Aマッソ加納愛子、同志社大時代は家賃3万5000円 お笑いの“原点”は映画サークル

お笑いコンビ・Aマッソの加納愛子(34)がこのほど、3作目の著作となるエッセー『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)を刊行した。幼少期から芸人としての日常までをつづったもの。加納が、お笑いを目指すきっかけになった大学時代を明かした。

3作目の著作となるエッセー『行儀は悪いが天気は良い』を刊行したAマッソ・加納愛子【写真:ENCOUNT編集部】
3作目の著作となるエッセー『行儀は悪いが天気は良い』を刊行したAマッソ・加納愛子【写真:ENCOUNT編集部】

3作目の著作となるエッセー『行儀は悪いが天気は良い』刊行

 お笑いコンビ・Aマッソの加納愛子(34)がこのほど、3作目の著作となるエッセー『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)を刊行した。幼少期から芸人としての日常までをつづったもの。加納が、お笑いを目指すきっかけになった大学時代を明かした。(取材・文=平辻哲也)

 テレビ、ラジオ、YouTubeなど多ジャンルで活躍し、幅広い層から人気を得ているAマッソのネタ作りを担当している加納。2020年にはエッセー集『イルカも泳ぐわい。』、22年には初の短編小説集『これはちゃうか』を発表しており、著作としては3作目。

 実家に出入りしていたヤバいおっちゃんたち、突然姿を消した憧れの同級生の行方、「天職なわけではない」と言い切る芸の世界を志した理由……。大阪から多感な学生時代、芸人としての日常まで、24編を収録した。

「1作目はちょっと力が入っていましたが、今回は肩の力が抜けたじゃないですけど、すごく今の自分の位置を表している一冊になったなという感じがします。今までプライベートなことは話したいとは思わなかったのですが、そのラインがひとつ緩んだ気がします」

 執筆業はネタ作りの実績を買われ、出版社からのオファーを受けて始めたが、趣味の読書が役に立った。

「両親の影響が大きいですね。家には本がたくさんあって、いつでも読める環境にありました。最初は歴史小説にハマって、ミステリーも読むようになって、岸本佐知子さんに出会って、海外文学の面白さを知りました。スキマ時間には書けないので、時間をもうけて、ファミレスや喫茶店で書きました」

 編集者から「実体験で感じたことを書いて欲しい」とリクエストされ、少女時代から年代ごとに思い出していった。加納は大阪市出身。推薦で商業高校から同志社大商学部に進学し、映画サークルに所属。京都・伏見で1K風呂付き、家賃3万5000円の格安アパートでひとり暮らしも初体験した。

「昔から映画のDVDもあったし、映画も本も音楽も身近にありました。サークルはお遊び程度という感じですかね。今も、YouTubeの動画を企画して、撮影したりしているので、やっていることは一緒だなと思います。大学の授業は大して出なかったですけど、映画を撮ったりするのは楽しかったですね。先輩、同期の作品を手伝ったり、自分でも撮ったり……」

 お笑いを目指したのも、映画サークルの先輩が監督したPV動画に出演したのがきっかけになっている。

「みんなで作ることが楽しい、これってコントだよなと思って。私が目指すのはお笑いかなと思って、2年のはじめぐらいにお笑いのインディーズライブに出始めました。それで、親が学費を払えなくて、大学をやめたんですけど、遠かったし、通うのも面倒くさかったんで、ちょっとラッキーぐらいの感じでした」と明るく振り返る。

小学校の同級生とコンビ・Aマッソを組む加納愛子【写真:ENCOUNT編集部】
小学校の同級生とコンビ・Aマッソを組む加納愛子【写真:ENCOUNT編集部】

 相方の村上は小学校の同級生だ。

「若手のころは毎日のようにムカついて、何かしらによくキレていましたが、けんかは一回もないです。私はムカついたら、離れますし、根本的な人間性を言い出すと、キリがない。もう大人なので、変わらないものは変わらないと思っています」

 本書では、「何かを失った人間の中で一番最強」な親友として、フワちゃんの素顔も紹介している。昨今、フワちゃんの遅刻癖が話題になっているが、「そんなのは話題になるのが遅いくらいですよ」と笑い。

「元々は事務所の後輩でした。関係性もそんなに変わらないですけども、今は、より友達という感じが強くなりましたね。『売れてから偉そうになった』と言っている人もいますが、昔から変わらないです。ライブのエンディングで出演者が集合するときにも、漫画を読みながら出ちゃったりする子です。それは、ボケじゃなくて、漫画に夢中だったんです。そんな無茶苦茶なヤツが世に出てしまっただけですよ」

 最近では、Aマッソの活動だけではなく、個人の活動も増えてきた。「最近、より意識するのは常に何かを仕掛けていきたいという思いです。漠然とした表現ですけど、新しいことを体力がある限りはやっていきたいという気持ちはありますね」。

 短編映画を監督した経験もあるが、本格的な映画もやってみたい夢のひとつ。「小説が書けて、それが映画化となったらいいですね。今は、自分に何が書けるのかを探している途中という感じです」と明かした。

□加納愛子(かのう・あいこ)1989年2月21日、大阪府生まれ。2010年に幼なじみの村上愛とお笑いコンビ・Aマッソを結成。テレビ東京系『正解の無いクイズ』(月・火・水、午後5時30分)、MBSラジオ『AマッソのMBSヤングタウン』(Radiotalk:火曜午後8時ごろ 生配信、MBSラジオ:木曜午後10時~午後11時30分)にレギュラー出演中。身長155センチ。

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