佐藤二朗&稲垣吾郎、少女の壮絶な人生描いた映画に出演「こんなことを起こさせてはいけない」

来年6月7日に公開される映画『あんのこと』の追加キャストが20日に発表され、新たに俳優の佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかりが出演することがわかった。

映画『あんのこと』に出演する佐藤二朗、河合優実、稲垣吾郎(左から)【写真:(C)2023『あんのこと』製作委員会】
映画『あんのこと』に出演する佐藤二朗、河合優実、稲垣吾郎(左から)【写真:(C)2023『あんのこと』製作委員会】

新聞記事につづられた少女・杏の人生

 来年6月7日に公開される映画『あんのこと』の追加キャストが20日に発表され、新たに俳優の佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかりが出演することがわかった。

 同作は、2020年6月に新聞に掲載された「ある1人の少女の壮絶な人生をつづった記事」に着想を得て描いた人間ドラマ。ホステスの母親と足の悪い祖母と暮らす20歳の香川杏の人生を描く。子どもの頃から酔った母親に殴られて育った杏は、小4から不登校となり、12歳で初めて体を売る。相手は母親の紹介だった。希望も絶望すらも知らず、ただ繰り返される杏の毎日が、“ある出会い”をきっかけに変わり始める。しかしやっと繋がった細い糸もコロナ禍で断ち切られてしまう。機能不全の家庭に生まれ、虐待の末にドラッグに溺れる少女・杏を、23歳の俳優・河合優実が演じる。

 主要キャストとなる佐藤は、ドラッグに溺れていた杏を救おうとする人情味あふれる型破りな刑事・多々羅保役。また同じく主要キャストの稲垣は、多々羅と親交がありつつも彼の裏の顔を暴こうとする、正義感と友情に揺れるジャーナリスト・桐野達樹を演じる。杏の母親・春海を河井、杏の祖母・恵美子を広岡、杏の隣人で幼い赤ん坊の母親・三隅紗良を早見が演じる。

 佐藤は、「実話に基づいた本作。新聞の小さな三面記事から炙り出されたこの物語を、絶対にこんなことを起こさせてはいけないという思いと、この腹を抉(えぐ)られるような事実をなんとしても人々に伝えたいという思いで演じました」と、演じる上での決意を語った。「この、ほとんど祈るような思いが、一人でも多くの方々の胸に届くことを願っています」と語っている。

 また稲垣も、「最初にシナリオをいただいた時に受けた動揺を今も忘れられません」と振り返り、「人は生まれながらに誰かと繋がり生きていく権利を持っている。その思いを信じて作品に参加させていただきました。杏の声がどうか皆様の心に届きますように」とコメントしている。

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