TBS上村彩子アナが伝えたい「スポーツの熱」 東京五輪へ向け大切にする「現場第一主義」
「Sportsには世界を1つにするチカラがある。」をテーマに、スポーツの魅力を伝えるTBSの大型スポーツ番組「S☆1」(土曜深夜0時30分、日曜深夜0時)。新型コロナウイルス感染拡大の波がさまざまなスポーツにも影響を及ぼしている中、スポーツ報道の前線にいる人々はなにを思うのか。「S☆1」に出演するTBS上村彩子アナウンサーに、スポーツ報道の今、そして延期が決まった東京オリンピックへの思いを聞いた。(後編)
TBS「S☆1」「SUPER SOCCER」を担当する上村彩子アナウンサーにインタビュー
「Sportsには世界を1つにするチカラがある。」をテーマに、スポーツの魅力を伝えるTBSの大型スポーツ番組「S☆1」(土曜深夜0時30分、日曜深夜0時)。新型コロナウイルス感染拡大の波がさまざまなスポーツにも影響を及ぼしている中、スポーツ報道の前線にいる人々はなにを思うのか。「S☆1」に出演するTBS上村彩子アナウンサーに、スポーツ報道の今、そして延期が決まった東京オリンピックへの思いを聞いた。(後編)
――「S☆1」は6月7日に放送1000回を迎えました。これから番組の中で挑戦したいと考えていることはありますか
上村「アスリートの皆さんも言っていたように、東京オリンピック・パラリンピックが延期になったことで、もっとスポーツのことを知ってもらう機会や時間が増えたと思います。自分自身、選手を取材することになって初めて深く勉強して魅力に気づけた競技や、『こんなにおもしろい競技をもっと皆さんに知ってもらいたい』と思うことも何度もありました。だからこそ、オリンピック・パラリンピックの前に競技に対して理解を深めたり、選手のことをもっと知った上で大会を迎えられたら、私がそうだったように、より何倍も楽しめると思うんです。『絶対にこの競技を見たい!』『会場に行きたい!』と強く思ってもらえるように、この1年間は番組でもっとスポーツの魅力に気付いてもらうために、より深く、それでいてわかりやすく伝えていきたいと思います。
スポーツ番組なので、どうしても元からスポーツが好きだったり、そのスポーツを経験したことのある視聴者が多いんですが、もっとその輪を広げたいと思っています。『なんとなくニュースの最後に結果だけ見る』という人に、結果だけではなく、その過程や選手の個性を番組を通して知ってもらいたいです」
――15年に入社されて、スポーツに携わる番組を持つようになってからご自身の中で変化したことはありますか
上村アナ「スポーツをより好きになりました。リオオリンピックはテレビで観戦していたのですが、先月、4×100メートルリレーに出場した陸上短距離の飯塚翔太選手にリモートでインタビューをすることができたんです。リオの決勝では、1走の山縣亮太選手から2走の飯塚翔太選手にバトンを渡すときに、前走者がどこまで来たらスタートするのかを決めるマークの位置を予選よりも4分の1歩(7センチほど)長くしたという有名なエピソードがあるんですが、日本がメダルを獲るために今まで何度も繰り返してきたことを変える決断をした背景を聞くことができました。
でもテレビで見ているだけではそれはわからないことですよね。『神は細部に宿る』と言いますが、実際に取材でお話をうかがって、その凄さに触れると、スポーツがどんどん奥深いものになっていくんです。だからこそ選手に対してもっと応援したいという気持ちも高まりました」