森永康平氏、総合格闘技連勝ならず がん闘病中の父・森永卓郎氏は「試合をどうこうって言える状態じゃない」

経済アナリストの森永康平氏(練馬ミラクルジム)が8日、総合格闘技2戦目に臨み、1R1分14秒、TKOで敗れた。試合後には膵臓がんで闘病中の父・森永卓郎氏への思いを明かし、回復を願った。

試合に敗れ、ぼう然とした表情の森永康平氏【写真:ENCOUNT編集部】
試合に敗れ、ぼう然とした表情の森永康平氏【写真:ENCOUNT編集部】

「余命は本当に早いと2、3か月と言われている」

 経済アナリストの森永康平氏(練馬ミラクルジム)が8日、総合格闘技2戦目に臨み、1R1分14秒、TKOで敗れた。試合後には膵臓(すいぞう)がんで闘病中の父・森永卓郎氏への思いを明かし、回復を願った。

 格闘家の顔を持つ康平氏は、アマチュア格闘技イベント「F・H・R 令和熾烈大合戦」(東京・新宿フェイス)で、HEROPON(フリー)と総合格闘技ルール(3分2R)で対戦。グラウンド状態で上からパウンドを浴びせられたところで、レフェリーに試合を止められた。昨年10月の総合デビュー戦に続く連勝はならなかった。

 数日前から左足中指を痛め、激痛で歩行もままならない状態だった。周囲からは試合を棄権するよう勧められたが、「相手に迷惑をかけられない」と強行出場を決意。痛み止めを飲みながらリングに立った。得意の寝技に引き込み、三角絞めを狙うもチャンスは訪れない。「あれだけパウンドをされていたら止められても仕方がない。相手選手の打撃が鋭くて重かった」と勝者を称えた。

 負傷がなくても、とても試合に臨める状況ではなかった。父がステージ4の膵臓がんと診断され、昨年末に公表した。さらに大みそかにかけて容体が悪化し、言葉を交わせるような状態ではなくなった。

「今日(試合を)やることは知っていると思います。でも、おやじ自身が僕の試合どうこうって言える状態じゃない。(12月)25日に文化放送の番組で共演しているんですけど、そのときはめちゃくちゃ元気だったんですが、27日の水曜日に抗がん剤を打っているんですよ。抗がん剤打った日は別に何もなかったんですけど、2日ぐらいしてから本当に体調が悪くなっちゃって、その翌日に会いに行ったら、珍しくなんか本当に死にそうなぐらいになっていて……。ちょっと見ていられないので、『入院しよう』と言って無理やり病院に連れて行って、本当に本人も来週ぐらいにたぶん死ぬみたいな話をしていて、それが冗談に聞こえないぐらい、起きていられないし、しゃべっていられないしで」

 その後、卓郎氏は薬を変更したことで回復したことをラジオ番組で報告している。康平氏も、「違う薬を使ったら劇的にそれが合って、昨日くらいからすごく元気になって、ラジオとかも出ていました」と明かしたが、もちろん、試合の調整どころではないだろう。

 試合直前の2週間は調整に専念するため、本業の仕事を入れていなかった康平氏だが、卓郎氏の代わりに代打出演を依頼されることも複数回あった。

「おやじが仕事にどうしても穴開けちゃうことあるじゃないですか。うちの場合は、ありがたいことに仕事が同じ(経済アナリスト)なので、クライアントさんがおやじの代わりに僕でいいと言ってくださるケースも多いので、急きょ、穴埋めを僕がさせてもらうケースもありました」と、振り返った。

 懸命に病魔と格闘している父に、今、こみ上げる思いは。

「おやじの治療も、いろんな方からいろんなアドバイスを受けているんですけど、ただ、どれが正しいのか僕には分からない。とりあえず、おやじがやりたいと思う治療をやってもらうべきなのかなと思っています。とにかく、おやじにやりたい治療をやってもらって、余命は本当に早いと2、3か月と言われているんですけど、本当にそんなふうに感じるぐらい、先週はひどかったので、そういう意味では、3か月、自分の判断、おやじの判断を尊重したいです」と、康平氏は語った。

次のページへ (2/2) 【写真】総合格闘技2戦目のアザーカット
1 2
あなたの“気になる”を教えてください