志尊淳、体は女性の“トランスジェンダー男性”役に挑戦「傷つけないか最初は不安でした」
俳優の志尊淳が、2024年3月1日公開の映画『52ヘルツのクジラたち』に出演することが、6日に発表された。
トランスジェンダー俳優・若林佑真が表現を監修
俳優の志尊淳が、2024年3月1日公開の映画『52ヘルツのクジラたち』に出演することが、6日に発表された。
同作は21年の本屋大賞を受賞し、80万部を売り上げた町田そのこ氏によるベストセラー同名小説(中央公論新社)が原作。タイトルの「52ヘルツのクジラ」とは、他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラのこと。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かず、届けられないため、世界で一番孤独だと言われている。俳優の杉咲花が主演を務め、成島出氏が監督する。杉咲は、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚(みしま・きこ)を演じる。
志尊は、貴瑚の声なきSOSを聞き救い出そうとする岡田安吾(おかだ・あんご)役。塾講師を務める安吾は、生まれた時に割り当てられた性別が女性で、性自認が男性という“トランスジェンダー男性”で、自身も孤独な魂を抱えた役どころ。心に傷を抱えた貴瑚が、引っ越し先の海辺の街で虐待を受ける少年と出会ったことから、「今はもう会えない安吾との日々」を思い出していく。
オファーを受けて原作を読んだという志尊は、「一読者として夢中で一気に読みました。僕がアン(安吾)さんを演じることで、トランスジェンダーの方々を傷つけることにならないかと最初は不安でしたが、監督の覚悟を聞いて成島組の船に乗りたいと思いました」と決意を語った。
また安吾役は、トランスジェンダー俳優として活躍し本作にも出演する若林佑真(わかばやし・ゆうま)と「二人三脚でアンさんを作り上げていきました」と明かす。若林は脚本の段階からトランスジェンダーをめぐる表現の監修をしており、「全シーン、全セリフ、すべてに一緒に向き合ってくれ、背中を押してくれたことで、安心して役に臨むことができましたし、僕も悔いがないようにこれ以上ないというところまで考え抜いて演じ切ることができたと思っています」と、役作りに向き合ったという。杉咲との共演については「アンさんを演じる中で、杉咲さん演じる貴瑚の全てを受け止めたいと臨み、クランクアップに際して、そうした関係を築けたことを実感しました」と語っている。