北村匠海が語る『幽☆遊☆白書』続編の可能性 「何歳になっても、幽助と向き合う」覚悟

Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』(全5話、世界独占配信中)で主人公、浦飯幽助を演じたのは、トップ俳優の北村匠海(26)だ。幽助とはどんなヒーローか、続編の可能性について語った。

インタビューに応じた北村匠海【写真:矢口亨】
インタビューに応じた北村匠海【写真:矢口亨】

26歳で演じた高校生役「僕は正直、心中する気持ちでいます」

 Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』(全5話、世界独占配信中)で主人公、浦飯幽助を演じたのは、トップ俳優の北村匠海(26)だ。幽助とはどんなヒーローか、続編の可能性について語った。(取材・文=平辻哲也)

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「浦飯幽助は強いですが、さんさんと輝く太陽ではないのかなと思います。彼自身にはヒーローという概念がないと思っています。ただ、その彼が持つ正義感には、人を信じさせる力があります。これは少年ジャンプにおけるヒーロー像として欠かせないものでそこが強さになっている。人を信じさせる存在がヒーローかと思います」

 浦飯幽助は暴走するトラックから子どもを救おうとして、不慮の事故で命を落とすが、人間界に入り込んだ妖怪を退治する霊界探偵の役目を務めることを条件に、生き返ることができ、ある種のヒーローを体現していく。

「そんな幽助を体現するのは、無理難題もあったのですが、僕が信じる正義を幽助に重ねています」

 自身も幽助役に主演俳優として大きな力をもらったのだという。

「例えば、『車の上を走って、サンルーフから車の中にスライディングで入ってください』というアクションです。マットも敷いてあるけど、どう考えても難しいし、スライディングを失敗したら、車から落ちてしまう。難しいアクションだったんですけど、『やれます』『信じてください』と言えたんです。これは幽助をまとっていたからこそ、言えた言葉だったと思います。根拠のない自信がずっとあったので、それが浦飯幽助的でもあったのかなと思います。今だったら、怖いけれども、それに打ち勝つために言葉に出したら、できた。言霊の力だったのだと思います」

 数々のドラマや映画で主演を張ってきた北村だが、座長として心がけていることは何か。

「座長と思わないことは、意識しています。主演俳優も、あくまで俳優部署の一人で、みんな並列だと思っています。キャストの番手は関係なく、今、この画面に映っていることが大事だということです」

 これは、TBSの学園ドラマ『仰げば尊し』(2016年)に先生役で主演した寺尾聰からの教えだという。北村は音楽好きのヤンキー生徒を演じた。

「寺尾さんは、『エンドロールにキャリアが載るわけじゃない。監督のスタートの声がかかったら、全員同じスタートライン。どう輝くかはお前次第だ』とおっしゃって、『確かに』と思ったんです。だから、自分が座長だからとか余計なこと考えず、やるようにはなりました。僕は率先して、『座長です』と行動するタイプではないですが、画面の裏では、スタッフさん、キャスト別け隔てなく、みなさんの話は聞くようにしています」

 まさに、この姿こそが浦飯幽助的だと言えるかもしれない。

 実年齢は26歳。7年前の『仰げば尊し』同様、『幽☆遊☆白書』でも高校生役で学ランに袖を通したが、自身ではすんなりと受け入れることもできたのだという。

「自分の中ではギャップはなかったですね。原作の世界観や現場の空気がそうさせてくれたのだと思います」

『幽☆遊☆白書』は全19巻に及ぶ物語で、続編製作の期待もかかる。

「僕は正直、心中する気持ちでいます。仙水が出てくる原作のエピソードは大好きなんです。僕自身は何歳になっても、幽助と向き合うつもりなので、みんなの呼吸が合った時に実現できるようなことがあれば嬉しいです」。まずは持てる力を全てつぎ込んだ本作が世界へ届くことを願っている。

□北村匠海(きたむら・たくみ)1997年11月3日、東京都生まれ。08年、『DIVE!!』(熊澤尚人監督)で映画初出演。同年8月、フジテレビ系『太陽と海の教室』でテレビドラマ初出演。2011年、4人組バンド・DISH//のメンバーとしても活動をスタート。W主演で映画初主演を務めた『君の膵臓をたべたい』(月川翔監督)で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、数々の映画賞を受賞。人気コミックを原作とした『東京リベンジャーズ』シリーズ(英勉監督/21・23年)で主演を務めた。主な出演作に『十二人の死にたい子どもたち』(堤幸彦監督)『君は月夜に光り輝く』(月川翔監督/以上19年)、『サヨナラまでの30分』(萩原健太郎監督)、『思い、思われ、ふり、ふられ』(三木孝浩監督)『さくら』(矢崎仁司監督)『アンダードッグ』(武正晴監督/以上20年)、『砕け散るところを見せてあげる』(SABU監督)『明け方の若者たち』(松本花奈監督/以上21年)、『とんび』(瀬々敬久監督/以上22年)、『スクロール』(清水康彦監督)、『法廷遊戯』(深川栄洋監督/以上23年)など。

Netflixシリーズ「幽☆遊☆白書」
Netflixにて独占配信中
(C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年
原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊)

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