堂本光一、『SHOCK』長年の歴史に幕 後輩メンバーも衝撃…前田美波里「とても残念」
KinKi Kidsの堂本光一が20日、都内で行われた『2024年_Endless SHOCK』製作会見に、Sexy Zoneの佐藤勝利、中山優馬、KAT-TUNの上田竜也、中村麗乃、綺咲愛里、前田美波里、島田歌穂らとともに出席した。光一は冒頭、2000年から始まった同作の歴史に幕を下ろす意向を示した。
2024年は歴代最多5か月公演
KinKi Kidsの堂本光一が20日、都内で行われた『2024年_Endless SHOCK』製作会見に、Sexy Zoneの佐藤勝利、中山優馬、KAT-TUNの上田竜也、中村麗乃、綺咲愛里、前田美波里、島田歌穂らと出席した。光一は、2000年から始まった同作の歴史に幕を下ろす意向を示した。
冒頭のあいさつで、光一は言った。
「2000年から始って、2005年からは自分で構成、演出もやらせていただくようになり、こうして2024年もやらせていただく運びとなりましたけども、みなさんご存じのように、帝国劇場も休館になるということで、この作品は帝国劇場(帝劇)とともに歩んできたところがすごくあるんですね。自分としても、今年で『SHOCK』は幕を閉めようかなという風に思っております。年齢でございます。冗談です」
衝撃発表で会場がどよめく中、光一はほほ笑みながら続けた。
「たくさんの豪華なキャストのみなさんに集まっていただいて、盛大に最後、花火打ち上げようかな…みたいなイメージでやらせていただこうかなという風に思っております」
『SHOCK』シリーズは、演劇における代役なしの単独主演記録、初演以来23年半かけて2000回を達成。今年は歴代最多5か月公演を予定している。2000年11月に初演。帝劇史上「最年少座長」として、光一が当時21歳で帝劇初出演・初主演を務めて以来、毎年上演し続け、全日程即日完売を毎公演積み重ねてきた。
『SHOCK』は、「SHOW MUST GO ON!」という言葉の意味を問い続けながら、エンターテイナーの光一とそのカンパニーが運命を駆け抜ける姿を描くオリジナル・ミュージカル作品。帝劇の世界的スケールの舞台機構(広大な舞台面、瞬時に舞台セットを転換する大ぜり・盆など)を駆使し、歌、ダンス、アクション、パーカッション、殺陣、階段落ち、マジック、1900席の客席の上空を光一がフライングするなどの演出によって表現される。
光一が、23年半を費やして、代役なしの単独主演数は2018回。故人森光子さん主演『放浪記』(1961年~2009年、2017回)をも更新し、世界的に類を見ない大記録となっている。
そして、24年公演は、現・帝国劇場(1966年開場)の25年2月の建て替えのための休館に伴う「クロージング ラインナップ」の一環として、上演される。4~5月に帝国劇場公演、7月中旬から8月中旬にかけての大阪・梅田芸術劇場、9月に福岡・博多座、11月には現・帝国劇場最後の公演を行う。
今回のライバル役は、佐藤(22・23年)、中山(2018・19年)、上田(20・21年)がトリプル・キャストで務め、オーナー役は前田と島田、リカ役を綺咲と中村がダブルキャストで演じて華を添える。
舞台は米ニューヨーク・ブロードウェイ。繁栄と衰退を繰り返すショービジネスの中心だ。若きエンターテイナー、コウイチ(光一)は、その中で揉まれながらも常に頂点を目指してきた。彼が率いるカンパニーのスタートはオフ・ブロードウェイの劇場。小さな劇場だが、コウイチのショーはいつも人気で大盛況だった。カンパニーの誰もがコウイチとともにショーをやり続けたいと思っていた。
ある日、カンパニーの心を動かすひとつの事件が起きる。新聞に、コウイチのショーを絶賛する記事が載ったのだ。さらにオーナー(前田/島田)は、コウイチにオン・プロードウェイからオファーがあったことを告げる。カンパニーの誰もが「ショービジネスの頂点に進出できる」と喜び、期待に胸を膨らませた。コウイチと幼なじみのショウリ/ユウマ/タツヤ(佐藤/中山/上田)も、あふれんばかりのステージへの夢を描いた。
だが、オン・ブロードウェイからのオファーは、次第にコウイチやヒロミツ、オーナーの娘リカ(綺咲愛里/中村)らカンパニーに亀裂と混乱を生じさせる。そして、ある事件によって、コウイチの肉体と魂を分かつ最悪の状況に陥った。だが、「Show Must Go On!」。コウイチはショーへの信念を持ち続け、カンパニーを1つにしていく。
事務所の後輩である佐藤は、4~5月の帝国劇場と9月の博多座でライバル役を演じる。光一の決意を受け、真剣な表情で言った。
「僕のエンタメの根源が『Endless SHOCK』です。その思いの強さも乗せて、光一くんからもありました通り、最後の『Endless SHOCK』を一緒に演奏できることを心から大変光栄に思います。一生懸命勤め上げて、最高のゴールを一緒に迎えれるよう努力していきたいと思います」
中山は7~8月、梅田芸術劇場メインホールで行われる公演に出演する。
「今年最後になるということに大変衝撃を受けておりますが、身が引き締まる思いです。本当に大変な作品ですので、覚悟を持って臨みたいと思います。そして、僕は大阪出身なので、慣れ親しんだ大阪の地でこの『Endless SHOCK』に参加させていただけるというのも、本当にありがたく、うれしく思っておりますので、全力で光一くんの元で励みたいと思います」
上田は最終の11月公演で帝国劇場に立つ。
「まさか最後(のライバル役)をやらせていただくことになるとは夢にも思わなかったですね。『SHOCK』って1回関わらせてもらうと、音楽聞いただけでワクワクするようなテンション上がるような感じにもなります。これまで以上にライバル役を追求して自分なりにしっかりと作り上げて見に来てくださるお客様方にすばらしい公演だったなと思ってもらえるようにしっかり努めていきたいと思っております」
“幕を閉じる”という大きな決断。光一は、あらためて正直な思いを明かした。
「自分の中で数年前から考えはありました。その中で『他にやれる劇場がない』っていう理由もあります。やろうと思えばできるけど、内容的にも……。この作品は自分が26歳の時に作った作品で年齢設定もそれぐらい。今、45歳になって。まぁ、(終了する)いいタイミングかなと。帝国劇場とともに歩んできた作品でもあるので、自分が出るSHOCKは1度幕を閉めてもいいかなと。2~3年前くらいから心に決めていたところはあります」
SHOCKシリーズに長年参加してきた前田は、ジョークも交えながら「とても残念ですね」と言った。
「2013年に初めてステージに立った時に、客席の興奮状態っていうのは、もしかしたら光一さんのファンが占めているからこんなに盛り上がるのかと思いましたが、1~2年と私も年齢を重ねて、この作品に出させていただいてるうちに、この作品はたくさんの方に愛されている。こんな作品を光一さんが手放していいもんなのか。あの時、光一さんに言いましたよね。『若い人が光一さんのこの作品やることないの?』って。そしたら、『今は考えていません』って。『帝劇で作った作品は帝劇で閉めるんです』っておっしゃるので、すばらしいな。私がこの作品をやってたら、『絶対に手放さないな』なんて思ってはいましたけれども。作品のファンとしてとても残念ですが、光一さんも演出家になられているので、すばらしい作品を作って、また演じられることを祈っております。その時はぜひ、私もおばあさん役で出してください」
佐藤も率直に「衝撃を受けました」と言った。
「『ずっとあるものだな』と思っていましたし、ずっと階段落ちしてくださるかなって(笑)。本当に僕がエンタメを学んだものですし、すごく根源にありますし、それを僕ら世代は生で見れたこと、僕としては一緒に作品に携わらせていただいてることは本当に光栄。その思いを込めて、僕も走り切りたいなと思ってます」
現在の気持ちとして後輩に主演を譲ることを問われた際、光一はユーモラスに答えた。
「どうなんでしょうね……。自分の思いとしては誰かにやってもらいたいなと思います。例えば幕を下ろしますけど、SHOCKっていうのは帝劇のサイズに合わせて作ってきた作品なので、あとやれる劇場っていうと、梅田芸術劇場、博多座、この2つぐらいしかないんですよ。何か感謝祭みたいな形で例えば地方にミュージカル版としては持っていけないとは思うんですけど、何かそういったイベントがもしかしたらできるかもしれない。全然わかんないですよ。今、適当なこと言ってるんで、『勝手なこと言うな』って思ってる方がたくさんあちらに怖い顔でいますけども……。そういったことができるかもしれないし、まあ、作品としては、誰かが自分の役をやってもらいたいなっていう思いが強くあります」
また、評価され続けた理由について問われると「残念なことに、一度も外から僕は見たことがないんです(笑)。この作品を客観的な目で、見た感想っていうのは僕からは言えないですね。逆にご覧いただいて、取材していただいたみなさんの言葉を僕は聞きたいくらい」とし、揺るぎない信念を口にした。
「ステージに立っている自分から言えることは、とにかく、『ずっと命を燃やしてきたな』っていうのはありますね。これ常々言ってることなんですけど、自分には大した技術があるわけでもないので、すばらしい役者さんっていうのは世の中にたくさんいる中で自分はどうなんだと……。『自分は大したことないな』っていつも思ってしまうので、だったら、『できることっていうのは、とにかく命を燃やしていこう』と。ステージ上でうそをつくようなことをしないようにしようという思いで、ステージに立ってきました。それがまあ、自分の中で1番あることなのかな。この作品もテーマとして、“命を燃やす”っていうテーマもありながら、お客さまが見たい視点で、いろんな角度で見ることができると思うんですね。それぞれが違う感想を持つことがあったとしても、見てるものは1つの作品なんですよね。そういう部分がこう共有できる空間っていうのが、やっぱり、舞台の醍醐味だと思います」
『SHOCK』×堂本光一 これまでの歩み
――2000年
11月2日、堂本光一主演『MILLENNIUM SHOCK』開幕。堂本光一は21歳にて帝劇史上最年少座長をつとめる。チケットは全38公演即日完売となる。(以降も全日程即日完売を続行中)
――2001年
2001年12月から翌年1月にかけ、2か月のロングラン公演として、早くもファン待望の再演が実現。
――2002年
6月4日、初日公演前の最終通し稽古にて堂本光一が靭帯を損傷するも、全公演主演を務める。
――2005年
1月8日、堂本光一自身が脚本や演出にも参加し、現在の形に、内容を一新した『Endless SHOCK』開幕。
――2006年
製作発表にて、堂本光一が、今回での『SHOCK』ファイナルを匂わすも、ファンからの要望が殺到して、上演続行決定。
――2008年
1月6日、初日公演をもって通算上演500回達成。森光子さんがお祝いに駆けつける。4月、『Endless SHOCK』スタッフ・キャスト一同が第33回菊田一夫演劇大賞受賞。
――2009年
3月12日、626回目を演じる。森繁久弥さんの帝劇単独主演記録(『屋根の上のヴァイオリン弾き』の625回)を23年ぶりに塗り替える。
――2010年
10周年記念公演として、年間100公演を演じる。
――2011年
3月11日、昼の部幕間に東日本大震災が発生。28公演を中止とする。
――2012年
1月、初の福岡・博多座公演が実現。トラヴィス・ペイン氏振付による新シーン「Higher」登場。2月7日、帝劇公演初日に堂本光一へ森光子より、『SHOCK』ポスターを高らかに掲げた森のポートレイト写真を送られる。11月10日、森光子さん逝去。
――2013年
上演1000回記念公演と銘打ち、2・3月帝劇公演に続き、4月に博多座、9月に初めて大阪・梅田芸術劇場にて公演を行う。3月21日、『SHOCK』通算上演1000回達成。初演『MILLENNIUMSHOCK』に兄役で特別出演した東山紀之さんとKinKi。Kidsの堂本剛がお祝いに訪れる。トラヴィス・ペイン氏の振付と、和太鼓、パーカッション、フライングを融合した新シーン「夢幻」と、トラヴィス氏振付による新シーン「Deador live」登場。
――2014年
10月26日、博多座にて『SHOCK』1208回目を演じる。松本幸四郎主演『ラ・マンチャの男』の単独主演記録1207回(当時)を超え、堂本光一主演『SHOCK』がミュージカル単独主演記録の第1位を樹立。
――2015年
昼の部公演中に、舞台上で使用していたLEDパネルが倒れる事故が発生する。翌20日夜の部より、一部演出を変更した上で、公演を再開する。大阪公演中の9月17日、オーナー役の前田美波里が負傷し、途中降板、翌18日夜の部より、植草克秀が代役を務める。
――2016年
3月14日、夜の部にて通算上演1400回達成。帝劇で『ミス・サイゴン』を足掛け24年間演じる、市村正親さんがお祝いに駆けつける。
――2017年
帝劇公演千穐楽の3月31日昼公演にて通算上演1500回達成。東山紀之、森公美子が駆けつける。2年ぷりの大阪・梅田芸術劇場メインホール(9月)、福岡・博多座(10月)公演までで、通算上演回数1560回を重ねる。
――2019年
舞台下のオーケストラピットに『SHOCK』史上最大の20名編成のオーケストラを設置したことに伴い、演出変更が行われたほか、台詞が短い歌になるなどの変更も。新曲「Memory of Skyscrapers」が1幕のショーに加わる。3月31日に通算上演回数1700回達成。
――2020年
2・3月帝劇公演から、主演の堂本光一が演出に就任。新型コロナ禍の影響により、2月28日以降の帝劇公演を中止。21日放送のFNS音楽特別番組『春は必ず来る』で、カンパニーがメドレー形式でパフォーマンスを披露。光一は舞台上から生出演。
3月22日午後6時からインスタグラムのライブにより、『Endless SHOCK』のパフォーマンスをスマートフォン1台の映像で生配信。ラダーフライングでは光一自身がスマートフォンをもち、無観客の客席上空から配信。6万人強が視聴した。
3月下旬、本編映像を無観客で撮影。後に堂本光一監督のもと、映像作品化。7月17日、「SHOCK」シリーズを20年にわたって牽引してきた功績により、堂本光一が第四十五回菊田一夫演劇大賞を受賞。9・10月、梅田芸術劇場にて、3年後のカンパニーを描く、スピンオフ『Endless SHOCK -Eternal-』初上演。堂本光一のクレジットが正式に、作・構成・演出・主演となる。10月4日には初の無観客ライブ配信公演を実施。
――2021年
非常事態宣言を踏まえ、2月公演の夜の部開演時間を午後5時30分に繰り上げ、2月公演の一般発売を中止とする(先行販売の観客が来場する)。2月1日、『Endless SHOCK』が全国82館の映画館で公開される。
――2022年
帝劇公演(ライバル役佐藤勝利、オーナー役前田美波里)は『-Eternal-』で上演したが、インターネット配信用に、本編映像を製作。定期PCR検査で陽性者が判明し、5月18日~23日の7公演を中止として、安全確認を経て5月25日に公演を再開。5月31日昼の部にて1900回、夜の部千穐楽終了時点で1901回達成。
博多座公演(ライバル役北山宏光、オーナー役島田歌穂)は2年半ぶりに本編を上演。マスク着用で、博多座客席上空のフライングを復活(32回予定のうち2回は上演を中止)1931回を上演。
――2023年
3・4月の劇場公演は、『Endless SHOCK』『Endless SHOCK-Eternal-』の2作同時上演。コロナ禍を経て、帝劇客席上でのフライングは、3年ぶりの復活。ダブルキャストによる4通りの公演を、全55回上演を全うする。通算1986回を上演。