堀口恭司の投げた鉄アレイが壁に突き刺さる…超過激な兄弟喧嘩 兄が明かす堀口家の日常

大みそかの「RIZIN.45」で、堀口恭司は神龍誠とのフライ級王座決定戦を闘うことが決まっているが、年が明けると、エグゼクティブプロデューサーとしての仕事が待っている。堀口の兄・健太氏が山田義則氏と共同代表を務める「TOP BRIGHTS」旗揚げ戦(1月21日、オープンハウスアリーナ太田)が開催されるからだ。そこで今回は兄・健太氏から見た、弟・堀口恭司について話を聞いた。

年明けに「TOP BRIGHTS」旗揚げ戦を実施する、兄・健太代表(左)と堀口恭司エグゼクティブプロデューサー
年明けに「TOP BRIGHTS」旗揚げ戦を実施する、兄・健太代表(左)と堀口恭司エグゼクティブプロデューサー

世界王者・天心に敗れ、「何やっているんだ」

 大みそかの「RIZIN.45」で、堀口恭司は神龍誠とのフライ級王座決定戦を闘うことが決まっているが、年が明けると、エグゼクティブプロデューサーとしての仕事が待っている。堀口の兄・健太氏が山田義則氏と共同代表を務める「TOP BRIGHTS」旗揚げ戦(1月21日、オープンハウスアリーナ太田)が開催されるからだ。そこで今回は兄・健太氏から見た、弟・堀口恭司について話を聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 発売中の堀口恭司の書籍『EASY FIGHT』には、兄・健太氏とのエピソードも登場するが、なかでも驚いたのは、堀口が判定負けを喫した那須川天心戦(2018年9月30日、さいたまスーパーアリーナ)の話だった。

「自分としては負けてしまったことは悔しいけど、試合後は『よくやったね』と言ってくれる人が多かった。ただ、父親を含め、親しい知人の大半はまったく違う反応だった」
「なんで負けてるんだよ」

「お前勝てただろ、何やってるんだよ」

「天心戦の後、そんな感じで散々に怒られた。それこそ『ぶっ殺せ!』じゃないけど、そのくらいの勢いで叱責された。きっと自分もそう言われるだろうなとは想像していた」

 確かに結果だけ見れば黒星ではあるものの、世界王者の天心に対し、キックボクシングルール初戦の堀口が判定まで持ち込み、「最も天心を追い詰めた男」との見方もあった。

 これに関して健太代表は、「あの試合は、恭司が普通にやれば勝てると思っていたんですよ。だけど、試合を見てみたら、恭司が試合中にニヤニヤしてたじゃないですか。そういう部分を見ていくと、身内としては『笑うんじゃねえよ。真剣にやってねえだろ』って思った。だから『何やってるんだよ』みたいになっていた感じはありましたね」と話した。

 健太代表の話を聞くと、なるほどとも思えるが、それでも思わず「厳しいなー」と思ってしまう。

「そう思う気持ちもわかりますけど、だったら負けるなよっていう話ですよね」

 裏を返せば、RIZINとベラトールの二冠王に輝いた際は、「よくやった」と周囲に褒められたことが明かされていたが、結果を出せば、率直に評価する。それが堀口に最も近い身内による、当たり前の考え方なのだろう。

ついに発売になった堀口恭司初の著書「EASY FIGHT」(幻冬舎)
ついに発売になった堀口恭司初の著書「EASY FIGHT」(幻冬舎)

ドアに突き刺さった鉄アレイ

 また、『EASY FIGHT』を読む限り、堀口と兄・健太代表は、幼少期から壮絶な兄弟ゲンカを繰り広げて来たことが記述されている。

 例えば、小学生時代には兄弟ゲンカで恭司を泣かした健太氏が、弟・恭司の報復を恐れ、自身の部屋のドアを閉めて逃げ込んだ場面が出てくる。

 しかし恭司がなかなか追ってこないので、健太氏が恐る恐るドアを開けると、ドアの向こうで鉄アレイを持って待ち構えていたのが恭司だった。

 慌てて健太氏がドアを閉めると、恭司はドアに向かって鉄アレイを一投。そのままドアに鉄アレイが突き刺さった、とある。

「あの時は怖かったですね。ホントに『バーン!』ってすごい音がしましたから」

 そんな激烈な兄弟ゲンカでさえ、日常の風景と化していた堀口家だったが、長男・健太氏からすると、弟の強さの秘密はなんだと思うのか。

「なんだろうなあ……。小さなことを気にしないってことじゃないですかね。田舎から東京に行った時もそうでしたけど、それがアメリカだろうとどこだろうと恭司ならやっていけるだろうっていう。実際、恭司がATT(アメリカン・トップ・チーム)に行こうか考えていた時も、『絶対に行ったほうがいい』って背中を押しましたしね」

 では健太氏から見て、堀口家の子育ての仕方はどう見えたのか。

「普通に習い事に関しては絶対に休むなっていうスタンスでしたね。だから親の都合で練習を休ませるなって。それを見ていたから、親が本気にならないと、子どもは強くならないんだなって思いましたね」

 ちなみに2021年12月、ベラトールで実施された、世界バンタム級タイトル戦では、堀口は王者セルジオ・ペティスに挑戦したが、その際に堀口は衝撃的なバックブローで失神KOを食らった。

 実はこの試合で堀口のセコンドを務めたのが兄である健太代表だった。

「ペティス戦は、いつも恭司のセコンドに付いている二瓶孔宇が行けなくて、代わりに自分が付いたんですけど、あんな負け方をしたから、マジやっちゃったなと思って。やっぱりセコンドの指示の仕方で勝敗は絶対に変わると思うから。だから終わった後、恭司から『悪かったな』って言われて、『俺のせいだよ』と言いましたよ。もちろん、恭司は『気にするな』みたいな感じでしたけどね」

 セコンド絡みの話でいえば、大みそかの神龍誠戦では、堀口のセコンドにはいつも通りにATTのマイク・ブラウンが付く予定だが、今回は特別に、元ONE世界ライト級王者のアドリーアーノ・モラエスもこれに加わるという。実現すれば、堀口にとっては初のセコンドになる。

 堀口が大みそかの神龍戦にスカッと勝てば、年明けに予定されている「TOP BRIGHTS」にも勢いがつく。

 実際、健太氏も「それはその通りだと思います」と答えた。今回の堀口は、いつも以上に白星という結果が望まれている。

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