【RIZIN】49歳山本美憂、引退試合で23歳年下の“最強女王”伊澤星花に一本負け 一瞬の出来事に呆然

第13試合では今回が引退試合となる山本美憂(KRAZY BEE / SPIKE22)がRIZINスーパーアトム級王者・伊澤星花(Roys GYM)に2R・一本負けを喫した。一瞬の出来事に美憂はぼうぜん、有終の美を飾ることはできなかった。山本のMMA戦績は6勝8敗。伊澤は12勝。

伊澤星花に2R・一本負けを喫し、ぼうぜんとする山本美憂(右)【写真:山口比佐夫】
伊澤星花に2R・一本負けを喫し、ぼうぜんとする山本美憂(右)【写真:山口比佐夫】

第13試合は49歳山本の引退試合

格闘技イベント「にゃんこ大戦争 presents RIZIN.45」(2023年12月31日、さいたまスーパーアリーナ、ABEMA PPVで全試合を完全生中継)第13試合 MMAルール(49キロ、5分×3R)

 第13試合では今回が引退試合となる山本美憂(KRAZY BEE / SPIKE22)がRIZINスーパーアトム級王者・伊澤星花(Roys GYM)に2R・一本負けを喫した。一瞬の出来事に美憂はぼうぜん、有終の美を飾ることはできなかった。山本のMMA戦績は6勝8敗。伊澤は12勝。

 49歳の山本は、17歳で初めて出場した1991年のレスリング世界選手権を史上最年少で優勝するなど、計3度世界一に上り詰めた。その後は42歳でMMAに転向。16年9月の「RIZIN.2」でRENA相手にデビューも一本負けを喫した。

 一時は浅倉カンナらを相手に4連勝したが、ここ最近は3連敗中。伊澤とは5月6日の「RIZIN.42」で対戦予定で、この大会を最後に現役を引退すると表明していたが、練習中に膝前十字靱帯断裂で欠場。引退試合が大みそかに延期となっていた。故・山本“KID”徳郁さんは弟。現役RIZINファイターの山本アーセンは息子。

 26歳の伊澤はレスリング、柔道をバックボーンに持ち、2020年10月にプロMMAデビュー。これで無傷の12連勝となった。

 笑顔を見せながら、リラックスした表情で花道を歩く美憂。軽快なステップでリングへ向かって歩いていく。後ろには夫のカイル・アグォンに息子のアーセンが付いて歩く。母の最後の戦う姿にアーセンは涙を流していた。リングに入ると美憂の表情は一変、険しくなっていた。

 1R、ボディーへのミドルキックから入った伊澤に対し、美憂はカウンターのタックルでテイクダウン。しかし、そのままカウンターのギロチンチョークで絞められてしまう。これを何とかしのぐとトップポジションから細かいパンチを入れていく。1度は立ち上がるが残り10秒で再度ギロチンチョークの形に引き込まれた。

 2R、伊澤の関節蹴り、左フックを続けて被弾。体制を崩したところで膝蹴りをもらい前に倒れかけると、そのまま横からリアネイキッドチョークの形に入られる。首深くに伊澤の腕が回り、たまらずタップアウト。一本負けを喫した。

 試合後には山本の引退セレモニーが行われ、榊原信行CEOから首にメダルがかけられ、がっちりと抱擁。さらに花束が手渡された。そして息子のアーセンからも花束を受け取った。

 アーセンが「母ちゃんは何かしら新しい挑戦をすると思うので、応援よろしくお願いします」とファンへ呼びかけると、山本は「勝ってリングを降りようと思ってたので、不思議な気持ちです。戦歴的には本当によくないというか……そんな選手だったにも関わらず、RIZINの皆さん、ファンの皆さんが変わらず応援してくれているので、こんなアスリートっていないんじゃないかと思っています。本当にありがとうございます。本当に寂しいです。これからいろいろなことに挑戦していきたいと思っています」と涙をぬぐった。

 最後に10カウントゴングが場内に響き渡り、現役生活に別れを告げた。ファンからの「ありがとう!」の声に山本は涙をこらえきれなくなった様子だった。

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