浅野いにお氏、漫画原作の映像化に苦悩「全員納得かなり難しい」 “未完成”で自ら手直しも

アニメーション映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』前章の完成披露試写会が26日、都内で行われ、声優を務めた幾田りら、あの、原作者の浅野いにお氏が登壇。浅野氏は、漫画作品が映像化される難しさなどについて語った。

完成披露試写会に参加した浅野いにお氏【写真:ENCOUNT編集部】
完成披露試写会に参加した浅野いにお氏【写真:ENCOUNT編集部】

「結局すべて関わった状態になった」と苦労を吐露

 アニメーション映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』前章の完成披露試写会が26日、都内で行われ、声優を務めた幾田りら、あの、原作者の浅野いにお氏が登壇。浅野氏は漫画作品が映像化される難しさなどについてに語った。

 本作は『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載された漫画。突如、宇宙から襲来した〈母艦〉が空に覆いかぶさる東京で、ハイテンション女子高生ライフを謳歌(おうか)する門出とおんたんを描く。

 イベントの終盤「ちょっと長くなります」と切り出した浅野氏は「原作者と映像化の関係性は難しいもの。なるべくノータッチであればいいと思っていたけど、ふたを開けてみると脚本やキャスティング会議など、結局すべて関わった状態になった」と苦労を吐露。

 この日、集まったファンに向けて作品が披露されるも、“未完成”であることも公表。「最後まで作業しているのが作画の部分なのですが、なかなか厳しい状態になっている」とし、「絵描きとして僕がどの程度関わっていいのか考えていたけど、前章だけでも100から200カットはリテイクをお願いし、作業していただいている。リテイクも結構直してほしいと、赤を入れている状態です。一部リテイクが難しい部分は直接アニメのデータをいただいて、僕が直接レタッチしたり、場所によっては僕がゼロから描いたものもある」と説明。

 まだまだリテイク作業が残っているため、一旦リテイク前のものが披露されるが、3月22日に本公開までには「結構重要なシーンを含めて差し替わる予定。まだまだ制作は進行している状態です。そんななかですが、制作チームは頑張って尽力してくれている。僕もやれることはすべてやっています。そういう状況であることをご留意してください」と呼びかけた。

 浅野氏は「アニメーション制作に片足以上突っ込んでしまった身から言いますと、アニメ制作は関わる人数も多く、期間も長く、予算もあるが限られたリソースの中で全員が納得する最高のクオリティーにするには、かなり難しいものと実感した」と語った。

 プロデューサーや監督、主演声優を務めた2人に感謝を述べ、「最後に一言だけ言わせてください。漫画原作の映像化は本っ当にいろんなことがあります。でも、これはお祭りですから、どうかみなさん楽しんで帰ってください」と締め、約5分間のメッセージを伝えた。

 本作の前章は3月22日、後章は4月19日に公開される。

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