原田泰造が振り返る俳優生活 お笑いと両立29年も「休みたいと思ったことない」

東海テレビ・フジテレビ系列のドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(土曜・午後11時40分)に主演している原田泰造(53)。「ネプチューン」としての活動の一方、1995年から俳優業を続けている。俳優としての原点、転機を語った。

1995年から俳優業を続けているネプチューン・原田泰造【写真:ENCOUNT編集部】
1995年から俳優業を続けているネプチューン・原田泰造【写真:ENCOUNT編集部】

1995年から俳優業をスタート…デビュー作は『ママに宿題』

 東海テレビ・フジテレビ系列のドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(土曜・午後11時40分)に主演している原田泰造(53)。「ネプチューン」としての活動の一方、1995年から俳優業を続けている。俳優としての原点、転機を語った。(取材・文=平辻哲也)

 芸能界入りは1990年。93年からは堀内健、名倉潤とともにお笑いトリオ「ネプチューン」を結成し、95年に床嶋佳子主演のTBS花王 愛の劇場『ママに宿題』で俳優デビューしている。

「僕はテレビに出る仕事がしたかったから、いろんなオーディションを受けたりしていたんです。その後ネプチューンになってからも、いろんなことをやりたかったんです」

 10~20代はテレビに夢中だった。

「憧れている方はいっぱいいました。『池中玄太80キロ』(1980年)の西田敏行さん、『3年B組金八先生』(1979年~)の武田鉄矢さん、映画ではジャッキー・チェン。バラエティーでは『オレたちひょうきん族』(1981年)があって、『8時だョ!全員集合』(1969~1985年)のドリフターズさん、それから、ウッチャンナンチャンさん、ダウンタウンさんがいて……。あの頃のテレビは本当にキラキラしていたから」

 デビュー作『ママに宿題』での経験は忘れがたい。

「僕の役はフラフラしている男の役で、共演の八名信夫さんに怒られるシーンがあったんです。台本になかったのですが、八名さんが本番でいきなり顔を平手打ちしてきたんです。ビックリしましたけど、役者って、こんなことがあるんだ、と思いましたね。すごく楽しかったけれども、覚えているのは、それぐらいだから、インパクトのある体験だったんだと思います」

 2004年には映画『ジャンプ』で初主演。大河ドラマ『篤姫』(2008年)では大久保利通、『龍馬伝』(10年)では近藤勇、『花燃ゆ』(15年)では杉民治と歴史上の偉人、連続テレビ小説『ごちそうさん』ではヒロイン卯野め以子(杏)の父役を演じた。

 趣味はサウナ。20年近く前から、月に何度も通っている。サウナ好きが知れ渡り、19年にはテレビ東京系『サ道』の主演に抜てきされ、今もスペシャルドラマが作られる人気シリーズになった。

「サウナはいつ頃から行っているんだろう。『ボキャブラ天国』(1992~99年放送)をサウナ室で見た記憶があるので、随分前からですね。『サ道』で一緒に出ている三宅弘城さんとも一緒になったこともあります。サウナの入り方はドラマのまんま。それまでは『ととのう』という時間がなかったけれども、『サ道』で覚えたので、自分でもやるようになりました」

 転機になった作品は特にないという。

「ドラマ、舞台、映画は準備してきたものが出来上がるまでの過程が楽しい。どれも思い入れがありますので、ここで変わったというようなことはないかもしれない」

 舞台では、アレック・ボールドウィン&メグ・ライアンが共演したロマンティック・コメディ映画の原作となった『キスへのプレリュード』(2005年)なども経験している。

「舞台だと、最初に台本を渡されると、セリフがいっぱいあって、こんなにたくさん覚えられるかな、というところから始まるんです。でも、ずっと稽古をしていて、何回も読んで、しゃべっているうちに体に入ってくるのが分かるんです。それは、舞台でもドラマでもコントでも同じなんです」

 その原体験は『新春かくし芸大会』(1964~2010年)だ。ネプチューンは97年に初出場し、07、08年には西軍キャプテンも務めている。

「その道のプロがお手本を見せてくれるのですが、最初は『こんなことができるの?』と思ってしまう。でも、何日も通って、練習しているうちにできるようになってくる。こういうことはこの世界に入って、初めて知ることができた。やっているうちに、もっと勉強すれば、大学にも行けたかもと思ってしまった」と笑って振り返る。

 一番印象深い演目は、30代後半にやった中国雑技団のようなアクロバット演技。「ゴムを使ってジャンプして曲がって、乗っかるみたいな感じなんです。中国人から年齢を聞かれて、『30後半です』と答えたら、『その歳で普通はやらない。10代の人がやるもの』と言われました(笑)。元日に生で披露することになっていたので、倉庫みたいな場所でひたすら練習する。すごく寒くて、イヤでしたね(笑)。でも、1か月やると、できるようになってくる」

 10代の頃はスポーツも習い事も常に三日坊主だった。

「だから、親がいつもがっかりした顔をしていたのをよく覚えています。野球をやらしてもすぐ辞めちゃうし、習い事も続かなかった。アルバイトもすぐにやめてしまう。本当に続いているのは、この芸能界だけですね。1度もやめたいとか、休みたいとは思ったことはない。むしろ、逆でやめたくない。ずっとずっとすがりついていきたいくらいですよ」。お笑いも俳優も一生涯続けていくつもりだ。

□原田泰造(はらだ・たいぞう)1970年3月24日生まれ。「ネプチューン」のメンバーとして活躍する一方、俳優として多数のドラマ・映画・舞台に出演。『編集王』(CX)でテレビドラマ初主演、2004年『ジャンプ』(竹下昌男監督)で映画初主演。主な出演作にドラマでは、NHK大河ドラマ『篤姫』『龍馬伝』『花燃ゆ』、NHK 連続テレビ小説『ごちそうさん』、NHK特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』、『サ道』(TX)、『祈りのカルテ』(NTV)、『はぐれ刑事三世』(EX)、映画では『ミッドナイト・バス』(竹下昌男監督)、『スマホを落としただけなのに』(中田秀夫監督)など。

スタイリスト:上井大輔(demdem inc.)

衣裳提供:(株)エクスプローラーズトーキョー プレスルーム(03-6851-4604)

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