イギリスの子役出身イケメンレスラー、止まらない日本LOVEも「納豆の匂いだけはどうにもならない」
イギリスで子どものころから俳優・タレントとして大活躍していたイケメンがプロレスラーに転身。日本マット界に憧れ、念願の来日を果たし、大日本プロレスのリングで暴れている。
柴田惣一のプロレスワンダーランド【連載vol.174】
イギリスで子どものころから俳優・タレントとして大活躍していたイケメンがプロレスラーに転身。日本マット界に憧れ、念願の来日を果たし、大日本プロレスのリングで暴れている。
子役からプロレスラーへ。異色の経歴を誇るのはレイトン・バザード。イギリス西部の港湾都市ブリストル出身で8歳から映画、テレビ、舞台などに出演。子役から成長するにつれ若者役を務めるようになり、10年間活動したという。
ロンドンで「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台にも立った。「いろんな役をやった。子役の頃は役というよりも、自然に立ち振る舞っていた。子どもの頃はそれで良かったけど、成長するにつれ、いろんなことを要求されるようになった。徐々に役作りもしたよ」とウインク。楽しそうに役者生活を振り返る。
そのまま役者の道を極める道もあったが、2016年にレスラーに転向する。米国や日本の過去の映像から生観戦まで、プロレスを見まくり「体がウズウズしてたまらなくなった。ボクもやりたいってね」と、すっかりハマってしまった。躊躇なく転身し「今ではプロレスラーこそボクの天職だと思っている」と、キッパリ言ってのける。
クリス・ジェリコに始まり、ハヤブサ、獣神サンダー・ライガーに憧れた。得意技のファイアーバード・スプラッシュを繰り出すときには、亡きハヤブサへの想いもこめられている。
イギリスでデビューし世界のプロレス界に遠征。アメリカ、カナダの北米、スウェーデン、ドイツなど欧州、サウジアラビアなどアラブ諸国、イスラエルなど世界中のマットでファイトした。
世界マット界の情報通にもなったが「日本が一番」との声を多くのレスラー仲間から耳にした。昨年、日本マット界の現実を体験したエンデル・カラの「大日本のリングは様々なスタイルを体験できる。やりたいことがきっと見つかるぞ」という言葉に、居ても立ってもいられなくなった。
8月に日本初上陸を果たし、現在では大門寺崇率いるユニット「PROJECT:HAVOC」の一員として、大日本マットを席巻。来春1・2東京・後楽園ホール大会では、BJW認定世界ストロングヘビー級王者・青木優也への挑戦も決まっている。
「昨年、獲得したICW世界ヘビー級王座に続いて、今度は日本のベルトをいただく。今後のレスラー人生のためにも、腰に巻きたい。最終目標は世界中のプロレスを制すること。そのためのステップでもある」と、ますます意気軒高だ。
キャッチコピーは「キャプテン」。出身地が古くからの港街とあって海賊のイメージで、敬礼ポーズも決まっている。
日本のプロレスに魅了され来日したが、日本人そして日本文化に触れるにつれ「日本大好き」が止まらなくなった。「浅草にも行った。お寺もいい。遊園地もいい。何より、日本の人たちは優しくて親切」と日本LOVEが止まらない。
どうやら現代の若者文化よりも、日本の伝統や歴史にほれ込んでいる様子。「対立した時期もあったけど、日本と英国は良い関係。20世紀始めには日英同盟を結んでいるし」と日英関係を語り始めた。
日本食も「いろいろ食べた。みんなおいしいね!」とお気に入りだが「納豆だけは、匂いがどうにもならないけど」と苦笑い。
リング上では大暴れだが、リングを降りればシャイな笑顔がかわいく「日本女性が好きな外国人の顔ではないか」と言う人も多い。
実際に「昔、大人気だったベイ・シティ・ローラーズにいそうなイケメン」と女性人気も高い。
一日も早く「日本になじみたい」と大日本道場に住み込み、日本文化は元より団体運営も学ぶナイスガイ、バザード。日本にほれ込んだ子役出身レスラーの大活躍と今後が楽しみになってきた。
(文中敬称略)