「俺は絶対歌手になる」 アテもなく上京→バイト暮らしの日々…夢つかんだ鈴木曉の軌跡
ホリプロ初の男性ダンス&ボーカルグループとして活動する6人組・WATWINGは、2月8日に東京・日本武道館でのライブを成功させるなど、その人気ぶりはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。中でもメンバーの鈴木曉(すずき・あさひ)は、甘い歌声とパフォーマンスで存在感を示している。そんな鈴木は、これまでの歩みを凝縮した初写真集『共鳴』(KADOKAWA)を2月15日に発売した。WATWINGに懸ける思いやオーディション秘話などを聞いた。
同年代は就職の時期も夢に一直線「いい意味で何も考えていなかった」
ホリプロ初の男性ダンス&ボーカルグループとして活動する6人組・WATWINGは、2月8日に東京・日本武道館でのライブを成功させるなど、その人気ぶりはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。中でもメンバーの鈴木曉(すずき・あさひ)は、甘い歌声とパフォーマンスで存在感を示している。そんな鈴木は、これまでの歩みを凝縮した初写真集『共鳴』(KADOKAWA)を2月15日に発売した。WATWINGに懸ける思いやオーディション秘話などを聞いた。(取材・文=中村彰洋)
記念すべき1冊の発売日に選んだのは自身の26歳の誕生日だった。昨年9月に撮影を実施。カメラマンからのオーダーでこれまでとは異なる自分の表情に気づくことができた。
「服や写真が好きでインスタグラムに投稿する写真の撮り方などには、とてもこだわっていたので、写真集を出せると聞いたときはめちゃくちゃうれしかったです。これまでは、口を閉じての決め顔パターンが多かったのですが、少し口元を緩めた自然な表情なども引き出してもらえました」
独創的な字を考えて書くことが好きと語る鈴木。今回の写真集でも直筆の詩が掲載されている。
「自分の魅力すべてをどうしても詰め込みたいと思ったとき、僕は作詞作曲にも挑戦していて、字を書くことが好きなので、『じゃあ、どっちも入れちゃおう』となりました。芸能界に入ってからの5年で見ることができた景色、葛藤、喜び、感謝の気持ちだったりをつづっています。『直筆で書きたいです』とお願いして実現しました」
これまでの5年間が詰まった写真集。仕上がりについては「僕の生きざまです。鈴木曉の代表作です!」と自信をのぞかせる。
鈴木の芸能界入りのきっかけは2019年11月に開催されたホリプロ主催の「Star Boys Audition」。見事合格をつかみ取り、WATWINGのメンバーとしてデビューした。
「高校卒業後に上京して、18~19歳ごろに養成所に通っていました。演技の勉強をしていたのですが、『歌をやりたい』という気持ちがあって、養成所を卒業してからの1~2年は模索していました。そんなタイミングでオーディションの募集を見つけました」
小さい頃から芸能界に憧れを抱いていたが、きっかけは「清木場俊介」と「兄」の存在だった。
「僕は宮城県出身で、清木場俊介さんが毎年来てくれていたんです。ライブを見に行って、歌声が好きで、かっこよくて、生き方もかっこいい。とにかく熱い人で憧れました。それと、2つ上の兄が歌手を目指していたので、その背中を追って『僕も歌手になりたい』と思いました。今も一緒に音楽を作ったりして遊んでいます」
現在、兄は音楽制作の仕事を行っているという。「仲は良くはないんです。音楽を通してつながれていたのかもしれないですね」と兄弟仲の良さは否定するも、「いつかWATWINGや僕の曲を作ってくれたら、めちゃくちゃいいですよね」と笑顔を見せる。
鈴木が見据えるWATWINGの未来「東京ドームでライブできるようなアーティストになりたい」
オーディションに合格するまでの日々はバイト暮らしだったが、「いい意味で何も考えていなかった」と当時を振り返る。
「『なれなかったらどうしよう』という感覚は全くなかったです。不安もなく、『俺は絶対歌手になるんだ』という気持ちだけでした。ちゃんと考える人だったら『就職しなきゃ』とか焦りみたいなものが出てくるのかもしれませんが、僕はそこだけ“いい意味”で何も考えていなかったので突き進むことができましたね。今考えたら『もっとちゃんと考えろよ』とも思いますけどね(笑)」
歌への自信は持っていたものの、ダンスは未経験。「もうボロボロでした」とオーディションでの惨状も明かす。「当時の映像も残っているので、いつか東京ドームなどでライブをしたときにデカいスクリーンでお見せしたいですね。恥ずかしいですけど、もう1周回っていいかなと考えています」とニヤリと笑う。
WATWINGとして走り抜けた日々。印象的な思い出として、21年に行ったメジャーデビューEP『Take off,』を引っ提げたリリースイベントを挙げた。
「ちょうどコロナ禍の真夏でした。衣装におそろいのカレッジスタジャンを着て、コロナ禍だからマスクを着用しながらのパフォーマンスだったんです。あのときは本当に暑くて死ぬかと思いましたね(笑)」
22年には、メンバーの八村倫太郎がTBSドラマ『君の花になる』に出演したことで、グループの知名度は急上昇し、見える世界が一変した。
「倫太郎のドラマ出演中にフリーライブを5都市で開催したんです。そしたら初日の愛知で今まで見たことないくらいの人が来てくださいました。『え! 本当に僕たちを見に来てくれてるの?』って驚きましたね。2回公演を予定していた日もあったのですが、人が来すぎたことで、1回しかできなくなってしまったこともありました。これまでに見たことのない光景が広がっていたので本当にうれしかったです。倫太郎を見に来ている=WATWINGを見に来てくれているということなので、ここでみんなを“Windy(=ファンネーム)“にしてやろうって気持ちでしたね」
2月8日には日本武道館でのライブを成功させた。「決まったからには、『やってやろう』という気持ちでした。正直、『ちょっと早いんじゃないか』とも思いましたが、『あんなに大きいステージでワンマンライブできるんだ』と、とにかくうれしかったです」。
WATWINGは、結成当初から大きな目標に掲げてきた。「東京ドームでライブできるようなアーティストになりたいです。いろんな人に知ってもらって、日常的にみんなが聞いていて、『イケてるグループはどこだ?』となったときに『WATWING』と答えてもらえるようば存在になりたいです」と笑顔で語る。
クールな見た目とは裏腹に「僕はちょっと抜けている」と実はイジられキャラ。「芸人さんが好きなので、バラエティーに出て、ガツンとツッコんでもらいたいです」と抱負も明かす。
「思考を止めずに常に頭を動かし続けながら、どうすればみんなが喜んでくれるかを考えていきたいです。クリエイティブで在り続けたいですね」。自然体な「鈴木曉」を体現しながら、これからも真っすぐに進み続ける。
□鈴木曉(すずき・あさひ)1998年2月15日、宮城県出身。2019年11月に開催されたホリプロ主催「Star Boys Audition」に合格しWATWINGのメンバーとしてデビュー。グループNO.1の正統派イケメンとも称され、甘いマスクと透き通る声質が魅力。趣味・特技は曲作りと字を書くこと。ファッション好きで古着を好む。憧れの人物は清木場俊介。
写真集の詳細は下記サイトより
◯https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g302311002282/