中村雀右衛門、女方最高峰の父を語る 美の秘訣はお肉「背中がピチピチで油ぎっていた」
歌舞伎俳優の中村雀右衛門(じゃくえもん)が13日、都内で行われた歌舞伎座『三月大歌舞伎』四世中村雀右衛門十三回忌追善狂言『傾城道成寺』の取材会に出席。亡き父で“女方最高峰”と呼ばれた四世中村雀右衛門について語った。
普段は革ジャン&革パンツに「レイバンの緑色のサングラス」
歌舞伎俳優の中村雀右衛門(じゃくえもん)が13日、都内で行われた歌舞伎座『三月大歌舞伎』四世中村雀右衛門十三回忌追善狂言『傾城道成寺』の取材会に出席。亡き父で“女方最高峰”と呼ばれた四世中村雀右衛門について語った。
『中村雀右衛門』は女方の大名跡。雀右衛門の父である四世雀右衛門は、2012年に91歳で亡くなるまで昭和、平成と大活躍した。女方の大役で至難とされる『金閣寺』の雪姫、『本朝廿四孝』の八重垣姫、『鎌倉三代記』の時姫の“三姫”や、『京鹿子娘道成寺』の白拍子花子など、多くの当たり役を持つ。瑞々しくつややかな芸と色気で観客を魅了した。三月大歌舞伎の昼の部では、四世雀右衛門の十三回忌追善狂言として『傾城道成寺』を上演。雀右衛門は父が演じた傾城・清川を演じる。
雀右衛門は16年に五代目を襲名。15年に襲名を発表した際、「父は70歳を過ぎても肌がピチピチしていた。相手の立ち役(男役)は父より若かったので、『女方は常に若く美しくいなければいけない』をモットーに、トレーニングをしていました」と語っていた。
父の若々しさについて聞かれると、「父はお肉が好きで、よくお肉を食べていました。鏡台の前に並んで化粧していると、父の背中がピチピチで油ぎっているんですよ(笑)。『なんでこの年で油ぎってるのかな、ムチムチしていて』と思っていましたが、最期までお肉が好きでした」と振り返った。
「それと同時に、足腰が辛くなったこともあったようで、トレーナーの方からスクワットや、筋力をつけて膝をカバーするトレーニングを受けていました。それから、非常に好奇心が強い父でした。そういった気持ちというのも含めて、70歳でも背中がピチピチしていたんじゃないかなと思い返します」とした。さらに「自分も体を動かしたりストレッチしています。父のように、精力的にバイタリティをもっていきたい」と語った。
舞台上では色っぽい女方を演じた父。普段は革ジャンに革パンツをはいてオートバイに乗っていたといい、「レイバンの緑色のサングラスをして、『これはマッカーサーがB29から降りて来た時にかけていたのと一緒だ』と。普段の姿は全然違うイメージ。でも、お芝居の中では女方でした」と懐かしんだ。