奥平大兼、ディズニー『ワンダーハッチ』スタッフと飲み会 酒は不得意も「二十歳になってよかった」

俳優の奥平大兼(20)がディズニープラスのオリジナルシリーズ『ワンダーハッチ―空飛ぶ竜の島―』(12月20日から配信中)に主演した。実写とアニメで2つの世界を描く冒険ファンタジーで、異世界から横須賀にやってきた少年タイムを演じた。全世界配信の大作シリーズは、初体験づくしだった、と語る。

『ワンダーハッチ―空飛ぶ竜の島―』で主演を務めた奥平大兼【写真:ENCOUNT編集部】
『ワンダーハッチ―空飛ぶ竜の島―』で主演を務めた奥平大兼【写真:ENCOUNT編集部】

ディズニープラスのオリジナルシリーズ『ワンダーハッチ―空飛ぶ竜の島―』に主演

 俳優の奥平大兼(20)がディズニープラスのオリジナルシリーズ『ワンダーハッチ―空飛ぶ竜の島―』(12月20日から配信中)に主演した。実写とアニメで2つの世界を描く冒険ファンタジーで、異世界から横須賀にやってきた少年タイムを演じた。全世界配信の大作シリーズは、初体験づくしだった、と語る。(取材・文=平辻哲也)

 本作は実写で描く現実世界「横須賀」と、アニメで描くドラゴンが棲む異世界「ウーパナンタ」が融合した完全オリジナルの冒険物語。奥平は「ウーパナンタ」からやってきた落ちこぼれのドラゴン乗りの少年・タイムを演じた。

「タイムは人をすごく信じ、分け隔てなく接することができる子です。簡単そうに見えてすごく難しいことをさらっとやってしまう。こんなことは僕にはできないかもしれない」

『東京喰種トーキョーグール』の萩原健太郎が監督し、『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』の大塚隆史がアニメーション監督、漫画『約束のネバーランド』の作画担当、出水ぽすかがキャラクター原案・コンセプトアート、『攻殻機動隊』シリーズ、『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズのProduction I.Gがアニメパートを手掛けた大型プロジェクト。昨年の初夏にオファーをもらい、8月から12月まで約4か月間、撮影した。

「男の子の心をくすぐられるような作品で、大人たちの熱意がすごかった。キャラ設定や舞台設定などいろんな設定書があって、目を通すのも大変でした。衣装合わせなどクランクイン前から準備することが多く、4か月間、ワンシーンワンシーンを丁寧に時間かけて、撮りました。贅沢な時間でした」と振り返る。

 苦労したのは異世界で使われている言語「ウーパナンタ語」を話すシーン。言語学者がこの作品のために作り上げたオリジナルだ。

「いろんな国の言葉を参考にしながら、イチから作ってくださったそうです。誰も知らない言葉だから、適当にやるのは簡単だし、クオリティーも分からないかもしれませんが、ちゃんとやるべきだと思いました。現場には、言語を作ってくださった先生が監修してくださったので、『芝居がよくても、言葉が間違っていたら、もう1回やるので、言ってください』とお願いし、こだわりました。独特なイントネーションや感情表現は難しかったです」

 小さなドラゴン「ガフィン」との共演はほとんどCG処理だった。

「実際にはガフィンは現場にいないので、大変でした。ガフィンの動きをしてくれる人がいて、1回撮影し、2回目は、その動きを理解した上で、いない状態で演技したんです」

9月20日に20歳の誕生日を迎えた【写真:ENCOUNT編集部】
9月20日に20歳の誕生日を迎えた【写真:ENCOUNT編集部】

アニメパートの吹き替えで声優にも初挑戦

 タイムは現実世界に住む高校生、ナギ(中島セナ)とソン(エマニエル由人)と出会い、ドラゴン乗りの憧れの英雄・アクタ(新田真剣佑)とともに冒険を繰り広げる。

「真剣佑さんは、タイムの憧れの存在であるアクタを演じていますが、実際は、近所のお兄ちゃんみたい方で、頼りがいのある存在でした。ナギ役、ソン役の2人とは一緒にいる時間が長かったので、友達になりました。ちょうどワールドカップの時期だったので、よくサッカーの話をしました。(モデルの)エマ君は初めてのお芝居で、緊張することもあっただろうけど、明るく現場をもり立ててくれたので、演者さんもスタッフさんとも仲良くなれたので、感謝しています」

 実写パートの撮影後には、アニメパートの吹き替えで声優にも初挑戦した。

「声だけの演技は思った以上に難しかったです。セリフが早すぎても、遅くてもダメ。4か月間、タイムを演じてきたので、タイムらしさは出せたと思うのですが、声だけの演技だと、自分が自由にできない。決められた中で自分なりの自由を見つけなきゃダメ。これは初めての経験でした」

 CGも入った完成品の出来栄えにも手応えを感じている。

「アクションシーンは心配していたのですが、編集して頂き、CG が入って、クオリティーが違いました。現場では『どれだけ時間をかけるんだろう』と思っていましたが、それが絵のきれいさに出ていました。物語の結末は知っているのに、どうなるのか気になるんですよね(笑)」

 9月20日には20歳の誕生日を迎えた。

「友達とお酒を飲みに行きましたが、お酒の味は特に美味しいものではないなって。仲良くなったスタッフさんとご飯に行くこともあるのですが、それまでは19歳だったので、お酒が飲めなかったのですが、『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』のみなさんと飲みに行けた時は、20歳になって、よかったなと思いました」

『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』はディズニープラス「スター」で全世界配信。全世界には1億5000万人以上のユーザーがいる。

「すごいことだと思っていますが、まだ実感がないです。ちょっと規模の想像がつかないんですが、いろんな国の方々に見ていただきたいと思っています。日本のファンタジーで、ここまで作り上げた作品はそんなにないと思いますので、作品の雰囲気を楽しんで欲しいです」と力を込めた。

 長澤まさみ主演の映画『MOTHER マザー』での息子役で鮮烈なデビューを飾って以来、着実にステップアップをしてきたが、ディズニープラスの大型シリーズで世界へと羽ばたく。

□奥平大兼(おくだいら・だいけん)2003年9月20日、東京都出身。映画『MOTHER マザー』(20/大森立嗣監督)で演技未経験ながらメインキャストの周平役に大抜てきされ俳優デビュー。この作品で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞し、一躍脚光を浴びる。その他の出演作に第72回ベルリン国際映画祭でアムネスティ国際映画賞を授与した『マイスモールランド』(22/監督:川和田恵真)、『早朝始発の殺風景』(WOWOW)、『君は放課後インソムニア』(23/監督:池田千尋)など。24年3月8日には主演映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』が控える。

ヘアメイク:速水昭仁(CHUUNi Inc.)
スタイリスト:伊藤省吾(sitor)

『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』
■配信:ディズニープラス「スター」で12月20日(水)独占配信 
■監督:萩原健太郎
■アニメーション監督:大塚隆史
■脚本:藤本匡太、大江崇允、川原杏奈
■原案:solo、日月舎
■キャラクター原案・コンセプトアート:出水ぽすか
■プロデューサー:山本晃久、伊藤整、涌田秀幸
■制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
■アニメーション制作:Production I.G
■キャスト:
中島セナ、奥平大兼、エマニエル由人、SUMIRE
津田健次郎、武内駿輔、嶋村侑、三宅健太、福山潤、土屋神葉、潘めぐみ、宮寺智子、大
塚芳忠
田中麗奈、三浦誠己、成海璃子/新田真剣佑(友情出演)、森田剛
■話数:全8話
■(C)2023 Disney

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