【光る君へ】吉高由里子、大胆かつ繊細な撮影現場は驚きの連続「そこまで見えるの!?」
俳優の吉高由里子が昨年11月初旬、主人公・紫式部(まひろ)を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(1月7日スタート、日曜午後8時ほか)の合同取材会に出席。本作への意気込みとともに、撮影現場の様子やドラマの魅力について語った。
合同取材会で撮影現場の様子を語る
俳優の吉高由里子が昨年11月初旬、主人公・紫式部(まひろ)を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(1月7日スタート、日曜午後8時ほか)の合同取材会に出席。本作への意気込みとともに、撮影現場の様子やドラマの魅力について語った。
本作の舞台は平安中期。世界最古の女性文学といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描き、きらびやかな平安貴族の世界と懸命に生きて書いて愛した女性の一生を大石静氏の脚本で物語を紡ぐ。
2023年5月末に京都・平安神宮で撮影がスタートした今作は、全体の約3分の1の撮影期間が経過。吉高はここまでの約半年間を「あっという間でした」と振り返る。「今、民放のドラマだったら2本目に入ってるんだなと思うと、どれだけこの一つの作品が長い期間やっているのかと改めて実感します」。
撮影現場では、大河ドラマならではのセットに「視界が毎日新鮮で楽しいです」と驚きの連続とのこと。「セットの中に池ができていたり、建物もコロコロ変わったりして、プロフェッショナルな仕事を近くで目にしています」とスタジオ撮影の感想を語る。
続けて、「セットの中に馬がいるのを初めて見ましたよ。この中に馬を連れてきたんだって(笑)。大河って大胆なのねと思いました」と笑い、印象的なエピソードを明かす。
「お馬さんもプロフェッショナルで、なに食わぬ顔で現場にいました。矢部太郎(まひろの従者・乙丸役)さんが私を追いかけて走ってくるシーンがあったんですけど、馬の近くで間違って転んじゃって。矢部さんがペタンって転んだとき、そのままなんともない顔して『何してんの?』みたいな感じで見ていました」
また、セットだけでなく撮影の進行も新鮮だったようで、「一つ一つの1カットを『こんなに長いんだ!?』というくらい、本当に丁寧に仕上げています。スタッフの方が『ちょっとすみません』と言って、後ろの方の葉っぱを濡らし始めることがあって、『見えるの? そこまで!?』と思うほどです。平安時代というのもあって、衣装もすごく鮮やかできれいなので、大きな画面で見るのが楽しみです」と、自身も放送開始を心待ちにする。
吉高が演じるまひろは、学問をつかさどる父のもとで、幼い頃から文学の才能を発揮し、考え深く鋭い感性を持つ女性へと成長していく役柄。撮影では、文字を書く場面に苦労しているとして、「本来は左利きなので右手で書く筆のシーンになると緊張しますし、書き始めて手が震えることもあるので、撮影する前に30分ほど時間をいただいて、書く練習をしてから本番に入ることもありました。文字が主役のドラマでもありますから、すごく丁寧に練習して撮影に臨んでいます」と、本番までの準備を明かす。
今作では、紫式部と藤原道長との関係性が物語の軸となる。道長は名門、藤原家に生まれ、兄の道隆、道兼の陰で一見目立たない。しかし、やがて思わぬ事態が重なり、政権の中心に躍り出ることになる、紫式部の生涯のソウルメイトとなる人物だ。
道長を演じる柄本佑について、「『頑張ろうね』とお互いを励まし合いながらやってます」と共演シーンを振り返る。2人は、本作と同じく大石氏が脚本を手がけたドラマ『知らなくていいコト』(20年)でも共演していた。「今回の撮影も最初から戦友感があって、すごく安心するというか、頼もしいです。関係性がある程度築けているときに今回の役でまた巡り合えてよかった」と信頼を寄せる。
さらに、柄本との印象的なシーンについて明かす。
「撮影で1日中、お互い泣いていることもありました。1カットが台本で6ページくらいある場面もあって、そのときは『スズナリ(東京・下北沢の演劇用小劇場)で2人でやってる気持ちでやろう!』『もうここは劇場だ!』と、励まし合ってました。シリアスなシーンやラブシーンの前も、すごくフラットに会話してくれるので、こっちが緊張しないというか、リラックスさせてもらえるような空気感を作っていただいてます」
そんな道長について吉高は「賢いね~と思います」と感心している様子で、「ちゃんと客観的に人や周りを見て、視野も広い」と印象を明かす。実際に台本を読み進めても、「ここからどう成り上がっていくのか、内裏での政治権力にまつわるストーリー展開も面白いです」と魅力を感じているようだ。
今作は大河ドラマらしく多くのキャラクターが登場する。特に気になる共演者については、「ロバートの秋山(竜次)さん」と即答。道長の先輩・藤原実資(ふじわらのさねすけ)を演じる秋山がツボのようで、「秋山さんが大好きで、お会いできて一番うれしいというか、一番印象に残っています。いるだけで、なんか面白い(笑)。全然笑うシーンじゃないのに、ユニークが隠しきれていない感じの魅力的な人だなって思います」と思わず笑みがこぼれる。
撮影現場ではあいさつを交わした程度だが、「もう何を話していいのかも分からなくて、『あ、お疲れさまです』って言ったら『ニッ』って笑ってくれて、それだけで『ああ~おかしい~!』ってなって(笑)。今度またお会いする機会があるので、もうちょっと積極的にお話してみようと思います」と満面の笑みで共演を待ち望んだ。