「犯人は何回も下見」 狙われた愛車、なぜ盗難を阻止できた? 威力を発揮した専門店の助言

自動車窃盗の魔の手にかかりながら、盗難を防いだ男性オーナーの対策が話題になっている。一度、ターゲットにされれば、盗難される確率は極めて高い自動車窃盗。いったい、なぜ未遂に終わらせることができたのか。男性に盗難対策を助言したGarage KM1(@garage_km1)さんに詳細を聞いた。

盗難未遂に遭ったインプレッサWRX STI(GC8)【写真提供:Garage KM1(@garage_km1)さん】
盗難未遂に遭ったインプレッサWRX STI(GC8)【写真提供:Garage KM1(@garage_km1)さん】

自作の盗難防止対策で愛車の持ち去りを防ぐ

 自動車窃盗の魔の手にかかりながら、盗難を防いだ男性オーナーの対策が話題になっている。一度、ターゲットにされれば、盗難される確率は極めて高い自動車窃盗。いったい、なぜ未遂に終わらせることができたのか。男性に盗難対策を助言したGarage KM1(@garage_km1)さんに詳細を聞いた。

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 Garage KM1さんがX上に盗難未遂の発生を報告したのは11月20日のこと。

「静岡県湖西市内でインプレッサGC8の盗難未遂がありました! 自作の盗難防止対策のお陰で車両の持ち去りは防ぐことができましたが~m(_ _)m イグニッション配線の直結等の手口から素人の犯行ではないと思われますので みなさんもご注意くださいませm(_ _)m」

 被害車両の写真を添えた投稿は瞬く間に拡散し、32万件の表示回数を記録。「修復するの大変ですね」「盗難事例が多い様で、残念です…」などの声が寄せられた。

 愛知・豊川市でスバル専門ショップを経営するGarage KM1さん。

 男性オーナーの所有する愛車インプレッサWRX STI(GC8)に盗難未遂があったのは、同日午前0時から早朝5時の間だった。

「自宅の駐車場で屋外に駐車してあり、普段は盗難被害に遭った車の前に盗難対策で別の車が置いてありますが、被害に遭ったときは置いていませんでした」

 当時、オーナーは自宅を不在にしており、一瞬の隙を狙われた。

 窃盗犯が単独なのか、複数なのかは不明だ。どれだけの時間、現場にいたのかも分からない。しかし、車は持ち去られることはなかった。

 理由は、Garage KM1さんがアドバイスした盗難対策にあった。

「盗難対策で燃料系統に自作で燃料を送らないようにしていました。そのため、クランキング(エンジンのクランク軸を回転させてエンジンを動かすこと)はしたものの、燃料が送られないため、エンジンがかからなかったと思われます」

 いわゆる燃料カット(フューエルカット)という手法。通常の手順ではエンジンがかからないようになっており、過去の盗難未遂事例を見ても威力を発揮している盗難対策だ。オーナーは言われたとおり、自力で燃料配線の加工を済ませていた。

 燃料カットを解除する“隠しスイッチ”はオーナーだけが知っており、カムフラージュは単純なようで巧妙。今回のケースでも、エンジン始動と格闘した犯人が、しびれを切らして盗難を断念したことが予想される。

 結果、「インストルパネルロアカバー破損、コラムカバー破損で数万円程度」と、被害を最小限に留めることができた。

被害届提出も…自動車盗難対策の強化を希望

 オーナーは警察に被害届を提出。

「刑事さんから何度か連絡をいただき、なぜ古い旧車が狙われるかなどの話をし、今回の被害について親身に対応していただきました」と、Garage KM1さん。

 一方で、自動車盗難が多発している現状において、警察の知見不足を感じることもあったといい、「自動車盗難についてどんな車が狙われていて、どんな手口なのかなどが全然分からないようでした。もっと盗難について力を入れていただきたい、そう思いました」と、対策の強化と再発防止を願った。

 現在、オーナーの愛車はガレージ内で厳重に保管されている。

「今回の被害を受け、犯人が何回も下見をしていたことが分かりました。どんなに高いセキュリティーを入れてもエンジンさえかかって走ってしまえば車はなくなってしまうと思います。なくなってからでは遅いです。自分の身は自分で守りましょう」と、Garage KM1さんはメッセージを寄せた。

次のページへ (2/2) 【写真】盗難未遂直後のインプレッサの実際の車内
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