『キャプテン翼』43年の歴史に幕 4月に最終回 高橋陽一氏、コロナ禍で「スタッフ体勢の維持困難に」

1981年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始し、これまで世界中で愛されてきたサッカー漫画の金字塔『キャプテン翼』が、このたび漫画としての連載を終了することが5日発売の「キャプテン翼マガジン vol.19」で発表された。最終回は、4月初旬発売予定の「キャプテン翼マガジン vol.20」の掲載話となる。

『キャプテン翼』の漫画連載が発表された「キャプテン翼マガジン vol.19」【写真:(C)高橋陽一/集英社】
『キャプテン翼』の漫画連載が発表された「キャプテン翼マガジン vol.19」【写真:(C)高橋陽一/集英社】

最終回は、4月初旬発売予定の「キャプテン翼マガジン vol.20」の掲載話

 1981年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始し、これまで世界中で愛されてきたサッカー漫画の金字塔『キャプテン翼』が、このたび漫画としての連載を終了することが5日発売の「キャプテン翼マガジン vol.19」で発表された。最終回は、4月初旬発売予定の「キャプテン翼マガジン vol.20」の掲載話となる。

 同誌(「vol.19」)には、著者・高橋陽一氏が思いのたけをつづったファンへのメッセージも掲載。体力の衰えや執筆環境の変化により“漫画”を描くことが困難になってきたことを理由に挙げつつ、このあとの“物語”を残すべく、ネームのような形で制作していく決意を4ページにわたって伝えている。

 物語の今後については、ネームなどの形で制作を続けていくこともあわせて語られている。どのような形で発表するかは未定のため、決定次第お知らせされる。

『キャプテン翼』は、サッカーの天才少年・大空翼を主人公に、そのチームメイト、ライバルたちの成長を描くスポーツ漫画。コミックスの全世界でのシリーズ累計発行部数は、9000万部以上。「週刊少年ジャンプ」1980年18号に読切作品として掲載、同誌81年18号から連載スタート。翼の小学生~ジュニアユース時代を描いたのち、88年22号で連載を終了。翼の成長にあわせ物語の舞台を移し、「週刊少年ジャンプ」にて『キャプテン翼<ワールドユース編>』、「週刊ヤングジャンプ」にて『同 ROAD TO 2002』、『同GOLDEN-23』、『同 海外激闘編 IN CALCIO 日いづる国のジョカトーレ』、『同 海外激闘編 EN LA LIGA』、現シリーズ『同 ライジングサン』を「グランドジャンプ」にて2013年末から19年まで連載。その後、20年からは発表の場を「キャプテン翼マガジン」に移した。

 同シリーズは最新19巻が、24年1月4日発売。テレビアニメーション、ゲームなど多メディアに展開され、世界の50以上の国と地域でも流通。海外のサッカー選手が大好きな作品として挙げることも多い。

 以下、『キャプテン翼』連載終了について、高橋陽一氏のメッセージ全文。

 いつも『キャプテン翼』を応援していただき、ありがとうございます。1981年に「週刊少年ジャンプ」で『キャプテン翼』の連載を始めてから2024年で43年目になります。ここ数年、この先の物語をいったいどこまで描けるのか、ずっと考えていました。そして今回、最後まで連載にこだわり体力の限界まで“漫画”を描き続けるよりも、連載をやめ『キャプテン翼』の最終回までの“物語”を残す決断をしました。

 今、頭の中には『キャプテン翼』の一応の目安の最終回までの構想があります。現在、『キャプテン翼マガジン』で連載中のオリンピック編『ライジングサン』の、その先のシリーズまで含めてです。ですが計算すると、この構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまうかもしれません。それを実現させるのは現実的ではないと感じた一方、たとえばネーム(漫画制作の元となる絵コンテのようなもの)などの形で“物語”を残すことだけに集中すればできるかもしれない、と思いつきました。

 これまで、身体は大きな病気をすることもなく、現在も健康状態は維持できていると思います。ただ年齢も60を超え、「週刊少年ジャンプ」や「週刊ヤングジャンプ」で週刊連載をしていた頃と比べると、老眼やめまいなどに苛まれ、だいぶ身体にガタがきていることもたしかです。そういった体力の衰えと、昨今のデジタル化の波による執筆環境の変化などにより、以前より漫画の執筆ペースは落ちてきました。さらに2020年から猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大により、スタッフ体制の維持も困難になりました。

 そして僕が漫画家を目指すきっかけであり、一番の憧れであり、目標だった水島新司先生の訃報が飛び込んできたことも考えさせられる契機になりました。簡単にできる決断ではありませんでしたし、いつも『キャプテン翼』を楽しく読んでくださっている読者の皆さんには残念で寂しい思いをさせてしまうかもしれませんが、この決断を理解していただければと思います。

 ここで伝えきれない正直な思い、決断に至った経緯などの詳細は1月5日発売の『キャプテン翼マガジン vol.19』に綴らせてもらいました。現在同誌で連載中の『キャプテン翼ライジングサン THE FINAL』、そして『キャプテン翼 MEMORIES4 最強!!明和 FC 伝説』は、4月初旬発売予定の『キャプテン翼マガジン vol.20』の話をもって最終話とさせていただきます。そして『キャプテン翼マガジン』も、この vol.20をもって最終号となります。今はまず、連載の最終回までの原稿を全力で描き切ろうと思っています。どうか最後までおつきあいください。『キャプテン翼』の今後の物語については、発表の方法や場所が決まり次第お知らせしますので、お待ちいただきたく、よろしくお願いします。

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