菅井友香、櫻坂46の躍進に刺激「皆の努力が報われてうれしい」 ドラマ初主演に励み

2022年に櫻坂46を卒業した菅井友香(28)が、1月8日スタートのテレビ東京系連続ドラマ『チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ』(月曜深夜2時35分)で、ドラマ初主演を果たしている。役どころはレズビアンのカップルで、相手役とのあうんの呼吸、演じることの魅力などを語った。

『チェイサーゲームW』で地上波ドラマ初主演を果たした菅井友香【写真:舛元清香】
『チェイサーゲームW』で地上波ドラマ初主演を果たした菅井友香【写真:舛元清香】

レズビアンOL役は「葛藤を繊細に伝えることを強く意識」

 2022年に櫻坂46を卒業した菅井友香(28)が、1月8日スタートのテレビ東京系連続ドラマ『チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ』(月曜深夜2時35分)で、ドラマ初主演を果たしている。役どころはレズビアンのカップルで、相手役とのあうんの呼吸、演じることの魅力などを語った。(取材・文=大宮高史)

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 菅井と中村ゆりかのダブル主演の同作は、ゲーム業界で働く元恋人同士の上司と部下2人の“恋愛模様”を軸に展開される。文字通りの愛憎劇で、キービジュアル(メインのイメージ動画)ではチャイナドレスをまとった2人が向き合い、妖艶な雰囲気を漂わせている。

「キービジュアルを撮影したその日が中村ゆりかさんとの初対面だったんです。ごあいさつをして、すぐに真正面で向き合って撮りました。私は緊張しながらゆりかさんを見つめましたが、ずっとテレビで見ていた方なので頼もしかったです」

 菅井が演じるのは、ゲーム会社のダイナミック・ドリームで働くチームリーダーの春本樹。日中のゲーム会社が共同でビッグタイトルをゲーム化するプロジェクトのリーダーに指名されるが、中国側の責任者として現れたのが、樹の学生時代の恋人・林冬雨(中村)だった。かつて一方的に冬雨を振ってしまった上、同性愛者であることを隠して生きてきた樹の心が揺れ動く。冬雨が樹にきつく当たるのは、過去の復讐(ふくしゅう)なのか……。愛し合った2人の心理劇が繰り広げられていく。

「私とゆりかさんがキービジュアルで向かいあっている後ろに、ゲームのキャラクターも樹と冬雨を象徴するように映っているんです。『樹がなぜ過去にあんな行動を取ってしまったんだろう』ということを想像し、彼女の葛藤を繊細に伝えることを強く意識しました。偏見やしがらみのせいで、本心を隠して生きざるを得なかった樹のような人のつらさにも思いをはせていました」

 菅井にとっての中村は、年下だが芸歴では先輩。何でも話せる頼れる相手役だという。

「休憩中も飾らずにおしゃべりしたり、2ショット写真を撮ったりできる仲になりました。良きパートナーとして作品を作ってこられたと思います。でも、ドラマの序盤は冬雨が樹にきつく当たっていくので、カメラの前では切り替えてバチバチに火花を散らしていました」

 菅井は学生時代、ゲーム会社でアルバイトをしていた。クリエイティブ業界の華やいだ雰囲気に懐かしさも感じたという。

「昔、アルバイトをしていた会社もそうだったのですが、フィギュアが飾られていたりしてワクワクしますね。たくさんの職種の方々でゲームを作っていくリアル感も再現されています。キャラクターが濃くて、個性の強い人がたくさん登場するので、その人間模様も面白い『お仕事ドラマ』です」

 欅坂46、櫻坂46のキャプテンとしてグループをまとめた経験が、チームリーダーとして奮闘する樹の姿に重なったという。

「樹は芯が強くて正義感も持っているけれど、不器用さがあるところが好きです。思ったことははっきり主張するのですが、伝え方が下手で反発されたり、冬雨に言い負かされてしまいます。そういう弱さにも共感しましたし、個性の強い集団をまとめないといけない彼女の立場を思うと、親近感も覚えます(笑)」

ラジオやテレビのレギュラー番組、ドラマ、舞台と精力的に活動している【写真:舛元清香】
ラジオやテレビのレギュラー番組、ドラマ、舞台と精力的に活動している【写真:舛元清香】

海外公演、紅白返り咲き…櫻坂46の躍進に刺激「元気をもらっています」

 23年には、舞台『新・幕末純情伝』でバンカラ剣士の沖田総司を演じた。本格的な時代劇舞台『赤ひげ』にも出演。そして、『チェイサーゲームW』では同性愛者のキャリアウーマンと、櫻坂46卒業から1年強で手にした役は幅広い。演技の道に進んでいく原動力を聞くと、「チームの力」と言った。

「舞台でもドラマでも毎回、『いいものを作ろう』と役者だけでなくたくさんの職種の方と一緒になって作品を作っていけるプロセス自体を楽しんでいます。このドラマでも、団結力が強くて一丸となって仕事をしていました。そんな現場の熱気が大好きです。現場でご一緒する皆さんが『戦友』で、チーム戦を戦っていく気持ちで過ごしてきました」

 作品作りの醍醐味を実感したのは、乃木坂46、けやき坂46(当時)のメンバーと合同で演じた18年の舞台『ザンビ』だという。「ファンの後押し」も力になっている。

「演劇自体が初めてで食らいついていくのに必死だったんですが、必死になれたこと自体が楽しさになっていました。役を通じて言葉から何から、普段の私とは違う別の世界に入りこめることも目新しいです。そして、私がお芝居の仕事をいただく度に、応援してくれる皆さんが喜んでくれました。演技を褒めてくださったり、劇場にも来ていただけることも励みです」

 演技者としての自身の強みを聞くと、考え込んで返した。

「まだ勉強ばかりですが……『すごく素直だね』とよく褒めていただけるところです。相手からのパスを真っすぐ受け止めて、求めに応えていけているようです。今回も、ゆりかさんが私が本当に好きになってしまいそうなくらい素敵な冬雨を見せてくださったので、それに応えて私の心の中の『人を思う気持ち』を最大限にしてゆりかさんと向き合っていました」

 計8年間を過ごしたグループのことも見守り、仲間からも元気をもらっている。

「2023年は大きなイベントがたくさんありましたし、皆の努力が報われてうれしいです。現役メンバーに会うとハグもしちゃいますし、頑張っている姿は懐かしいとともに元気をもらえます」

 初の海外公演を開催、昨年末は『NHK紅白歌合戦』への返り咲きを遂げた櫻坂46と歩調を合わせるかのように、菅井も勢いを増している。馬好きの念願がかなって、昨年には関西で競馬番組のMCにも就任。舞台やドラマの稽古、番組の収録と日々、現場を駆け巡ってきた。

「もっともっと、作品を見てくださった皆さんが少しでも前に進むきっかけになれるような役者を目指して頑張ります!」

 充実期の28歳。エネルギッシュに芸能界を駆けていく。

□菅井友香(すがい・ゆうか)1995年11月29日、東京都生まれ。2015年に欅坂46の1期生オーディションに合格。17年にグループの初代キャプテンに選ばれる。20年に欅坂46から櫻坂46に改名し、22年11月に櫻坂46を卒業。俳優業の他、文化放送『菅井友香の#今日も推しとがんばりき』ではパーソナリティーとして、関西テレビ『KEIBA BEAT』にはMCとしてレギュラー出演。特技は「中学1年生で始めた馬場馬術」。

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