堀口恭司、「TOP BRIGHTS」に大物参戦を模索中 意外な女子選手との交流も…「焦らずに治して」とエール
1月11日、新木場1stリングでSEAdLINNNG(シードリング)の2024年開幕戦が開催された際、試合中、アクシデントに遭遇し緊急搬送された中島安里紗に強力な援軍だ。日本人最高の実績を持つ総合格闘家の堀口恭司が、復帰に向けた道を模索中の“令和女子プロレス界の悪魔”中島にエールを送っていたことが分かった。
緊急搬送翌日にエールを送った堀口
1月11日、新木場1stリングでSEAdLINNNG(シードリング)の2024年開幕戦が開催された際、試合中、アクシデントに遭遇し緊急搬送された中島安里紗に強力な援軍だ。日本人最高の実績を持つ総合格闘家の堀口恭司が、復帰に向けた道を模索中の“令和女子プロレス界の悪魔”中島にエールを送っていたことが分かった。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
創設者であるロッシー小川氏の契約不履行によるスターダム離脱が公になり、激震が走った令和女子プロレス。“王道”全日本プロレス同様、こちらも「引き抜き」というワードが飛び交い、新団体発足を含めた憶測が飛び交っているが、年頭から女子プロレス界を騒がせたのはSEAdLINNNG(シードリング)の“悪魔”中島安里紗が緊急搬送されたことだった。
しかしながら、そんなプロレス界の状況をまったく気に留めずにいるだろう男が、中島にエールを送った。
「焦らず治すことが一番なんで、焦らずに治してください」
RIZINフライ級王者の堀口である。
堀口といえば、UFC再挑戦を視野に入れているが、現実的な話をすると契約先のベラトールがPFLに買収され、今現在、次戦がいつどこで、どのリングで実施されるのかも分からない状況にある。そんななか、堀口は大みそかのRIZINで公開プロポースした川村那月と正式に結婚式を済ませた後、8日に米国に向けて帰路についたが、自身の試合と並行して、次大会の「TOP BRIGHTS」開催に関する方向性を模索しているところ。
しかも関係者から「次大会には、あっと驚く選手の参戦を狙っています」との仰天情報も入ってきた。それが誰なのかは現時点では分からないが、世界屈指のトップファイターが集結するアメリカン・トップ・チーム(ATT)所属の堀口からすれば、超大物の参戦は十分あり得る話になる。
と同時に、堀口と令和女子プロレス界の“悪魔”中島が接点を持ったことは、仰天というより非常に意外性のある話だった。
ちなみに堀口が中島にエールを送ったのは、中島が緊急搬送された翌日1月12日のこと。
堀口は知人からその状況を耳にすると、「普通に落ちただけですよね?」と聞き返したものの、今までの蓄積もあっての事故だと聞くとそう話し、中島を気遣う言葉を発した。
堀口からすれば、2018年に右足の前十字靭帯の損傷し、場合によっては選手生命も危ぶまれる、という危機的状況に陥ったが、それを念頭に入れつつ、以下のように話した。
「ホントにもう……、人間そういう時って焦っちゃうと思うんですけど、自分が足をやった時は、まったく焦らず…。なんていうんですかね? ファンの方からは、絶対に(パフォーマンスが)落ちるとか、絶対に前の動きが取れないとか、言われましたけど、そんなのは関係ないので。そんなのは考えないで、ゆっくり休んで、復帰できる時にすればいいのかなあとは思います、はい」
今後の「TOP BRIGHTS」で女子プロレスの試合はあるか
結果的に堀口は、復帰まで1年半という時間はかかったものの、朝倉海との再戦(2020年大みそか、さいたまスーパーアリーナ)にカーフキックで激勝し、見事なまでの復活を遂げ、今に至っている。
実をいうと、堀口が中島にエールを送った件には前段がある。
両者は1月8日に都内で開催された堀口恭司著『EASY FIGHT』(幻冬舎)の刊行記念イベント終了後、知人を介して初対面を果たした。
読書家でもある中島は、年頭から堀口の著書を読破し、その感想を「身が引き締まる思いがした」とSNSに投稿したほど。実際に初対面を果たした際には、昨年8月に行われた、SareeeVS中島戦の映像の一部を見ながら、同席した箕輪氏とともに、口を揃えて「ガチッスね」といったニュアンスの言葉を発している。
もちろん、この言葉の真意は、ぬるいプロレスの試合とは違う、という意味合いを表したものだが、堀口の目にもそう映るくらい、SareeeVS中島戦の激しさは伝わったようだった。
また、堀口は中島が令和女子プロレス界で“悪魔”と呼ばれるほど、対戦相手を震え上がらせる試合をすると聞き、「(堀口が主催する)TOP BRIGHTSに出ればいいじゃないですか」とも話していた。これは中島にMMAやキックボクシングを勧めた、というよりも、場合によっては今後の「TOP BRIGHTS」の大会に、MMAやキックボクシング以外の試合が組まれる可能性もある、という話でもある。
たしかに、旗揚げ戦同様、「TOP BRIGHTS」が群馬を拠点にするようになっていくとしたら、なおさらガチガチのMMAやキックボクシング以外に、幅広い層に届きやすい試合が模索されていくことは決して間違っていないように思う。
ここまで話したところで、改めて中島の状況を整理すると、緊急搬送された中島は、病院ですぐにMRIやCTの検査のために入院したものの、とくに異常は認められず、頚椎の軽微な損傷と診断された。
結果的に4日間だけ入院生活を送った中島はすでに退院し、通院生活を送りながら、復帰に向けて調整を行っているところ。まだ本格的な練習には至っていないものの、道場で徐々に汗を流しながら、再びリング上に立つ日を夢見て心身を研鑽する毎日を送っている。
なお、2月13日には シードリングの新宿FACE大会が開催されるが、同大会で中島は緊急搬送されてから初めて公の場であるリングに立ち、現状を報告するための挨拶を行う予定だという。現段階で中島のリング復帰に向けたメドはどの立っているのか。ひと月後なのか、半年後なのか、来年なのか、それとも……。
いずれにせよ、堀口の次戦同様、正式なアナウンスが待たれていることは間違いがない。