サッカーは攻撃だけじゃない! ディフェンダーが主役の漫画3選

『キャプテン翼』『ブルーロック』『シュート!』などストライカーが主人公のサッカー漫画は多く存在する。華々しくゴールを決める様は、ヒーローとして分かりやすい。しかし近年、ディフェンダーにフォーカスしたサッカー漫画が注目を集めていることはご存じだろうか。今回は派手な必殺シュートはないけれど、自然とアツくなるディフェンダーが主人公のサッカー漫画を紹介しよう。

『カテナチオ』(作:森本大輔)
『カテナチオ』(作:森本大輔)

攻撃よりもかっこいい守備で魅せるサッカーとは

『キャプテン翼』『ブルーロック』『シュート!』などストライカーが主人公のサッカー漫画は多く存在する。華々しくゴールを決める様は、ヒーローとして分かりやすい。しかし近年、ディフェンダーにフォーカスしたサッカー漫画が注目を集めていることはご存じだろうか。今回は派手な必殺シュートはないけれど、自然とアツくなるディフェンダーが主人公のサッカー漫画を紹介しよう。

 まずは、2022年に『週刊ヤングジャンプ』で連載スタートとなった『カテナチオ』(作:森本大輔)だ。タイトルでもある「カテナチオ」とは、イタリア語で「閂(かんぬき)」を意味し、作中ではゴールに鍵をかける堅守を表している。東條高校サッカー部に所属する主人公・嵐木八咫郎(あらきやたろう)は、欧州ビッグクラブでプレーするプロサッカー選手になることが目標だ。ただ漠然と目標にするのではなく、欧州でサッカー選手になるために、普段の勉強や外国語の勉強は部活までの時間に徹底的に行い、授業後は貪欲にトレーニングをこなしている。

 第1話では、嵐木が圧倒的な才能を持つストライカーの前に敗北してしまう。しかし、元々はストライカーだった嵐木がセンターバックとして、誰も止められなかったストライカーを止める「カテナチオ」としての才能に目覚める。敗北から始まるストーリーだが、凡人が天才を倒していく展開を期待し、胸がアツくなってしまう。

 次に紹介するのは、15年から『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載スタートし、22年にはテレビアニメ化もされた『アオアシ』(作:小林有吾)だ。愛媛の中学校でフォワードとして得点を重ねていた青井葦人(あおいあしと)の前に、日本のプロサッカーチームである東京シティ・エスペリオンFCの育成組織の監督が現れ、蒼井をエスペリオンFCユースのセレクション受験に勧誘する。セレクションに見事合格した青井は、部活でフォワードだったが、エスペリオンFCユースに入った後の第61話「転」でサイドバックへの転向を指示された。困惑しつつもサイドバックに転向することで、青井は持ち前の、フィールドのどこに誰がいるか把握できる俯瞰能力をフル活用し、攻守ともに活躍していく。SNSでは「最新の戦術も取り入れられた名作」「ちゃんとサッカー戦術が学べる」とサッカーに詳しい読者もうなる内容だ。

 最後は、1991年に『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『超機動暴発蹴球野郎 リベロの武田』(作:にわのまこと)である。同作品では、ギャグ要素をたっぷり詰め込んでいることと、主人公である武田弾丸(たけだたま)がディフェンスポジションのリベロであることで、これまでにないサッカー漫画の魅力を発揮している。

「リベロ」はイタリア語で自由な人を意味しており、ポジションでいうとセンターバックだ。守備ポジションであるセンターバックだが、守備に徹するわけではなく、攻撃にも積極的に参加するのがリベロの特徴である。武田も基本は守備だが、ボールを奪ってからのカウンターとして、トリッキーなドリブルからの必殺シュートでチームを勝利に導く。

『THE MOMOTAROH』『陣内流柔術武闘伝 真島クンすっとばす!!』など格闘漫画の名手として知られている、にわのまこと氏の漫画だけあり、迫力満点な試合描写は、ほかのサッカー漫画では味わえないだろう。

 ほかにもチーム監督を主人公としたサッカー漫画『GIANT KILLING』(作:綱本将也、ツジトモ)も人気で、さまざまな視点から見たサッカーが楽しめるのが近代サッカー漫画最大の魅力だろう。2026 FIFAワールドカップ・アジア予選も開始され、AFCアジアカップも控えるなど、サッカーがさらに盛り上がる前に、今回紹介した漫画もチェックし、多方面の視点からサッカー観戦を楽しむ準備を進めよう。

※本文にて紹介している『カテナチオ』の第1話「すべてを尽くして(1)」が下記より試し読み可能です。ぜひ御覧ください。

「ヤンジャン!」では本作品全話配信中です。
https://ynjn.jp/title/7590

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