格闘技イベント「にゃんこ大戦争 presents RIZIN.45」（12月31日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ／ABEMA PPV ONLINE LIVEで生中継）で王者（現在ははく奪）フアン・アーチュレッタ（米国）と対戦予定だった朝倉海（JAPAN TOP TEAM）。相手の大幅な体重超過で試合が消滅危機となっている。実施に向け現在も協議中だ。そんななか、会場に試合開始3時間以上前から到着しているファンたちに心境を聞いた。

　今年7月に行われる予定であったバンタム級（61キロ）の王座決定戦。その際は試合直前に海が膝を負傷し欠場。アーチュレッタは代役出場の扇久保博正と対戦し勝利を収め、ベルトを手にした。

　あれから5か月。アーチュレッタの初の防衛戦に海が挑戦するはずだった。しかし、アーチュレッタは試合前日の計量で2.8キロのオーバー。ベルトははく奪され、バンタム級王座は空位になり、海が勝った場合のみタイトル獲得となった。体重差が大きいため、現在も実施可否は協議中だ。

　大みそかの舞台に駆けつけたファンたちはどんな思いで駆け付けたか。熱狂的な格闘技ファンという男性3人組の1人は「興行的にも自分は朝倉海とアーチュレッタはやるべきだと思う。でも朝倉海のことを考えて、ここで負けたら格が落ちるのでやるべきでないと思います。でもファンのためにはやってほしいと思います。海ならワンパンで勝てると思うので」と熱い。

　家族で来場している平本蓮ファンの男性は「やってほしいけど3キロオーバーですから……。でもファンとしてはやってほしい」と話し、男性の母親は「リングにだけでも上がってきてほしい。戦わなくてもせめて……」と悔しそうにしていた。

　海のJTTタオルとうちわを持つ親子は「無理してやらない方がいいと思う」「見たいけど……」と海を心配。

　さらに「リカバリーしちゃうと相手はもっと増えちゃうと思うし。これからのことを考えたら、無理して海外に行けなくなったら嫌だし。この状態でやってもアーチュレッタに勝てると思うけど、ケガをしたり、『アーチュレッタが体調悪かったからだよね』って声も出ちゃうかなと。あと海も一晩悩んでしまっているからな」と冷静に状況を見ていた。

　それでも海の勝利を見たかった気持ちもある。「朝倉兄弟ファンは、今年の後半からみんなモヤモヤしてると思う。いやここ数年……。もう万全だったからね、かわいそう。仲間たちもつらいと思う」とため息だった。

　それでも「消滅したら残念だけど、ちょっとホッとするかも」と海の体調を1番に考えていた。