新日本プロレスが年始恒例の1・4東京ドーム大会『ベルク Presents WRESTLE KINGDOM 18 in東京ドーム』を開催。IWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロムの呼びかけに応じる形で、ヒロムとはちょっとした因縁のあるエル・デスペラードが挑戦者となった。2023年はともに多団体にも参戦し、数々の名勝負を残してきた彼らが、久々のシングルでどのような戦いを見せるのか。

　いつもの黒をベースにしたコスチュームに、アクセントで赤を施したマスクとパンタロンで登場したデスペラードは、ヒロムが入場しようとしたところを急襲。そのまま試合がスタート、デスペラードがペースを握るかと思われたが、場外戦でヒロムがペースを握り返す。その後はお互い早い仕掛けで、心理戦でも優位に立とうとする攻防が続く。

　10分もたたない間に、ヒロムのカナディアン・デストロイヤー、ヒロムちゃんボンバー、デスペラードのギターラ・デ・アンヘル、ヌメロ・ウノが飛び出す展開に。ともに手の内を隠すことなく、これまで培ってきた技を出して相手にダメージを与えていく。

　ここが勝負どころと見たヒロムは雪崩式カサドーラを狙うも、堪えたデスペラードが逆に雪崩式旋回バックドロップを発射。ダブルノックダウンから歩み寄った両者だったが、デスペラードが鋭すぎるエルボーを連射するも、ロコ・モノを回避したヒロムはスーパーキック2連発からヒロムちゃんボンバー。しかしデスペラードはカウント2でキックアウト、逆にピンチェ・ロコでカウント2.99まで追い込む。

　そして、ある意味盟友ともいえる葛西純（FREEDOMS）の得意技である戦慄の垂直落下式リバース・タイガードライバーを炸裂させると、再びピンチェ・ロコを放ち、ヒロムからカウント3を奪い第94代IWGPジュニア王者に返り咲いた（14分21秒）。

　バックステージでデスペラードが「ヒロム、首の皮一枚、俺の方が強かったな。同日入門でこれだけのことやっている世代っていうのは、自分で言うのもあれですが、誇らしいんじゃないでしょうか？　まず石森さんを引っ張り出して、それで防衛。あとはいっぱいいるだろう。YOHもSHOも、今日試合してねえけど信じらんねえよ、田口さんだってよ、チャレンジャー。闘い抜いてくれれば十分できるでしょう。別に尻出してるいのが、俺はおふざけだとは思わねえよ。あれはキャラクターだ。それで勝ちゃいいじゃねえか」と語っているところに、マスター・ワトが登場。

　ワトは「デスペさん、IWGP奪取おめでとうございます。次、自分を挑戦者にしてください」と語っていると、次はSHOと金丸義信が現れ「オイ、デスペ！俺らも祝ってやるよ！　オイ、せっかくベルト獲ったんだからよ、なあどうだ？　乾杯しようぜ、オイ！」とデスペラードに近づく。しかしSHOと金丸はデスペラードとワトに暴行を働き、金丸が「デスペラード！　チャンピオンになってもな、テメーなんかになんの権利もねえんだよ！わかったか、オイ！　次、テメーのベルトに俺が挑戦してやるよ。覚えとけ、この野郎！」と叫び消えていった。

　一方ベルトを失ったヒロムは「悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しすぎる！　それ以外、本当に言葉が出てこない。防衛回数、最多防衛11、もちろん目指していた。やりたい人はたくさんいた。やらないといけない、防衛戦をしないといけない相手はたくさんいた。その人たちを裏切った。それはもちろん悔しいけど、一番悔しいのはデスペラード、お前に負けたことだ。誰とやるでも、好きなこと今ぐらい実現させてみろ。そして、俺をもっと悔しがらせてみろ。俺は悔しければ悔しいだけ強くなる。お前は強い。デスペラード、俺よりかお前の方が強い。すぐリベンジしたところでお前に勝てない。だから俺はもっと強くなって、もっと悔しくなって、強くなって、またお前に挑戦する」と悔しさを隠さなかった。