【相棒22】夜行バスに乗り込む老婦人の正体は? 演じた中尾ミエをネット絶賛「圧倒的演技力」

俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒season22』(水曜午後9時)の第8話が、13日に放送された。今回は、ゲスト出演した俳優・中尾ミエの演技が称賛されている。

中尾ミエ【写真:ENCOUNT編集部】
中尾ミエ【写真:ENCOUNT編集部】

老婦人が語る苦労の人生「中尾ミエだからこそ演じられる話」

 俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒season22』(水曜午後9時)の第8話が、13日に放送された。今回は、ゲスト出演した俳優・中尾ミエの演技が称賛されている。

 同作は、2000年に誕生した刑事ドラマシリーズ。警視庁で“人材の墓場”と呼ばれる『特命係』に配属された警部・杉下右京(水谷)とその相棒たちが、数々の犯罪事件を解決していく。もともとキャリアとして警察庁に入庁した右京は、“切れモノ”過ぎるが故に上層部からにらまれ閑職に追いやられたが、卓越した洞察力と名推理で事件の謎を解き明かしていく。

 寺脇演じる特命係巡査部長の亀山薫は、season1からの“初代相棒”。約14年ぶりに“五代目相棒”として右京とのコンビが復活し、今作で再会2年目となる。

(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

 ある日、右京は青森・弘前行の夜行バスのチケットを買い、一人旅に向かっていた。乗り込んだバスで、老婦人(中尾)の隣の席に座るとそれとなく話しかけ、『尾上絹』と名前を聞き出す。サービスエリアで停車中、角田六郎課長(山西惇)に連絡した右京は、『尾上絹』という名前の犯歴照会を依頼。角田も聞き覚えのある名前だったが、尾上絹に犯罪歴はなかった。一方、別行動を行う薫は、都内の工場街で不審車両を追跡していた。

 右京は、旅のお供のみかんやお酒、つまみを差し入れ、絹の身の上話を聞き出す。車窓から外を眺めながら、絹はポツポツと語り出した。結婚して1人娘を出産したが、夫婦仲の悪化から離婚したこと。親権を取られ50年以上も会っていないこと。「遠い昔の話よ」と自嘲(じちょう)する。

 さらに白河の関を越え東北に入ると、中学の時に夜行列車に乗り、集団就職で上京したと明かす。「うちはね、どうしようもないほど貧しくって。昔、家畜小屋だった『あばら屋』に住んでたの。夏は虫だらけ。冬は凍えるほどの寒さ」と振り返る。「ほんっとうに惨めだった。子どもの頃、いいことなんてひとっつもなかった。貧乏が、心底嫌だった」と当時の心境を吐き出した。亡き父の言葉に従い、貧乏から抜け出すために上京した絹は、繊維工場や花屋に勤務。デパートのエレベーターガールをしていた時に夫と出会い、娘を出産したという。

「やっと落ち着けると思ったけど、幸せだったのはほんと一時」と懐かしむ絹は、離婚後にホステスとなり、客にだまされて借金を背負ったと語る。「お金には苦労のし通し」とあきれ、「おかげで、泣き虫だった女の子もすっかり面の皮が厚くなって」と静かに笑った。

 しかし貧乏に苦労した絹の正体は、詐欺師・門脇多恵子だった。10年前に大手不動産会社から10億円をだましとり、“天才詐欺師”と報じられていた。右京と薫はたまたま、出所した多恵子と若い女性が一緒にいるところに居合わせ、孫と思われる若い女性が拉致されたことから、独自に捜査していたのだった。

 多恵子は、詐欺で得たお金のうち1億円を隠しており、拉致グループは孫の命と引き換えに1億円を要求していたのだった。服役中に自分のもとを訪れてくれた孫の命を救うため、多恵子は父親のお墓に隠していた1億円を取りに弘前へ向かっていた。しかしお墓もお金も数年前に起きた洪水で流されており、孫も拉致グループの一員のなりすましだった。

 すべてを知った多恵子は「はっはっは」と声をあげて笑う。「あんな小娘にだまされて……10時間もバスに揺られて……。笑うしかないね」とあきれた。右京から詐欺の理由を聞かれた多恵子は、商売がうまくいかず2億円の借金を背負っていたと明かす。強気な表情ながら目を潤ませ、「要は、貧乏が怖かっただけ。年をとっても、子どもの頃の記憶は骨の髄まで染みついてる」と昔の自分を思い出すのだった。

 この中尾の演技にSNS上では、「中尾ミエさんの圧倒的演技力」「カッコ良くて哀愁があってステキ」「中尾ミエだからこそ演じられる話」「普段のご陽気さが嘘のような中尾ミエ、良すぎる…」と絶賛の声が。また「なんともやり切れない話だったけど、中尾ミエさんの詐欺師としてのふてぶてしさと、年老いて独りぼっちで、孫が会いに来てくれたことの嬉しさ、騙された愚かさに笑う演技はさすがよ」といった反応も見られた。

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