新日本プロレスが年始恒例の1・4東京ドーム大会『ベルク Presents WRESTLE KINGDOM 18 in東京ドーム』を開催。SANADAは2016年4月の新日本プロレス登場以来、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン（以下L・I・J）の一員として内藤哲也と行動を共にしてきた。しかし、23年3月に行われた『NEW JAPAN CUP 2023』にて内藤に勝利したSANADAはL・I・J離脱を宣言し、Just 4 Guys入りを果たす。Just 5 Guysとなったユニットの中心選手として、同年4月にはオカダ・カズチカを下し第7代IWGP世界ヘビー級王者となった。そんなSANADAと内藤が激突した。

　スーツで決めたビッグマッチ仕様の内藤に対し、SANADAは同じく東京ドームで内藤を相手に昨年2月に引退試合を行った武藤敬司さんの若かりし頃を思わせる、赤のタイツに白のリングシューズというコスチューム。

　序盤はお互いの手の内を探る展開に。徐々にペースを握った内藤は、SANADAの首に攻撃を集中させ、スタミナを削っていく。打撃も、サブミッションも、すべて首狙い。SANADAはこの執拗な首への攻撃を切り抜けると、ドロップキックからのプランチャでペースを奪う。その後もTKO、オコーナー・ブリッジをフェイントにしたSkull Endなど得意技で内藤を追い詰める。しかし、ムーンサルト・プレスを読んでいた内藤は、SANADAの着地を誘い反撃。なんと場外の鉄柵にSANADAを乗せ、ネックブリーカーを敢行し、ここでもしっかりと首にダメージを与えていく。カウント18でリングに戻ったSANADAに対し、内藤は雪崩式フランケンシュタイナーを放つも、SANADAもネックスクリューで反撃しリバース・フランケンシュタイナーからシャイニング・ウィザードへ。とどめにムーンサルト・プレスを発射するも、内藤が剣山で迎撃。しかし内藤も膝にダメージを負ってしまう。

　先に立ち上がった内藤はバックエルボーでSANADAの体力を削っていき、エスペランサからコリエンド式デスティーノへ。その後の正調デスティーノはSANADAが踏ん張り不発、うつぶせに倒れている内藤にムーンサルト・プレスを発射。そして正調ムーンサルト・プレスを成功させるもカウント2で内藤はキックアウト。

　その後、内藤はデスティーノを2発出すもカウント3を奪えず、逆にSANADAのデッドフォールを浴びてしまう。ダブルフォールから立ち上がった二人は、フラフラになりながらも技を繰り出していく。最後は掟破りの逆デッドフォールからバレンティア、デスティーノにつないだ内藤が勝利し、第8代IWGP世界ヘビー級王者となった（25分42秒、片エビ固め）。

　試合後、マイクを握った内藤は言葉を発しようとしたところでEVILとディック東郷が乱入。東京ドームに大ブーイングが巻き起こる。EVILがたんかを切るも、ここでSANADAが蘇生しEVILを排除。SANADAは内藤に対し人差し指を突き出し、再戦をアピールしてリングを後にした。

　仕切り直した内藤は「ユニットは変わったけど、今俺がマイクを握っているのはお前のおかげだよ、グラシアス、SANADA！（SANADAはこのマイクで号泣）　この最高の空間を作ってくださった皆様に感謝いたします、グラシアス・アミーゴス。我々L・I・Jにご期待ください！　今日楽しみにしていたのは、4年前の忘れ物。ここ東京ドームで大合唱……皆さんも大合唱しにここ東京ドームに来たんですよね？　最後の締めはもちろん……ロス・インゴベルナブレス・デ・ハ・ポン！」で締めた。

　SANADAはバックステージでタイチに背中を押され登壇するも、テーブルに突っ伏ししばらく言葉を発せず。やがて起き上がり「18年前、いや19年前から内藤哲也はやっぱり大きな山だよ。そう簡単に越えさせてくれないというか。でも、この大きな山があるから自分自身もやりがいを感じていますし、内藤哲也に感謝しているよ。ただ、俺は諦めないからな」と逆襲を誓った。

　一方の内藤は「ずっと目標にしていた東京ドームでの大合唱、だったんだけどね。ノドが、声が枯れてしまって、今イチ、思いきり叫べなかったよ。いいところまで行くけど、でもやっぱどうしても、うまくいかない。それが俺らしいなって、思っちゃいましたよ。でも、ずっと目標にしていた東京ドームでの大合唱が実現できてうれしかったし、大合唱ができた瞬間、また次の目標ができましたよ。俺はマツダスタジアムで試合がしたいな。マツダスタジアムで、広島のお客様と一緒に大合唱したいな。あと、俺の地元である東京都足立区にある東京武道館でも試合と大合唱したいし、俺がデビューした地、草加市スポーツ健康都市記念体育館でも、試合、そして大合唱がしたい。まだまだ俺にはやりたいことがありますよ。明日も試合でしょ？　早く帰って寝たいよ。じゃあ、明日かな？　また気が向いたら質問は受け付けるから、そのときまで、トランキーロ！　あっせんなよ。アディオス！」と語った。