激震走ったスターダム創設者の解雇、復活した中野たむの思い「恩返しが私の今すべきこと」

2023年10月中旬から4か月弱、左ひざのけがで欠場していた前ワールド・オブ・スターダム王者の中野たむ。欠場中に同王座を返上することになったものの、2月4日に無事復帰戦を終え、すでに頭の中は自身が率いるユニット・COSMIC ANGELS(以下コズエン)の未来のことでいっぱいだ。自身の欠場中は、水森由菜とスポット参戦の安納サオリがコズエンを守ってくれていた。そして、たむの復帰後には新人の玖麗(くらら)さやかがコズエン入りを直訴、水森による「トロピカル審査(皆が???となっている)」を受けることになり見習いとして加入した。

COSMIC ANGELS、そしてスターダムの未来を語った中野たむ【写真:橋場了吾】
COSMIC ANGELS、そしてスターダムの未来を語った中野たむ【写真:橋場了吾】

コズエン見習い・玖麗さやかの根性はすごい…絶対に伸びる選手

 2023年10月中旬から4か月弱、左ひざのけがで欠場していた前ワールド・オブ・スターダム王者の中野たむ。欠場中に同王座を返上することになったものの、2月4日に無事復帰戦を終え、すでに頭の中は自身が率いるユニット・COSMIC ANGELS(以下コズエン)の未来のことでいっぱいだ。自身の欠場中は、水森由菜とスポット参戦の安納サオリがコズエンを守ってくれていた。そして、たむの復帰後には新人の玖麗(くらら)さやかがコズエン入りを直訴、水森による「トロピカル審査(皆が???となっている)」を受けることになり見習いとして加入した。そして、ファンとしては一番気になるのは創設者であるロッシー小川氏の解雇が及ぼす影響だろう。そんな中、いち早くスターダム残留を表明したたむは、今何を考えているのか。(取材・文=橋場了吾)

 2月4日のたむの復帰戦のパートナーは、コズエンに見習いとして加入し、のちに正式メンバーになった水森だった。

「ゆなもんは、私となつぽいが欠場している間コズエンを守ってくれて。復帰戦で横にいたときにとても頼もしいと思いました。安心して試合ができるなと。大変な思いをして、コズエンを守ってくれたんだなと感じましたね。でもその反面、ゆなもん自身の悩みを聴いていたので、なつぽいともたくさん相談しました。コズエンって、ずっと変わってきたユニットで、変化をし続けることで継続してきたというか。ゆなもんはコズエンに加入するときにダイエットして変化して、また今もう一段階変わるタイミングが来ているのかなと思いますね。

(玖麗の加入について)ゆなもんが審査するってことは、ゆなもんの変わるチャンスなんですよ。私が変わる起点になった出来事は、コズエンを作ったことです。かつて自分が追いかけていた岩谷麻優みたいに、誰かに手を差し伸べて引き上げてあげる存在になりたいからで、後輩ができることによって自分が成長させてもらえるんです。ゆなもんにも後輩ができてその立場になるってことは、その中でゆなもんも見つけることがあるんじゃないかなと思いますね」

 そして新人たちが続々ユニットに加入する中、自己主張をあまりしてこなかった玖麗がコズエン入りを志願した。玖麗の申し出を、たむは喜んで受け入れた。

「玖麗は練習生時代から見ていますが、ああ見えてものすごく根性があります。普段はふわ~としている感じですけど(笑)、スパーリングをしたときの負けん気が本当にすごいです。スポーツ経験がないのに成長するスピードも速いですし、痛めた箇所があっても休まずに違う箇所のトレーニングをしていましたし。『這い上がってやる』という強い気持ちを感じましたし『この子、絶対に伸びるな』とずっと思っています。(玖麗がコズエン入りを志願したのは)本当に嬉しいです、かわいいし(笑)。これでダンスが上手だったら最高ですね!」

4か月ぶりの復帰戦を見事勝利で飾った中野たむ【写真提供:スターダム】
4か月ぶりの復帰戦を見事勝利で飾った中野たむ【写真提供:スターダム】

ロッシー小川氏の解雇に「あとのことは大人同士で話し合ってもらいたい」

 たむの復帰戦が行われた翌日、プロレス界に激震が走った。スターダムの創設者で、多くの選手と苦楽を共にしてきたロッシー小川氏の解雇が発表されたのだ。メディアには「引き抜き」といった言葉もあり、ファンも気が気でない時間が続いている。

「正直なところ私は、『会社は然るべき対処をして、それを発表したので、あとのことは大人同士で話し合ってもらいたい』と思っています。真実は大人同士で話し合ってもらって、ファンの皆さんには私たちスターダムの戦いで楽しませたいという気持ちです。本来ならば、赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)を防衛した舞華だったり、復帰戦を行った中野たむ(笑)だったりがフィーチャーされるべきで。その話題が全部持ってかれてしまったので、私が今やるべきことは、女子プロレス大賞をいただいたときの『スターダムへ恩返しをする』という約束を果たすことだと思っています。その(マイナスの)話題をかき消すくらい、スターダムを盛り上げると思っている選手はいっぱいいますし。これからのスターダムの躍進に、期待してください!」

 こうなるとたむの次なる標的は赤いベルト、ということになろうが、現王者・舞華は「まだ早い」と公言した。しかし、たむは「意外にその日は早いかも」という。

「まだ100%ではないことは仕方ないとはいえ、中野たむはゾンビですからね。昨日(2月12日)に復帰3戦目を終えて、めちゃくちゃプロレスが楽しいというところまで来ています。プロレスは私の生きる場所、やっぱりこれしかないなというところまで来ましたので、意外に早く来ちゃうかもよ……と言うのは本音ではあるんですが、赤いベルトは私が責任を果たせなくて手放したベルトで、スターダムのためにもファンの皆さんのためにももう一度あの続きをしなければいけないと思っています。舞華は、団体を背負うという気持ちが試合にも佇まいにも表れていて、ベルトを取ってすごく変わったなと。立場が人を変えるというのは、こういうことをいうんだなと思いました。心身ともに私の知っている舞華ではない彼女との戦いは早く来ちゃうかもしれないけど、然るべきときに然るべき場所で、大きな会場で取り返したいなと思います」

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