90年代にグラビア席巻の小栗香織 母の死後に乳がん患って決意「後悔せずに残りの人生を」

バブル期にグラビアデビューし、読売テレビ・日本テレビ系深夜番組『11PM』のカバーガールも経験、1990年代にはグラビアを席巻したタレントの小栗香織が、昨年にデビュー35周年を迎え、写真集『小栗香織35th Anniversary写真集チャーミング 1988-2004』を出版した。現在は出版プロデューサー、俳優、タレントとして活動。50代を迎えた小栗が、グラビア撮影の思い出やこれまでの歩みを振り返った。

インタビューに応じた小栗香織【写真:冨田味我】
インタビューに応じた小栗香織【写真:冨田味我】

3年前まで治療…現在は出版プロデューサーとしても活動

 バブル期にグラビアデビューし、読売テレビ・日本テレビ系深夜番組『11PM』のカバーガールも経験、1990年代にはグラビアを席巻したタレントの小栗香織が、昨年にデビュー35周年を迎え、写真集『小栗香織35th Anniversary写真集チャーミング 1988-2004』を出版した。現在は出版プロデューサー、俳優、タレントとして活動。50代を迎えた小栗が、グラビア撮影の思い出やこれまでの歩みを振り返った。(取材・文=大宮高史)

――『小栗香織35th Anniversary写真集チャーミング 1988-2004』ですが、17歳での初グラビアから30代でのヌードまで、懐かしい写真を収録した写真集ですね。

「35周年を迎えて、『記念になるものを作りたい』と考えたときに、10代や20代のころのグラビアってまだ世に出ていなかったものもあるなと気付いて、昔の写真を厳選して作りました。今の時代でも『こんなかわいい子がいるんだ』と思っていただけるものを目指しました」

――6人のベテランカメラマンが撮ったグラビアから厳選したとのことですが、特に思い入れのある方は。

「沢渡朔さんと西田幸樹さんです。西田さんは私がデビューして初めてのグラビアを撮ってくださった方で、現場ですごく気分を乗せてくれるんです。教わりながら楽しく撮れたことを覚えています。沢渡さんは西田さんとは正反対で、寡黙に写真を撮っていく方です。私の年齢が上がってから沢渡さんと組むようになったので、現場の空気感が分かっている者同士で自然に信頼関係ができました」

――沢渡さんには、ヌードグラビアも撮ってもらったそうですね。

「29歳から30歳の頃です。その前までの数年間はグラビアをお休みしていたので、『違ったことをやりたいな』と思っていました。そのタイミングで沢渡さんの作品を拝見して、全幅の信頼を置いて挑戦しました」

――1月に亡くなった篠山紀信さんとの思い出はありますか。

「雑誌のグラビアで何度かお世話になりました。当時もすでに大御所で、私は緊張していて勝手に怖そうなイメージを持っていたら、優しくしていただき、仕事が終わった後に篠山さんの行きつけのおすし屋さんに連れてくださったり……。『おちゃめな方だったな』という思い出があります」

――記念写真集で、お気に入りのカットは。

「表紙です。デビューして初めて撮った17歳のときのグラビアで、令和の時代にも違和感のないかわいさになっていますかね(笑)。スカウトされたときも芸能活動を続ける気はほとんどなくて、『すぐ辞めようかな』と思っていたら仕事もどんどん決まって、気づいたら10年以上もグラビアをやっていました」

――続けてこられたモチベーションは。

「どんどん面白さが分かるようになってきたからですね。高校の帰りに突然スカウトされて、初めてのお仕事は豊島園のキャンペーンガールでした。そこから11PMのカバーガールもさせていただいて、『カメラで撮られるのもいいな』と思えるようになってきました」

――小栗さんはその後、タレント業とともに出版プロデューサーとして、タレントの本を多数手がけてきました。

「2年前、藤あや子さんの写真集をプロデュースしました。藤さんが61歳で水着になったということで、すごく話題になりました。年齢関係なく頑張っている人を応援したくてプロデュース業をしています。私自身もそういった方々に背中を押されて生きています」

――21年には久々に新曲をリリース。音楽活動も再開するなど、アクティブに仕事をされている印象です。

「8年前に乳がんを患ったことが転機でした。手術と投薬治療を3年前まで続けて今は経過観察の日々ですが、告知を受けたときは母が亡くなった直後だったこともあって、『私まで連れていかれるんじゃないか』という得体の知れない不安感に襲われました。治療を乗り越えたことで、『後悔せずに残りの人生を頑張る』という心境になれたのかなと思います。ピンクリボンアドバイザーの資格も取って、私の乳がんの経験を発信する機会にも恵まれました」

――これからの人生、まだまだ現役で仕事ができそうです。

「もっと人前や表に出る機会を増やしていきたいです。乳がんにまつわる活動はもちろん、音楽も続けたいです。2年前に離婚を公表した時もたくさん記事になっていましたが(笑)、私にとってはポジティブな転機でした。人生の山も谷も隠すことなく、皆さんのお役に立つことができればいいですね」

□小栗香織(おぐり・かおり)9月14日、神奈川県生まれ。88年に豊島園のイメージガールで芸能界デビュー。読売テレビ・日本テレビ系『11PM』のカバーガールとして人気を博した他、ドラマ出演や雑誌グラビアを重ねた。2000年には、初ヌード写真集『小栗香織 十一年後』を刊行。現在は俳優、タレント業の他、出版プロデュースも手掛けている。昨年12月18日に発売された週刊現代の「女優シリーズ」では、後藤久美子のグラビアを担当した。

○写真集『小栗香織35th Anniversary写真集チャーミング 1988-2004』(紙版)は書泉各店舗および書泉オンラインショップにて
詳細:https://shosen.shop-pro.jp/?pid=178201236
○電子版写真集は各ネット書店にて
詳細:https://www.shogakukan.co.jp/digital/09D133270000d0000000

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