矢沢永吉、150回目の武道館公演で自身の最多記録を更新「生まれ変わっても矢沢に生まれたい」
ロック歌手の矢沢永吉が14日、通算150回目となる東京・日本武道館公演を開催。1万4000人の観客を前に『止まらないHa~Ha』や『トラベリン・バス』などアンコール含め、21曲を熱唱した。
観客1万4000人のタオルが日本武道館に舞った
ロック歌手の矢沢永吉が14日、通算150回目となる東京・日本武道館公演を開催。1万4000人の観客を前に『止まらないHa~Ha』や『トラベリン・バス』などアンコール含め、21曲を熱唱した。
喉の不調により延期となっていた記念すべき日本武道館公演が1年越しで実現した。1977年8月26日に行われた初の日本武道館公演から46年、これまで誰も成し遂げたことがない150回という金字塔を打ち立てた。
この日を祝おうと真っ白なダブルのスーツを着た熱心なファンたちが長蛇の列を作り、入場を待つ。会場に入ると開演前から永ちゃんコールと手拍子が鳴り響く。
開演時刻の午後5時を迎えると場内は暗転し、ステージ左右から大きな火柱が上がり、幕が降りると矢沢がステージに登場した。大歓声に包まれて1曲目の『さまよい』を歌う。矢沢は両手を大きく広げて観客を盛り上げると観客も大きな手拍子で応えた。ステージ後方には巨大スクリーンが配置され、に矢沢の一挙手一投足がアップで映し出される。
「150回! ようこそ、いらっしゃい! たまんねーよ!たまんねーよ!」と興奮を抑えきれない矢沢。「今から2時間、最後まで楽しんでください」と話すと新旧のナンバーを次々と披露した。
前半から白いシャツを汗びっしょりに濡らしながら、広いステージを左右に動き回る。息も切らさずパワフルに歌い上げ、74歳という年齢を全く感じさせないパフォーマンスで観客を圧倒した。
矢沢は「生のライブはいろんなハプニングがある。だから好きなんです。みなさんからいっぱいファンレターをもらいます。コロナ禍になりライブができない、(やっとライブが)できてもマスク。よくみんな我慢してここまできました」そう話すと、温かい拍手が起きた。
中盤に入ってもパワーダウンするどころかロックンロールナンバーからバラードまでさらにボルテージを上げながら熱唱する。
矢沢は「武道館は独特な雰囲気があるね」と言いながらステージで昨年の出来事を振り返った。「150回目を迎える予定だったけど、朝6時に起きて声が出なくて、9時頃まで蒸気とかいろいろやったんだけど『もうダメだな』って。それが去年の終わりだった。でも年が明けて今日です! (日本武道館公演の)一発目にみなさんと会うことができました。サンキュー!」と感謝を述べた。続けて「懐かしいナンバーいきます。よろしく!」と言って終盤にキャロル時代の『憎いあの娘』、代表曲『ウィスキー・コーク』を歌った。
矢沢はふたたびファンから届いた質問に答えた。
「この間『生まれ変われるとしたら、自分に生まれ変わりたいですか?』というすごくいい質問をもらいました。生きるってこと自体いろいろあってね。嫌なこともあるし、開けたくない扉を開けなきゃいけない時もあるんだけど、(そこには)必ず良いことが混じっているから頑張れる。生まれ変われるなら僕はね……もう一回矢沢やる?」
ここで歓声が起こり、「大変だけどまたやるよ!」に大きな拍手がしばらく鳴りやまなかった。
ここで1977年の1回目の武道館公演の1曲目に歌った『カモン・ベイビー』を披露し、『WITHOUT YOU』で本編を終了した。
大きな手拍子と「永ちゃんコール」によるアンコールの中、真っ白のスーツに着替えた矢沢が登場。この日一番の歓声が起こり『止まらないHa~Ha』、『トラベリン・バス』を披露し、会場に詰めかけた1万4000人のタオルが宙に舞った。
最後に「今日はサイコーだよ!」と喜びを表した。
この日、矢沢以外誰も成し遂げたことのない日本武道館の公演記録を自身で破った。しかしステージ上での圧倒的な存在感といつまでも変わらないパワフルな歌声に紛れもなく通過点であると確信した。
通算150回目の日本武道館公演を含む今年の全国ツアー『EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 2023 ~Welcome to Rock’n’Roll~』は9都市18公演を回り、残り日本武道館3公演と12月23日、24日の横浜アリーナ公演まで続く。