俳優のムロツヨシが18日、都内で行われた映画『身代わり忠臣蔵』（2月9日公開）の完成披露試写会に、共演の永山瑛太、川口春奈、林遣都、柄本明、森崎ウィン、星田英利、本多力、野波麻帆、橋本マナミ、メガホンをとった河合勇人監督とともに登壇した。

　日本中で愛される時代劇「忠臣蔵」をベースに“身代わり”という斬新なアイデアが加わり生み出された、時代劇ヒットメーカー・土橋章宏著の小説『身代わり忠臣蔵』を映画化した本作。赤穂藩主に斬られ、あの世に行った吉良上野介にそっくりな弟の坊主・孝証が、お家存続のピンチを切り抜けるべく、上野介の身代わりとなって幕府をだます姿を描く。

　本作の主人公である三文芝居の怠け坊主・孝証と、その兄で江戸一イヤミな殿・吉良上野介の二役を演じるムロとの共演した感想を求められると、幕府のフィクサー・柳沢吉保役を演じる柄本は「あの……（笑）、あんまり考えないんですよね。それと忘れちゃうんですよ。やったんだよね」とムロに尋ねて笑いを誘い、ムロが「ほぼ1対1です」と返すと、柄本は「忘れちゃうんですよ。別に老人性痴呆症じゃないんですよ。すいません、一緒にやったのに何の感想も言えなくて」とムロに謝罪。ムロは「いやっ、それも1つの感想です」と背筋を伸ばした。

　また、本作のタイトルにちなみ、身代わりで演じてみたい自身以外の役を尋ねられると、ムロは柄本の柳沢吉保役を挙げ「実はご本人に言うのは初めてですけど、私が今ここで役者をやっている人生に大きく（影響している）、柄本さんがやった役を身代わりでやってみたいなと思います。今ちょっと目が見られませんけど」と吐露し、柄本から「なんで？」と声が飛ぶと、ムロは「今後、そういう番組を見ることがあるかもしれないですけど、20歳のときにちょっとだけ柄本さんの人生の1か月くらい関わっているんですけど」と回顧。これに柄本は「それも何も覚えてないんだよ」とコメントして笑わせ、ムロは「それはいいんです！　それくらい人生が変わってものでして」と恐縮した。

　続けて、ムロは「それを（プライベートでも親交が深い）瑛太くんはずっと聞かされているので知っていて、初めての柄本さんとのシーンをやるときに瑛太くんは見に来ようとしたんですけど、『これはまつりごとにすることじゃないから僕は行くのをやめておきます』ってプロデューサーさんに言ったらしいんです。だけど1人だけきたやつがいるんですよ。そのシーンに出てないのに」とMCを務めた本多を見つめ、本多は「うわーっ」と苦笑した。