俳優の綾野剛が12日、都内で行われた映画『カラオケ行こ！』初日舞台あいさつに出席。約1年前に行われた本作の撮影を振り返った。

　和山やま氏による同名漫画が原作。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも歌を上達したいヤクザの成田狂児が、合唱部部長の中学生・岡聡実に歌唱指導を依頼するというストーリー。

　本作の封切りに、綾野は「とにかくうれしい」と喜び。「この映画はたおやかでとても優しい作品。青春っていろんな形があるけど、楽しいだけじゃなく、苦くて甘酸っぱい部分があるとストーリーテリングしやすいけど、1周回ってある種の優しさこの作品を包んでいる。それは、齋藤潤くんの成長もそうだし、実寸大の彼の姿を作品に焼き付けようと思って集結した現場だった。それを汲み取ってもらえたらうれしい」と伝えた。

　綾野が演じた狂児は、X JAPANの楽曲『紅』が十八番で、同曲に「恐ろしいほどの情念を持っている」設定。カラオケシーンを回想し、綾野は「『紅』は何の迷いもなく情念を込めて歌っていた」といい、逆に『紅』以外の楽曲は『紅』よりも情念が入らず「狂児的には難しかったです」と語った。

　また「『紅』を歌う時だけはジャケットを着るんです。正装しないと歌えない。よく見ると絶対にジャケットを着ています」と狂児を演じる上のこだわりを紹介したが、「山下（敦弘）監督からは『それ必要かな』って現場でツッコまれたで。『いや必要です』って（笑）」と明かした。

　舞台あいさつにはそのほか、齋藤潤、芳根京子、橋本じゅん、やべきょうすけ、チャンス大城、坂井真紀、北村一輝、山下監督も参加。この日登壇者は『紅』にかけ、赤をワンポイントに入れたコーディネートでの登壇となった。