ゆうたろう、「今死んでもいい」と思い詰めたひきこもり時代 脱却のきっかけはSNS
俳優でモデルのゆうたろうが10日、都内で行われた厚生労働省「ひきこもりVOICE STATIONフェス」に、宮本亞門、高橋みなみとともに出席した。過去のひきこもり経験について語った。
当時は「一週間、一か月平気で外出てない」ことも
俳優でモデルのゆうたろうが10日、都内で行われた厚生労働省「ひきこもりVOICE STATIONフェス」に、宮本亞門、高橋みなみとともに出席した。過去のひきこもり経験について語った。
中学1年のときに不登校を経験しているゆうたろうは「小学生の頃から皆で一緒の行動をしたりとか、皆で同じことをする集団生活が苦手だった。一番違和感があったのは、同じ制服を着なきゃいけないこと。自分のオリジナリティーがまったく出せない。皆同じくらいの髪の毛で、校則にも最初違和感があった。『このグループにいなきゃ、この小さな世界になじめない。居場所がない』というのが辛くて行かなくなったのが最初のきっかけ」と説明。
続けて「僕は(具体的な)理由もなく、親に『行かない』と言う選択をして家にいたので、最初はすごい心配された。『学校でこういうことがあって……』と話したら、父は『普通はこうなんだから』と言ってたんですけど、母は『いや、ゆうたろうがそうしないなら、そうしていいよ。まぁ、あなたの人生だし、親としては支えるけど、あなたの好きにしなさい』と言ってくれた。その言葉を初めて言われたときにグサッと来た。それから自分のペースで行けるようにしていた」と話した。
当時は「一週間、一か月平気で外出てない」こともあり、「けっこう最初は父に『なんで行かないんだ!?』と言われたことがあって、お父さんが仕事に行くまでクローゼットの中に隠れていた」。家にこもって「本当に時が過ぎるのを待つだけ。寝て、ちょっと携帯をさわって、ご飯を食べて、トイレ行って……みたいな。いつの間にか『あ、寝る時間だ』となって寝る。でもまわり、家族を見渡せば仕事に行く人がいて、学校に行く人がいる。帰ってきて、談笑しながらご飯を食べてる。その時間僕は1人でいる。本当に対象的な人間を1、2年くらい見ていた。本当に辛かった。阻害されてる気分だった。でもそのきっかけを作ったのは自分。誰にも当たることもできないという辛さもありました。その当時は『今死んでもいい』くらいの気持ちで、ただただ時が過ぎるのを待つだけでしたね」と当時の心境を振り返った。
立ち直ったきっかけについて「僕の学生時代からはSNSが普及していた」と答え、「そこで、学校という小さな社会、コミュニティーだけじゃなくて『SNSにはこんなに色んな共通点を持っている人がいて、年齢も性別もバラバラなのに、これだけ楽しく話すことができるんだ……!』と知ったときに、生きやすい世界だと思った」と述懐。「自分の服とかメイクもしていたのでそういうことをのせていたら、『1いいね』がついて、友達ができた。そういうコミュニティーを広げたことで『ちょっと今度会ってみようよ』となり、ひきこもりから脱却できた。すごくSNSに僕は助けられましたね」と振り返ってほほ笑んだ。
厚生労働省は、ひきこもりに理解がある地域社会の実現を目指し、10月よりTOKYO MX『ひきこもりボイスTV』(全6回)を制作・放送。「ひきこもりVOICE STATION全国キャラバン」を6ブロック(埼玉、長崎、京都、福島、島根、石川)で開催してきた。集大成として2月10日に「ひきこもりVOICE STATIONフェス」を東京にて開催。今回のキャンペーンの目的である“ひきこもり状態にある方やその家族が孤立することなく、地域社会に住む一人ひとりがひきこもりに関する理解を深め、相談しやすい環境づくり”になるよう、ひきこもり経験のあるタレントや、ひきこもり支援者、そして有識者を交えてディスカッションを行った。