『ゴジラ-1.0』、米アカデミー賞「視覚効果賞」に日本映画で初ノミネート 山崎貴監督「新しい扉が開いた感じ」

米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは23日(現地時間)、第96回同賞のノミネートを発表した。日本作品では、3作品がノミネートされた。

『ゴジラ-1.0』が米アカデミー賞にノミネートされた【写真:(C)2023 TOHO CO., LTD.】
『ゴジラ-1.0』が米アカデミー賞にノミネートされた【写真:(C)2023 TOHO CO., LTD.】

ジブリの『君たちはどう生きるか』、役所広司主演の『PERFECT DAYS』もノミネート

 米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは23日(現地時間)、第96回同賞のノミネートを発表した。日本作品では、3作品がノミネートされた。

 ゴジラ生誕70周年記念映画『ゴジラ-1.0』(山崎貴監督)が「視覚効果賞」に日本映画で初めてノミネート。宮崎駿監督による10年ぶりの新作長編アニメーション映画『君たちはどう生きるか』が、「長編アニメーション映画賞」に、役所広司の主演映画『PERFECT DAYS』(ヴィム・ヴェンダース監督)が、「国際長編映画賞」(旧外国語映画賞)にノミネートされた。また、日本出身のカズ・ヒロ氏が『マエストロ:その音楽と愛と』でメイク・ヘアスタイリング賞にノミネートされた。5度目のオスカーノミネートで3度目の受賞を狙う。

『ゴジラ-1.0』は日本国内では、封切りから今月21日までの80日間での興行収入(興収)が54億5000万円、観客動員348万人を突破したと発表された。北米でも52日間で興収5189万ドル(約76.7億円)を突破。全世界興収も1億ドルを突破している。

 アカデミー賞の「視覚効果賞」は、その年に公開された映画の中で最も優れた視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる栄誉。過去には『スターウォーズ』、『タイタニック』、『アバター』などの映画史を代表する傑作が受賞しており、山崎監督は「まさかオスカーに絡むことができるとは想像してなかったです。ゴジラを作った時も全然想像してなかったので、すごくうれしいです。新しい扉が開いた感じです。40年ぐらいVFXをやっていて、こんな未来が待ってるとは……。若い頃の自分に聞かせてあげたい。ここから先は、オスカーの雰囲気を楽しみたいと思います」とコメントしている。

『君たちはどう生きるか』は、宮崎監督10年ぶりの新作長編アニメーション映画で、宮崎監督作品としては、同賞を受賞した02年『千と千尋の神隠し』、05年『ハウルの動く城』、14年『風立ちぬ』に続く4度目のノミネート。スタジオジブリで代表取締役議長を務める鈴木敏夫プロデューサーは「『千と千尋の神隠し』に引き続き2度目のオスカーがもらえたら、本当に嬉しいです。3月の発表を心待ちにします』とコメントしている。

『PERFECT DAYS』は、東京・渋谷の公共トイレを舞台に、役所演じるトイレの清掃員・平山の日々を描いた作品。第76回カンヌ国際映画祭では、役所が最優秀男優賞を受賞するなど、世界的に注目されている。国際長編映画賞に日本作品がノミネートされるのは、濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』以来2年ぶりで、役所は「良作の多かった今年度の日本映画の中から『PERFECT DAYS』が日本代表作品に選ばれ、このノミネート発表までドキドキしていました。少しだけホッとしました。感謝の気持ちでいっぱいです」。ヴェンダース監督は「私の偉大な映画界の師、小津安二郎の祖国である日本の代表としてアカデミー賞に参加できることを大変光栄に思います。『PERFECT DAYS』は彼の魂に導かれた作品です。この作品がノミネートされたことは、私にとってこの上ない喜びです」とコメントしている。

 なお、第96回アカデミー賞授賞式は米ロサンゼルスのドルビー・シアターにて3月10日(現地時間)に開催される。

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください