片寄涼太が見据える海外進出「グローバルに」 ソロ仕事は「まっさらな自分を試されている」

GENERATIONSの片寄涼太が、1月29日が初日の戦国時代活劇『HiGH&LOW THE 戦国』(東京・THEATER MILANO-Za、2月25日まで)で舞台初主演を果たす。2015年からの『HiGH&LOW』シリーズ初参加にして座長を担う片寄が、公演に懸ける思いや近況を語った。

戦国時代活劇『HiGH&LOW THE 戦国』で座長を担う片寄涼太【写真:近藤俊哉】
戦国時代活劇『HiGH&LOW THE 戦国』で座長を担う片寄涼太【写真:近藤俊哉】

『HiGH&LOW THE 戦国』で舞台初主演「ド派手なステージを見せていきます」」

 GENERATIONSの片寄涼太が、1月29日が初日の戦国時代活劇『HiGH&LOW THE 戦国』(東京・THEATER MILANO-Za、2月25日まで)で舞台初主演を果たす。2015年からの『HiGH&LOW』シリーズ初参加にして座長を担う片寄が、公演に懸ける思いや近況を語った。(取材・文=大宮高史)

 映画、ドラマ、コミックで展開されてきた『HiGH&LOW』シリーズの最新作は、戦国時代を舞台にした『HiGH&LOW THE 戦国』になった。

「初めて経験することばかりです。舞台の稽古がどんな流れで始まるのかも知らない中で参加して、ガムシャラに頑張っています。(取材時点の完成度は)まだ2割くらいで、自分自身で思い描くイメージまで仕上げていくにはまだまだです」

 芸能界デビューから13年目。片寄は約1か月の稽古期間、本番に備えた体作りにも取り組んでいる。

「体力をもっとつけようと、タンパク質と炭水化物もたくさん摂るようになりました」

 劇中、5つの国が割拠する世界で片寄が演じるのは『須和国(スワノクニ)』の若き指導者の黄斬(キザン)。国と人々の平和を願う優しい人柄だが、対立する『乃伎国(ノギノクニ)』『尊武国(ソンブノクニ)』との戦いに身を投じていく。

「芝居の中の半分くらいの時間は殺陣があって戦っています。ド派手なステージを見せていきます」

 男たちが武器を手に大立ち回りを演じる大活劇でもある。天下を懸けて戦う世界で、黄斬は過去の自分の行為を悔いて他国からの攻勢にも迷いを見せる。

「黄斬は戦国武将らしからぬ存在に映りました。物事の先を見通せる感覚を持っていて、戦えば強いんですが、自分が国を守る立場にあることにも違和感を覚えていて『戦うよりもできれば国の仲間と仲良くしていたい』と思っています」

 黄斬のリーダーらしからぬ一面に共感しつつ、「ひとたび決断したときの強さが彼の魅力でもあり、黄斬を通じて僕も人を率いる役が様になることを証明したいですね」。その上で「人を斬り殺める時代の劇だからこそ、彼の痛みや葛藤をより強烈に伝えられます。『過去の出演作のイメージと違う役も演じてみたい』と思っていたところなので、ベストなタイミングで演じることができそうです」と意気込んだ。

 役者としての片寄は「積み重ねていくタイプ」。舞台の稽古はじっくり役と向き合える時間になったという。

「数か月をかけて、『一球入魂』の気持ちで力を蓄えてきました。初めは客観的に見ていた黄斬が、稽古が進むと彼の人柄に僕自身が没頭して理解できるようになっています」

片寄涼太は今年で30歳を迎える【写真:近藤俊哉】
片寄涼太は今年で30歳を迎える【写真:近藤俊哉】

『HiGH&LOW』シリーズ初出演の理由…「EXILE HIROさんに『ハイローっぽくないな』と」

 長く続く『HiGH&LOW』シリーズだが、片寄は初参加だ。その理由を本人は「シリーズが始まった15年ごろは(LDH JAPAN社長の)EXILE HIROさんに『ハイローっぽくないな』と言われていて」と明かした。

「当時、僕は『GTO』や『兄に愛されすぎて困ってます』といったマンガ原作のドラマに出させていただくことが多くて、方向性が違っていたのかもしれません。年月も経て、今回、HiGH&LOWの新たな試みとしてオファーをいただけました」

 本作には劇団EXILEやTHE RAMPAGEの他、宝塚歌劇団から男役スターの水美舞斗と瀬央ゆりあが出演する。文字通り、異色のコラボ舞台。瀬央が演じる吏希丸と片寄の黄斬は親友関係でもある。

「(瀬央と水美の)おふたりとも舞台という世界にすごく慣れていらっしゃって、作品への理解も深くて稽古場で話していても頼れる存在です。『吏希丸との絆を、本番でお客さまにどれだけ強く感じとってもらえるか』を瀬央さんと模索してきました」

 GENERATIONSを離れて、単独出演の機会も多い。昨秋にはテレビ東京系連続ドラマ『推しが上司になりまして』で、鈴木愛理とダブル主演。鈴木が憧れる元2.5次元俳優にしてサラリーマンの高城修一を演じた。現場ごとで意識の切り替えも大切にしている

「グループを離れた仕事では『まっさらな自分を試されているな』という感覚で仕事に臨んでいますね。GENERATIONSとしてはメンバー同士築いてきた空気感があり、『変わらないGENERATIONSらしさを見せていこう』と皆が思っています。ソロでの仕事ではそういった気安さに甘えることもできません。毎回ゼロからのスタートです」

 今年、挑戦してみたいことを聞くと「資格や検定を取りたいです」と言った。

「具体的には語学系の……。頭も鍛えつつ将来的に片寄涼太個人としてグローバルに活動していけるきっかけ作りになればなと」

 デビュー前は外交官を目指していた。その視線は海外にも向いている。

「今の自分だからこそ見せられる『HiGH&LOW』で、シリーズの新たな可能性を導き出せると思っています。LDH JAPANが大切にしてきたタイトルのバトンを僕が受け継ぐことで、ずっとお世話になってきたHIROさんやLDHの仲間への恩返しにもなります。舞台主演も座長も初めてですが、皆を引っ張るというよりは『日々にどういう姿勢で臨んで、どんな成長ができたか』を後からじっくり振り返って、この舞台から得たものを血肉にしていきたいですね」

 共演者やLDH JAPANの仲間からの期待を背負い、片寄は『HiGH&LOW』シリーズに新しいヒーロー像を刻もうとしている。30歳を迎える今年、国内外でさらなる飛躍を目指す。

□片寄涼太(かたよせ・りょうた)1994年8月29日、大阪府生まれ。2012年11月、GENERATIONSのボーカルとしてデビュー。14年7月、関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『GTO』で俳優活動を開始。21年には作詞家・小竹正人氏との往復書簡を書籍化した『ラウンドトリップ 往復書簡』を出版。23年にはテレビ朝日系ドラマ『波よ聞いてくれ』、テレビ東京系ドラマ『推しが上司になりまして』、映画『ミンナのウタ』などに出演した。180センチ。血液型AB。

◯公演概要
戦国時代活劇『HIGH&LOW THE 戦国』
演出:TEAM GENESIS
脚本:平沼紀久、渡辺啓
主な出演者:片寄涼太(GENERATIONS)、水美舞斗(宝塚歌劇団専科)、RIKU(THE RAMPAGE)、瀬央ゆりあ(宝塚歌劇団専科)、藤原樹(THE RAMPAGE)、浦川翔平(THE RAMPAGE)、小野塚勇人(劇団EXILE)、うえきやサトシ、櫻井佑樹(劇団EXILE)、阿部亮平、久保田創、冨田昌則ほか
2024年1月29日~2月25日、THEATER MILANO-Za

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