【ブギウギ】えなりかずき、朝ドラで「すごく嫉妬した」意外な思い出告白「とにかく悔しかった」

3歳だった1988年に子役としてデビューし、芸能生活35周年の節目の年に朝ドラデビューを果たした俳優・えなりかずき。NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜、午前8時)にヒロイン・福来スズ子(趣里)が率いる楽団のピアニスト兼アコーディオン奏者の二村を演じる。えなりが単独取材に応じ、朝ドラの過去の悔しい思い出や今回の初出演の思い、初挑戦というアコーディオンとの格闘ぶりなどを明かした

二村を演じるえなりかずき【写真:(C)NHK】
二村を演じるえなりかずき【写真:(C)NHK】

楽団のピアニスト兼アコーディオン奏者・二村役で朝ドラデビュー

 3歳だった1988年に子役としてデビューし、芸能生活35周年の節目の年に朝ドラデビューを果たした俳優・えなりかずき。NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜、午前8時)にヒロイン・福来スズ子(趣里)が率いる楽団のピアニスト兼アコーディオン奏者の二村を演じる。えなりが単独取材に応じ、朝ドラの過去の悔しい思い出や今回の初出演の思い、初挑戦というアコーディオンとの格闘ぶりなどを明かした。(取材・文=中野由喜)

 キャリアが豊富なだけに朝ドラ初出演は意外な気がする。まずは出演決定を聞いた当時の気持ちを聞いた。

「10代の頃からの憧れのドラマ枠でしたので、電話で連絡を受けた時は大声で『えっ!』と言ってしまいました。喜び100%の『えっ!』。感激でした」

 朝ドラにはどんなイメージを持っていたのか。

「日本で一番のドラマ枠だと思っていましたので、ずっと朝ドラに出たい、出たい、出たいという感じでした。今回、願っていればかなうものだなと思いました。朝、他局の仕事の現場に行ってもテレビに朝ドラが映っていることが多く、メイクをしながら見ていました。朝ドラから元気や一歩踏み出す勇気をもらえる、そういう作品が多いと思います。作品に励まされて頑張ってきた人も大勢いるでしょうから日本の朝を支えているイメージがあります」

 印象に残っている作品を尋ねると、意外な思い出を明かしてくれた。

「とにかく悔しかったのは、今はやめていますが、弟も以前、芸能活動をしていたことがあって、2002年の『さくら』という作品に僕より先に出演したんです。その時はものすごく嫉妬した思い出があります(笑)。『何で』と思いながら見ていました。あれから20年以上たち、ご縁が無いままかなと思っていたので、すごくうれしいです」

 民放の現場のキャリアは豊富だが、朝ドラの現場をどう感じたのだろう。

「すごい制作体制だと思います。フロアディレクターさんが民放はほぼ1チームですが、朝ドラは2、3チームあり、しっかりとシフトが組まれていて素晴らしいです。おかげで睡眠時間もきちんと取れます。楽しく集中して仕事ができる体制が整えられていると感じます」

 演じる二村という役についても聞いてみた。劇中で演奏するピアノは心得があるようだがアコーディオンは初挑戦。今回、個人的にも楽器を買ったというが…。

「ピアノは昔から自己流でやっていて、偶然ですが2年前から先生に習い始めていました。一方、アコーディオンは触ったこともありませんでした。ピアノと同じような鍵盤がついているので大丈夫だと思って見切り発車しました。そしたら全然できませんでした」

 それでどうしたのか。

「練習がつまらなくならないようにと、プロデューサーの方に『今日はここまでできました』という練習成果の映像を毎日送ることを日課にしました。最初はプロデューサーの方も『素晴らしい努力家』とほめてくださったのですが、途中から何のコメントももらえなくなりました(笑)。でも、おかげで想像より早くうまくなりました。3時間の練習を11分半の動画に編集するなどして、少なくとも1カ月は毎日送っていました。最終的な量は500ギガぐらいかと。プロデューサーの方のパソコンの容量的には申し訳ないと思っています」

 ヒロイン・趣里の印象も聞いてみた。

「作品の座長ですから座長とお呼びしたら『ちょっと座長は』と言われましたので、大将と呼んだら『大将もちょっと』と言われ、最終的に御大と呼ぶようになりました。趣里さんがあきらめたのかもしれません(笑)。趣里さんはすごく明るい方で話しかけやすい雰囲気を作ってくださいます。いつも誰かと明るく話しているので僕も会話に入りやすく、さすがだなと思いました」

 演じる二村のキャラクターについても尋ねてみた。

「二村はバンドマンとしてのアイデンティティーを強く持っていて、スズ子の楽団を愛している人物。楽団愛があるからこそ盛り上げ役になったりします。スズ子がつらい時期にも一緒にいて後ろから支えるバックバンド。スズ子の人生に踏み入るわけではないですが、温かくスズ子の人生の伴奏をする感じです。演じる上ではスズ子へのリスペクトを全面的に表現することを心掛けました。スズ子は本当に御大という印象で、10代の頃のスズ子とは顔つきが全然違います。趣里さんの表現力のすごさを感じます。人を力強く引きつけ、引っ張っていくスズ子の生き方はテレビを通じ、閉塞感にあふれる日本を引っ張っていってくれると思います。僕が出演している10週(12月4日開始)から特にいいので注目してほしいです」

 01年には『おいらに惚れちゃ怪我するぜ!』で紅白歌合戦に出場した。今回は朝ドラ。次の国民的番組は大河ドラマか。

「今回、朝ドラの出演が決まってクイズの勉強会を一緒にやっているカズレーザーさんをはじめ、いろんな方から『おめでとうございます』と言われました。芸能生活35周年は意識していませんでしたが、すごくうれしいです。出演が決まり『おめでとう』と言ってもらえたのは今まで2回しかありません。紅白歌合戦の時と今回の朝ドラです。3度目の『出演おめでとう』を言っていただけるよう…“3冠”目指して頑張ります(笑)」

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