俳優の杉咲花が13日、都内で行われた映画『52ヘルツのクジラたち』（3月1日公開）の完成披露試写会に、共演の志尊淳、小野花梨、桑名桃季、主題歌を担当したSaucy Dogの石原慎也、原作者の町田そのこ氏、メガホンをとった成島出監督とともに出席した。

　2021年の本屋大賞を受賞し、累計発行部数100万部目前の同名小説を映画化した本作。“52ヘルツのクジラ”とは、他の仲間たちには聴こえない高い周波数で鳴く世界で1頭だけのクジラのこと。そんな“世界でもっとも孤独なクジラ”たちにも、その声なき声に耳をすませてくれる相手がきっといる。人間の光と影を見つめ続ける成島出による、切なる想いの先に、胸を揺さぶる希望の光を届けてくれる愛の物語が完成した。

　自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚を演じる杉咲は、本作との出合いが「自分にとってはかけがえのない出合いになりました」としみじみと語り、「この物語の中で描かれていること一つひとつを知っていくにつれて、自分が聞こえる周波数が少しだけ広がったんじゃないかという風に思ったりしていて、すごく大切な出合いになったなと思います」とコメント。

　また、貴瑚の高校時代からの親友・牧岡美晴を演じる小野とは、プライベートでも仲が良いそうで、小野は「1か月、花の家にお泊まりして（自分の）家に帰らないということもさせていただいていたので、公私混同しないように過剰に距離を取ったりしながらやらせていただきました」と打ち明け、「本編でも親友という役だったので、役作りがいらないといいますか、お互いを探り合う時間が必要なかったので、それはぜいたくなことだなと思いました」とにっこり。

　一方、杉咲は「私は友だちが仕事場にいるという感覚が慣れなくて、小っ恥ずかしさもすごくあったんですけど、お芝居が始まったときに美晴としてそこに存在してくれる花梨を目の当たりにして、とても背筋が伸びる思いでした」と吐露し、そんな杉咲について小野が「佇まいもそうですし、スタッフさん一人ひとりへの気遣いもそうですし、普段は見られない一面を見られて非常に勉強になりました」と絶賛すると、杉咲は「ちょっといじられてるような感じもします（笑）」と照れ笑いを浮かべた。