46歳で資産1億円男が明かした“勝つ哲学” 新NISAは「まだ」、制度活用のタイミングとは

46歳で資産1億円を達成した絶対仕事辞めるマン(@MaqwgNaJKDOnxGb)さんは投資経験も豊富だ。就職氷河期に入社したブラック企業に早々に愛想をつけ、畳の上で粗食を取り続ける徹底的な節約をメインに、投資でも資産を増やした。現在、1日のすべての食事は優待やポイ活でまかなっている。新NISAを含めた、投資全般についての考え方を聞いた。

億り人になっても食事は質素だ【写真:X(@MaqwgNaJKDOnxGb)より】
億り人になっても食事は質素だ【写真:X(@MaqwgNaJKDOnxGb)より】

投資始めて20年「僕は無配の企業でもいい」、逆張りの極意

 46歳で資産1億円を達成した絶対仕事辞めるマン(@MaqwgNaJKDOnxGb)さんは投資経験も豊富だ。就職氷河期に入社したブラック企業に早々に愛想をつけ、畳の上で粗食を取り続ける徹底的な節約をメインに、投資でも資産を増やした。現在、1日のすべての食事は優待やポイ活でまかなっている。新NISAを含めた、投資全般についての考え方を聞いた。

――1月に新NISAが始まりました。どのように受け止めますか。

「新NISAはもう明確に投資家側に有利になる制度なので、もちろんやるとしたらまずこの枠を使うということだと思うんですけど、実は僕、まだ全然使っていないんですよ。株価も高いですし。ただ、次の買い付けするとき、例えばすごく株が安くなったとか、これはというものがあったときはもちろん活用したいなと思っています」

――「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の使い分けは。

「NISA枠じゃないんですけど、積み立ては一応、オールカントリーを月5万とか積み立てていますね。オルカンでいいんじゃないかと。S&P500もすごく人気ですけど、僕はもうちょっと広いのが好きです。ただ、どうなのかな、ちょっと本当高いですよね。バブルとまでは言わないですけど、やっぱりここの数年というか10年ぐらい伸びすぎだし、もうちょっと誰も見ていないような指数とか、成長投資枠だったら企業でもいいですけど、今全く光が当たってないところのものを買うのが本来の株のやり方だと思っています」

――確かに投資信託は一部に人気が集中していますね。

「例えばですよ、今中国株はボロボロなんですよ。香港とか上海もそうだと思うんですけど、かつてのリーマンショック時のような水準です。でも、みんな怖がって投資しないんですよね。でも、本来投資すべきなのはそういう状況の企業なんですよね。S&P500や日経平均はすごく高くなっているにもかかわらず、今みんな普通の人も欲しい欲しいと言って買うのを怖がらない。僕はそれは逆だと思っていて、やっぱり日の当たらないものを発掘するのが1つのやり方なのかなと思っています。今までも僕はだいたい、そうやって投資しています」

――今、中国を買うのは難しいですね。

「リーマンショックのときにS&P500とか個別株を買っていれば一番いい買い場で、めっちゃもうかっているはずなんですけど、誰も怖くて買わなかったですよね。当時安いにもかかわらず。それって、今の香港株というか、ハンセン(指数)と言うんですけど、そういう株と同じ状況だし、恐怖感ってなんか逆なんだなと思うので、投資のコツってそれなんじゃないでしょうかと。僕はさほど株はうまくないけど、偉そうに言うとしたら、そういうことですかね」

――「成長投資枠」に高配当株を勧めるアナリストも多いです。

「あれ、なんでみんな『高配当枠』と呼ぶのかよく分からないです。配当を出さずに、会社の資金として活用して次のビジネスにつなげてもらうほうが、結局株価に反映されて得なはずなんです。例えば配当利回りが4%の株があって、まあまあいいと判断する。だけど、それって会社がその資金で4%以上のビジネスを作ることができない、とも捉えられるわけですよね。『いや、うちの会社で新事業をこの金使ってやれば10%でも稼いでやる』みたいな、そういう会社って、むしろ配当を出さないわけですよ。僕は必ずしも配当にこだわらなくてもいいかなとは思います」

――投資初心者には目からうろこです。

「株主に対する姿勢としては、配当を出すのは会社の態度としてはすごくいいものなんですけど、経理というか、その企業のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)で考えれば、僕はむしろ無配の企業でもいい。例えば、僕も持っている個別株で、アメリカの株なんですけど、バークシャー・ハサウェイという株があるんですね。これは(著名投資家の)ウォーレン・バフェットという人の会社なんですけど、すごく大きな投資会社で、ここはひたすら無配なんですね。で、どんどん、どんどん資金を会社の中に積み上げて運用している。もし配当を出していたら、こんなに積み上がっていないですし、株価で報いてくれればいいので高配当というのはあんまりこだわってないです」

――株価が高くなれば、売ったときに利益が出ますね。

「結局それでいいですよね。配当を使わずして、新規事業で純利益が大きくなれば、株価が上昇する可能性が高いですよね」

刑務所風麦飯【写真:X(@MaqwgNaJKDOnxGb)より】
刑務所風麦飯【写真:X(@MaqwgNaJKDOnxGb)より】

ブレの大きい個別株は「インデックスの利回りを大きく超えられる」

――絶対仕事辞めるマンさんは日米の個別株を保有しています。インデックス投資より個別株なのでしょうか。

「インデックスよりは個別株のほうがずっと多いですね。株のキャリアは下手ながら20年ぐらいあるんですけど、15~20年前とかって、みんなインデックス投資ってあんまりやってなかったんですよ。最近、割と浸透してきたんですけど、そういう時代で学習してきたものですから、昔ながらの癖みたいなのがあるんですかね。ただ、インデックスって全然いいと思うんですよ。一番論理的だし、無理がないし、それで積み立てるというのは、みんなお勧めする理由はあるので、全然否定しないです。ただ、本当に適正に株を選べば、個別株のほうがインデックスの利回りを大きく超えられます。外したときのダメージも大きいですけど、そのブレが大きいですよね」

――ハイリターンは個別株の魅力です。

「すごく自分が詳しい業界があるとか、そういうのだったら、インデックスというのはあくまで市場の平均なので、個別株で平均を超えることができる可能性は十分高いです。僕が最初に(投資の世界に)入ったとき、バフェットさんの本を読んだんですけど、やっぱりそういう考え方の本でした。要は利益を独占的に得ているような会社は、市場平均を大きく上回る可能性が高い。だからそういうところに投資したほうがいいんじゃないかと。僕はそこから入っているので、個別が今でも多いですけど、個別ってもう疲れますよね(笑)やっぱり、インデックスかな」

――投資信託では、インドも注目されています。

「インドもいいですよね。やるとしたら、そういう勢いがある国もやりたいですよね。逆にこれから復活があるなら中国を狙ってもいいですし、ベトナムとか東南アジアも手数料が安いインデックスがあればいいと思うんです。ま、そのあたりも込みでオルカンなのかなっていう気もしますけどね」

――酸いも甘いも知るベテランならでは見立てです。

「落ちたときに拾うというのが基本、逆張りです。ずっと右肩上がりだから流れに乗って投資しろというのは順張りですよね。どんどん、どんどん右肩上がりのときに積み上げていく。僕はどっちかというと、逆張りです。大暴落したときにボンって買う。そっちのほうが安く買えますし、僕は好きですね」

――コロナ禍のときはどのくらい買われたのですか。

「コロナのときは結局、1000万弱しか投じられなかったですね。全然少ないですよ。僕、当時で7000万近く持っていたんです。3000万ぐらい投資しようと思ったんですけど、ひよって1000万です。そのときに拾ったのはやっぱりパフォーマンスはいいですよね。だから物を買うのも株を買うのも安いほうがいいってなるんですけど、でも、怖いですよ。あのとき入るのは……」

――1億までの道のりは決して平たんではなかったですね。最後に今後の目標を教えてください。

「大きな目標を立ててというのはなくて、20代、30代を棒に振っているので、その分、取り返すぐらいの楽しい生活をするが目標です。もう余生ですからね。あとは落ち着いたら、ボランティアでもしたい気持ちがあります。レクリエーションとしてですが。本当に、緩やかな生活が目標ですね。あんまりガリガリと頑張るみたいなのをやめて、明るく元気な今の70代ぐらいのテンションで生きていこうと思っています」

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