【相棒22】小林隆演じる美術コレクター、歪んだ愛情に「身勝手なエゴ」「どこか哀れ」

俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒SEASON22』(水曜午後9時)の第14話が、1月31日に放送された。今回は、複雑なストーリー展開に驚きの声があがっている。

水谷豊【写真:ENCOUNT編集部】
水谷豊【写真:ENCOUNT編集部】

才能ある若き芸術家たちが犯罪者に

 俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒SEASON22』(水曜午後9時)の第14話が、1月31日に放送された。今回は、複雑なストーリー展開に驚きの声があがっている。

 同作は、2000年に誕生した刑事ドラマシリーズ。警視庁で“人材の墓場”と呼ばれる『特命係』に配属された警部・杉下右京とその相棒たちが、数々の犯罪事件を解決していく。もともとキャリアとして警察庁に入庁した右京は、“切れモノ”過ぎるが故に上層部からにらまれ閑職に追いやられたが、卓越した洞察力と名推理で事件の謎を解き明かしていく。

 寺脇演じる特命係巡査部長の亀山薫は、SEASON1からの“初代相棒”。約14年ぶりに“五代目相棒”として右京とのコンビが復活し、今作で再会2年目となる。

(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

 ある休日、右京はチェス喫茶店で、著名な美術コレクター・道明寺吉嗣(小林隆)から対局を申し込まれる。道明寺は若い芸術家を支援し、自宅に20億円相当の美術品をコレクションしていた。右京に敗れた道明寺は、「相当な策士。恐ろしい人だ、無慈悲で冷酷だ」とたたえる。

 その頃、薫は妻の美和子(鈴木砂羽)と共に、陶芸家でアート界の若きエース・島川雪乃(清水葉月)の陶芸教室に参加していた。島川も道明寺から支援を受ける1人で、その活躍ぶりから近々ニューヨークへ拠点を移すことになっていた。

 チェスを楽しんだ道明寺のもとに、自宅で遺体が発見されたと連絡が入る。かけつけると若い男性が亡くなっており、コレクションルームから美術品が全て盗まれていた。現場には、同じく道明寺から支援を受けている洋画家・横井正孝(小野健斗)もかけつけた。横井は若手芸術家に贈られるフランスの名誉あるミレー賞を受賞し、パリに拠点を移すことになっていた。

 警察は、ここ1か月で2件発生している美術品強盗グループの仕業とみて捜査を進める。しかし右京は、手口が違う点や、一点の水墨画だけがコレクションルームではなく道明寺の自宅内に飾られていることから、別の線を考える。水墨画の作者は道明寺が初めて支援した画家・関口倫之助で、一時は人気を博していたが、今は絵筆を折っていた。

 現場に残された痕跡から、美術品強盗犯の1人が逮捕される。犯人は、合鍵を使って道明寺邸に盗みに入るよう闇バイトで指示されたと明かす。しかしコレクションルームに入ったところ、すでに美術品は無くなっていたという。

 そんな中、道明寺が余命3か月であることが判明。道明寺は右京に、「私の命が尽きるのに、私のコレクションはこの世に残り続ける。それがなんだか悲しくなってしまってね。いっそ同じ運命をたどればいいのに、なんて考えたりしてね」と、複雑な思いを口にする。

 右京と薫が捜査を続けた結果、闇バイトに合鍵を渡したのは島川だった。島川と横井は、余命わずかな道明寺から遺言を聞かされていた。道明寺は2人の前で茶器を割ると、自分の亡き後、コレクションをすべて火葬するという。芸術家として、作品を消されてしまう悲しさから、島川は美術品を救うため合鍵を作り、盗みに入るよう闇バイトで指示したのだった。島川の計画に気づいた横井は、強盗グループが道明寺邸に侵入する前に、1人で美術品を持ち去り保管していた。美術品を守るため、2人は犯罪者になってしまったのだった。

右京をも“駒”にしようとした道明寺

 2人の犯行が明らかになり、道明寺は「私のせいで……」と動揺する。しかし右京は、「演技は結構。すべてあなたの計画通りだったはずですよ」と制す。右京は、事件発生前日に道明寺が水墨画をコレクションルームから自宅に移したことから、道明寺が美術品を盗まれることを知っていたと指摘。思い入れのある水墨画だけは盗まれたくないと思い、移動させていたのだ。

 事実を聞いて混乱する横井に、右京は「あなたも、島川雪乃さんも、道明寺さんに操られ、犯罪を犯すよう仕向けられていたのですよ」と説明する。合鍵を作れるように鍵を置いたのも、犯行当日に家を空けたのも、すべて道明寺の計画だった。右京は、水墨画の作家・関口が、道明寺から海外進出を反対されていたと語る。さらに道明寺は、芸術を極めるため「あらゆる人間関係を絶つ」よう指示していた。要求を断った関口は、支援を絶たれたのだった。

 道明寺は若き才能を自分の手元に置いておくため、ニューヨークやパリに進出する島川と横井を犯罪者にする計画を立てた。道明寺は警察官の右京をも利用するため、チェス喫茶で対戦を申し込んでいた。

 道明寺は、関口が世間の声に合わせた結果、描きたいものを見失ったと批判する。そして横井に、「喜びなさい。犯罪者になれば周りから人が離れる。おのずと1人で作品に向き合わざるを得なくなる」「君たちの成長のためだ。これは僕の愛情なんだ」と熱弁した。

 右京は「道明寺さん!」と制すると、「遠くへ羽ばたこうとする若者を、自分の支配のおよぶ場所に繋ぎ止めよとうとするのは、愛情でもなんでもありません。単なる、あなたのエゴです」と諭すのだった。

 道明寺の歪んだ愛情にSNS上では、「目をかけていた人間の才能を伸ばすためにわざと犯罪者にさせるとは…身勝手なエゴだな…」「道明寺の狂気に驚いたけど、どこか哀れだった」と感想が。また、「冒頭のチェス喫茶のシーンから、右京さんと道明寺さんの対局がずっと続いていたかのようなお話でしたね」「昨日のは『犯人だれだった?』と言われて一言で答えにくい」「右京さんを駒にして利用しようとするのが間違いなんですよ」といった声も見られた。

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