TBS上村彩子アナが伝えたい「スポーツの熱」 東京五輪へ向け大切にする「現場第一主義」
東京五輪に向け意気込み「感じたことを伝えられるように多くの現場に」
――これまで様々な現場で取材をされてきたと思いますが、1番びっくりしたことはなんですか
上村アナ「2017年・世界陸上ロンドン大会の4×100メートルリレーでジャマイカチーム・アンカーのウサイン・ボルト選手が足を痛めて途中棄権した瞬間です。ロンドン大会でボルト選手は引退することが決まっていて、しかもこのリレーが最後の種目でした。高校生の頃からボルト選手の衝撃的な走りをテレビで見てきた私だけではなく、“ボルトの最後の走り”には世界中が注目していたと思いますが、まさかこんな結末が待っているなんて思いもしませんでした。しかも、そのレースで日本が世界陸上のリレーではじめてのメダルを獲得したんです。もし、ボルト選手があのままフィニッシュラインを切っていたら……。スポーツに“if”はつきものですがドラマよりもドラマチックな現実を自分の目に焼き付けることができました」
――スポーツが動き出し、明るいニュースが多くなっていくと思います。今の日本でスポーツ報道はどのような存在になるでしょうか
上村アナ「スポーツは見ている人たちに希望を与えてくれると思っています。スポーツがストップしている期間でも、競馬だけは無観客で開催していました。それを自宅のテレビで見て、先行きが分からない真剣勝負を、手に汗握りながら、声を出しながら応援することってこんなにもエネルギーをもらえるものなんだと痛感したんです。『これこそがスポーツの醍醐味だな』と思いました。新型コロナウイルスの影響もまだまだ残っていますし、そのせいで気が滅入ってしまったり、落ち込んでしまったりすることはこれからもあると思います。だからこそ、自分のようにスポーツを見ることで元気をもらったり、勇気をもらったりする人を1人でも多くするためにスポーツ報道に取り組んでいきたいです」
――気持ちはオリンピックに向けて高まっていますか
上村アナ「私は何事も『百聞は一見にしかず』の精神を大事にしています。アナウンサーとしてスポーツを伝えるのも、現場で取材した誰かが書いてくれた原稿を読むだけではなく、自分の感じたことを伝えられるようになるべく多くの現場に足を運ぶようにしています。東京オリンピック・パラリンピックは自分にとって初めての夏季大会なので、先ほども話した通り、みなさんにより多くの競技を深く知ってもらうと同時に、アスリートたちの挑戦の物語を一緒に共有してもらいたいと思っています。そのためにこれからも現場第一主義でスポーツの熱をお伝えしていきます!」
◆上村彩子(かみむらさえこ) 千葉県出身。1992年10月4日生まれ。専大松戸高校卒業後、上智大学に進学。2015年にTBSに入社。現在は「S☆1」(土曜深夜0時30分、日曜深夜0時)、「SUPER SOCCER」(日曜深夜0時50分)を担当中。