RIZIN王者・堀口恭司、UFC挑戦を明言 現王者には「もちろん勝てる」も「変わっていてほしい」理由
RIZINフライ級新王者の堀口恭司が8日、東京・秋葉原の書泉ブックタワーにて、著書「EASY FIGHT」(幻冬舎)の刊行イベントを行った。今回はその際に堀口が発した言葉で最も気になった、UFCへの再挑戦に関する見解をお伝えする。
「人生はお金がすべてではない」
RIZINフライ級新王者の堀口恭司が8日、東京・秋葉原の書泉ブックタワーにて、著書「EASY FIGHT」(幻冬舎)の刊行イベントを行った。今回はその際に堀口が発した言葉で最も気になった、UFCへの再挑戦に関する見解をお伝えする。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
まずイベントは、編集者の箕輪厚介氏とのトーク部門とサイン会部門の2部構成だったが、最も刺激的だったのは、やはり堀口がUFCの名前をハッキリと口に出して明言したこと。ご存知の通り、UFCとは世界最大のMMA団体になる。
「別に戦いたい相手っていなくて。ホントに(UFCの)ベルトを取りたいとか、そこしか考えてないですね」
堀口の経歴をたどっていくと、過去にはUFCと契約を交わしながら、2015年4月のフライ級タイトルマッチで王者デメトリアス・ジョンソンに生涯初の一本負けを喫し、日本人初の悲願を達成できなかった。その後、堀口はRIZIN、そしてベラトールに参戦しながら両団体の王座にも君臨し、日本人として最高の実績を手に入れつつ現在に至っている。
堀口はUFCへの再挑戦について、「自分は(UFC王座は)取れるかなと思ってますけど、対人なので。相手も研究してくるわけだし、相手の技もここから変わってくるわけなので、やっぱり難しいことはありますけど、難しいことがあれば、自分ももっと進化していくし。取れるんじゃないかなとは思っていますよね」と自信をみせる。
昨年末に刊行された「EASY FIGHT」には、2017年にUFCと契約しなかった理由について、金銭的な条件面と、試合の間隔に関する折り合いがつかなかったことが書かれており、UFC再挑戦に関しては、以下の記載がある。
「人生はお金がすべてではない。それよりも、自分は周りの人たちを喜ばせたい気持ちが強いし、アメリカに来て以来、一番お世話になってきた人たちに対して恩返しがしたい気持ちが強い。だからその人たちが望むことが自分の望みになっていく」。
「結論を簡単にいうと、自分の喜びなんて一瞬で終わってしまうけど、周りの人たちが喜んでいると、それなりに長い間、自分も喜べたりする。だから短期か長期かの話。結局、笑顔の数は多いほうがいいし、時間はなるべく長いほうがいい」。
つまり、堀口は周囲が喜んでくれる夢への再挑戦の道を選んでいく。それが現在、33歳の格闘家・堀口における最終章になると考えたに違いない。
現UFCフライ級王者の実力も認識済み
しかも堀口のUFC行きの意向は、すでにRIZINの榊原信行CEOにも伝えているという。ただ、現在の契約先であるベラトールは最近、PFLに買収された。そうなるとPFLにはフライ級という階級が存在しないため、自然とリリースの対象になるのでは、と堀口はみている。それもあってのUFC再挑戦なのだ。
「そこ(リリース)も自分のマネジャーと確認しているんですけど、まだ連絡がないんですよ。だからそこらへんももうあやふやになっているので、そこが分かり次第、UFCに行く手続きをしたいと思っていますね」
参考までに現在、UFCのフライ級王座には、堀口の所属するATTのアレッシャンドリ・パントージャが君臨している。パントージャは堀口と同じく33歳で、堀口はATTでは彼とも練習する関係のため、現在のUFCフライ級トップの実力を、すでに肌感覚で認識していることになる。
「もしパントージャが相手だった場合、勝つ自信は?」との問いに、堀口は「もちろん、勝てるなとは思いますけど」と話しつつ、以下のような、らしい見解を示した。
「俺が挑戦する時には変わってほしいなっていうのはありますね。仲間同士でやるのは好きじゃないんですよね。だから変わってほしいなっていうのはあります。でも最悪はやるしかない。同じところを目指しているから、そこはしょうがないですよね」
先にも書いた通り、時期やメドはまったく分かってはいないが、現在はまだ、ベラトールの契約下にある身でありながらUFCの名前をこれだけハッキリと明言したのはこれ以上ない驚きだった。
ちなみに堀口の著書「EASY FIGHT」には「もし挑戦して失敗したら、次にまた修正して挑戦すればいい。失敗なんて成功するための階段みたいなもの」とあり、挑戦する人にエールを送っている。
しかも「その方法は至ってシンプル。難しく考えすぎないこと。その軸さえブレなければ、絶対にできる。他の人にできるのだ。自分にもできないはずがない。絶対にできる!」と説く。
堀口の最大最後の挑戦に、今から目が離せない!