4人組ボーカルダンスグループのMAXが23日、東京・高輪のステラボールで1年ぶりのスペシャルワンマンライブ「MAX LIVE CONTACT 2023 ～FANTASIA～」を開催した。昼・夜2部制で行われ、計約2000人を動員。ソロダンスコーナーも交え、17曲のパフォーマンスを披露した。1年かけて同ライブに臨んだ思い、今後について4人に話を聞いた。（取材・文＝福嶋剛）

　今回のワンマンライブは、選曲からステージ演出、衣装、コンサートグッズまで4人とスタッフで話し合いながら、作り上げたという。NANAはライブのタイトル「FANTASIA」に、MAXの思いを込めていた。

NANA「クリスマスシーズンなので、煌（きら）びやかな言葉が良いなと思ったのですが、『ファンタジア』という言葉には『枠にとらわれずに自由に表現する』みたいな意味もあるみたいです。今の私たちにピッタリな言葉でした」

　NANAの言葉の通り、これまでのアップテンポなダンスナンバーから始まる構成とは違い、真っ白なドレスを着た4人がしっとりと歌を聴かせる曲『POWDER SHADOW』からスタート。観客を驚かせた。2曲目の『eternal white』で徐々にテンポを上げていき、スパンコールの衣装に早変わり。4人は『TORA TORA TORA』『GET MY LOVE!』『Seventies』といったダンスナンバーをノンストップで披露した。会場は一気にヒートアップ。中盤はそれぞれが、得意なダンスに挑戦。そのまま後半にかけて次々と代表曲を連発した。アンコールでは4人がステージを下りて客席を回り、観客とハイタッチ。ラストの『Ride on time』では、ファンが解禁された掛け声でテンションを上げた。

　第1部の公演後、メンバーにライブ構成について聞いた。

NANA「今回、あえてしっとりした歌で始まる構成にしたんですが、初めてだったよね」
MINA「そう。何十年もライブをやってきたけど、今回の構成は初めてでした」
REINA「今日のライブのために8月くらいから準備してきたので、今年はこのライブに向けてみんなで頑張った1年でした」
LINA「私は始まる前から緊張しすぎて、ようやく気持ちが落ち着いたのは中盤のソロコーナーが終わってからです（笑）」

　確かにLINAは開演前の楽屋で一番緊張した面持ちだった。それに気づいた3人が駆け寄って「大丈夫だよ」と声を掛けた。チームワークの良さを象徴する場面だった。

LINA「今までたくさんのライブをやってきたけれど、新しい挑戦をする時は良い刺激があります。その分、言葉では伝えられないくらいの緊張感があるんです。でも、みんなが側にいてくれるからホント心強くステージに立てているんです」

　4人のソロダンスコーナーは、大きな見せ場でもあった。MINAは5年ぶりとなるタップダンスを今回はヒールを履いて披露し、観客をひきつけた。LINAはポールダンスを披露。曲に合わせて妖艶でしなやかな動きで魅了した。NANAとREINAはダンサーと息の合ったストリートダンスを展開。NANAはブレイクダンス、REINAはブラジルのカポエイラを披露し、観客は手拍子で応援した。

NANA「10代、20代の頃は、1ステージ3時間くらいの中に必ずソロコーナーを作っていました。なので、『今年は挑戦してみようか』ってみんなで話をしました」
MINA「5年ぶりにタップを披露して、もう緊張しすぎて（笑）。今回はヒールを履いたタップに挑戦しましたが、『ちゃんと音が出ていた』と聞いたので安心しました。私はこういう職人ぽいパフォーマンスが大好きなんです」
LINA「ポールダンスを披露するのは去年に続いて2回目です。今回は『幻想的でキレイな感じを表現しよう』と思って練習しました。ホント緊張したんですから（笑）」
REINA「私は子どもたちが習っているカポエイラを披露しましたが、とうとう母親の私がやる日が来てしまいました（笑）。練習ではカポエイラの足がなかなか上がらなくて、一生懸命練習して頑張りました」
NANA「今回、みんなでチャレンジして本番に向かっていく感じがすごく刺激し合えたし、楽しかったです」

　長い準備期間によって4人のチームワークもさらに良くなったという。

LINA「番組の収録やソロの活動などいろいろと予定が入ってくるので、『早めに始めよう』と言って夏にスタートさせたんです」
REINA「でも、私たちは沖縄出身ですし、性格もみんなちょっとおっとりしているから」
MINA「そう。ちょっと上手くできたらすぐ休んじゃう。沖縄時間なので（笑）」
LINA「集まっても1回も踊らずに『どんなグッズにする？』という話をして帰ることもあったね（笑）」
NANA「あった（笑）。ほぼ4人でライブの中身を作っていたので、12月に近づくにつれてバタバタになるという感じでした」

　4人にとっての2023年とは。それぞれがこの1年を振り返った。

REINA「ライブに向けて考えることが多かった分、これからMAXでやりたいことをみんなでじっくり話し合えた1年だったと思います」
LINA「1年かけて1つのことを仕上げていくようなそんな年だったと思います」
MINA「音楽番組に呼んでいただく機会も多くなり、MAXの反響をたくさんいただけた年だったと思います。そう考えると、ここ数年は種まきの時期でした。『今もみなさんに楽しんでいただける存在なのかな』って再確認できた1年だったと思います」
NANA「なんか『4人のキャラクターが若い頃よりも出てきたな』って感じるんです。なので、『私たちまだまだ伸びしろあるぞ！』って（笑）。大人になっていくと、『ここまでが限界かな』って決めてしまいがちですよね。でも、MAXは立ち止まりそうになると、自然に『前に進もうか』って思えるんです。だから、4人がそろった時は今でも最強ですよ。来年はもっと高みを目指し、まだまだ山を登り続けます」

　NANAは第1部のMCで、「60歳になってもブレークダンスを続けようと思います」と宣言した。MAXとしても、どんなことがあっても4人で還暦まで目指すことが目標だという。

MINA「みんなで『還暦まではやろうね』って言ってますから」
NANA「還暦までタップを続けたらめちゃくちゃ味が出てくるよね」
LINA「味ってヤバい（笑）」
（全員で爆笑）
REINA「60まで続けたら、きっと日本で最長キャリアの女性グループになれるよね。こまどり姉妹さんを超えられるように頑張ります！」

　現在、平均年齢45.75歳。4人は気持ちを1つにして走り続ける。

「MAX LIVE CONTACT 2023～FANTASIA～」
23日、品川アクアスタジアム・ステラボール

第1部セットリスト
01.POWDER SHADOW
02.eternal white
03.TORA TORA TORA
04.GET MY LOVE!
05.Seventies
06.銀河の誓い
07.Dance Corner～MINA（Tap DANCE）、LINA（Pole DANCE）、NANA（Breaking DANCE）、REINA（カポエイラ）
08.What’s going on
09.Give me a Shake
10.どんなときも。
11.淋しい熱帯魚（第2部はダンシング・ヒーロー）
12.Grace of my heart
13.Be With You
14.一緒に

アンコール
15.Tacata’
16.I will
17.Ride on time