【週末は女子プロレス♯134】“占い師レスラー”チェリーが年始に占いを一時休業する理由 デビュー20年でも試合前に襲われる「極度の緊張」
“占い師レスラー”として数々の団体で活躍するチェリー。彼女の占いは、生年月日や名前を数字に置き換えて判定する「数秘術」だ。チェリーの考え方によると、未来には「やる未来」と「やらない未来」があるらしい。やるかやらないかは本人の決断しだい。その人の夢や目標に向けて、よりベターな道に進めるようアドバイスを送るのが、チェリーの占いスタイルなのである。
23年の試合数は100試合超
“占い師レスラー”として数々の団体で活躍するチェリー。彼女の占いは、生年月日や名前を数字に置き換えて判定する「数秘術」だ。チェリーの考え方によると、未来には「やる未来」と「やらない未来」があるらしい。やるかやらないかは本人の決断しだい。その人の夢や目標に向けて、よりベターな道に進めるようアドバイスを送るのが、チェリーの占いスタイルなのである。
年末年始になると、新年を占ってほしいという申し込みが一気に増える。リピーターも多く、なかにはチェリーに気づかれず本名で申し込んでくるプロレスラーもいるとのこと。いわゆる繁忙期というやつだが、なぜか2024年の年始に限っては鑑定を休みたいとチェリーは言う。占い師レスラーになって6年目。初めての事態には、いったいなにがあったというのか!?
占い一時休業の真相を解く前に、まずはチェリー自身に2023年を振り返り、24年はどんな年になるかをみてもらおう。
「社会的には、今年(23年)は未来に向けての準備をする年だったんですよ。未来に向けて種をまく年でしたね。今年はいろいろと物価が上がったりしましたけど、来年(24年)は、今年準備したことを元にして、みんなで稼いでほしいと思ってます。節約するのではなく、使って稼いで経済を回してほしいと思います。副業でもいいし、いまの仕事をブラッシュアップしてほかの人を巻き込み、どんどん稼いでほしいです。そして、そのお金を使ってほしい。24年は稼ぐパワーのある年なんですね。その流れに乗って活かした人が、繁栄していく年になると思いますね」
コロナ禍が一応の収束を見せ、さまざまなことで日常が戻ってきた。停滞した状態から脱却し、今年は必要なもの、不必要なものを見極める時期。そして来年、本格的に動き出すのがいいらしい。では、チェリー自身にとって23年はどんな一年だったのだろうか。
「自分の好きなことを恐れずに突き進んでいくのが私の23年でした。それで自主興行を2回開催したんですね。5月12日と8月9日。バースデー興行とデビュー19周年記念興行をどうしてもやりたくて、期間が短かったんですけど思いきってやりました。結果……最高でしたね! 来てくれた方におもしろかったと言ってもらえてうれしかったですし、本人的にも満足のいくカード、大会ができました。19周年では『ユニオン同窓会』という副題もつけて全日本プロレスから石川修司選手にも参戦してもらいましたし、ホントにやってよかったです」
運気の流れに沿って突き進んだ結果、23年の試合数は前年を上回り100試合を超えた。フリーの女子レスラーとしてはトップクラスの数字だろう。24年は「より自分自身をブラッシュアップ、磨いていく年になる」とチェリーは言う。その24年は、彼女のデビュー20周年にあたる。実年齢を公表してから干支が一回り。デビュー当時から変わらぬ美貌とスタイルをキープし、リングでは貴重なバイプレーヤーとして熟年のテクニックを披露。もちろん、デビュー20周年興行を「視野に入れている」とのことで、ますますの活躍に期待がかかる。
そんなチェリーにとって、どうやら24年は幸先のいいスタートが切れそうだ。
まずは元日、YMZの新宿FACE「第11回初日の出プロレス」に参戦、“占い師レスラー チェリーのファンタジー数秘術マッチ”でアジャコングと一騎打ちをおこなう。正月早々とんでもない目に遭わされるのではないかと思いきや、当の本人は「いやあ、新年一発目の試合がアジャ選手とはおめでたい。縁起がいいし、自分的には大フィーバーですね!」と興奮を隠せない。試合はチェリーがアジャを占い、その結果によってルールを決められるという特殊形式。チェリー有利のルールが予想されるだけに、いまから勝算ありなのかもしれない。
10日には、早くも24年最初の自主興行「ファンタジーイリュージョン新春☆祝福祭」を新木場1st RINGで開催する。新春マジックショーもおこなわれるこの大会で、チェリーはファンタジーイリュージョン軍を結成、米山香織率いるYMZ軍との対抗戦を決行するのだ。
「私が米山選手に対抗戦を申し込んだんですよ。こっちはファンタジーイリュージョン軍(チェリー&シゲコデラックス&石井慧介組)でいくから、YMZ軍でパートナーを連れてこいって。そしたら米山選手のパートナーがアジャさんと真霜拳號選手で……すごいカードになっちゃいましたね」
下手したら主役であるべきチェリーが潰されそうな布陣だが、主催者チェリーはアジャとの再戦も「縁起いいし、幸先もいい」とポジティブ思考だ。
「プロレスやめられないです(笑)」
その2日後の1・12新宿FACEではアルシオンの一夜復活興行「ARSION THE FINAL~卒業~」に登場。チェリー自身にアルシオンとの直接のかかわりはなかったものの、吉田万里子主宰「息吹」にレギュラーとして参戦していた。吉田の遺伝子を継ぐ者として、チェリーはSareeeとタッグを結成し、関口翔&田中きずな組と対戦。Sareeeは長谷川咲恵、大向美智子、栗原あゆみから裏投げを引き継ぎ、関口は飛びつき腕十字を伝授された。そして、きずなは田中稔と府川唯未の長女。全員が、何らかの形でアルシオンの遺伝子を引き継ぐ者としてリングに上がるのだ。
「それぞれがアルシオンを背負うなかで、私もその遺伝子に恥じないよう、Sareeeちゃんと力を合わせて対戦相手の2人をやっつけたいと思います!」とチェリー。きずなにはwave12・10大阪でのタッグマッチ(きずな&炎華組vs米山&チェリー組)でリングアウト負けしているだけに、“熟女狂乱のリベンジ”が展開されるかもしれない?
さらに、PURE-Jの1・18大田区産業プラザではKAZUKIとのコンビで夏実もち&柊くるみ組の保持するデイリースポーツ認定女子タッグ王座に挑戦する。これは12・17後楽園ホールの再戦。当日急きょおこなわれたバトルロイヤルでKAZUKIが生き残り、再戦権を勝ち取ったのだ。「ついてますね」と新年早々運を味方につけたチェリー。元日のアジャ戦からタッグ王座戦まで、まずは1月に勢いをつけて、20周年イヤーへの弾みをつけるつもりだ。
が、デビュー20年の記念日(6月16日)を半年後に控えながらもいまだに慣れないことがあるという。それは、試合前に襲われる「極度の緊張」だ。
「いつもものすごく緊張するんですよ。19年やってても、そこはまったく変わらないですね。緊張で心臓が痛くなるくらいだし、試合前に何度もトイレ行ったりします(苦笑)」
24年の年始の占い一時休止も、実は試合を控えての緊張が原因にあった。1月10日に自主興行を開催。自主興行だけに準備はすべて一人でおこなっている。今回、1月に入れてしまったばっかりに、占いをする時間がなくなってしまうことに気づいたのだ。
「いろんな人から楽しみにしてもらってるんですけど、今年(24年の年始占い)はなしということで、すいません(苦笑)。今回ばかりはバタバタしてて無理です。興行が終わってから何かしらやりたいと思ってはいるんですけど、終わってから考えます。とりあえず今回はすいません。試合に集中します」
1月の自主興行は初めてとあって、12月のこの取材時点から緊張状態。それでも、すべての試合、大会後に味わう感覚は占わなくても明白だろう。
「試合前はいつもすごく緊張してしまうんですけど、終わると、やっぱりプロレスラーでよかった、プロレス大好きと思うんですよね。なので、プロレスやめられないです(笑)」
24年は、何度この感覚を味わうか。チェリーの占い通り、「稼げる年」になったらいいな。