と肩を組んだ写真とかボールがいっぱい飾られていて、『お兄ちゃんの野球チームのコーチをやっているだけなのに、そんなに偉い人なの』と思っていました。そして、たまたま昔の父の動画を見て、『えっ? プロ野球の選手だったんだ』とビックリして、父に初めて『どんな野球選手だったの』と聞きました。ドラフト1位で入ったのにケガが続いて1度も1軍で投げることができなかったことを知って、『いつか私が始球式をやって、父の喜ぶ顔が見てみたい』と思うようになりました。いつも優しい父ですが、私が芸能界に入った時に『プロの道を選んだのだからプロ意識を持って悔いのないように頑張って』と言ってくれました。今考えると、父は『後悔があったのかな』と思います。なので、私は父の分まで悔いのないようにやっていきたいと思います」
□杉本愛里(すぎもと・あいり)2000年12月21日、大阪・松原市生まれ。16年「ミスセブンティーン2016」を獲得。20年2月、セブンティーン専属モデルを卒業。テレビ朝日系『仮面ライダージオウ』で山吹カリン役を演じたのをはじめ、今年2月2日からU-NEXTで配信されている『CONNECT―覇者への道―』などに出演。19年のAbemaTV『オオカミちゃんには騙されない』に出演した際には、チャーミングな関西弁と飾らない人柄で若年層からの支持を集めた。162センチ。