『キングダム』最初に滅ぶ国はどこ? 史実通りなら「韓」が有力か
2006年に『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載開始された漫画『キングダム』(作:原泰久)は、アニメや実写映画も制作されるほどの人気作。9月末には、コミックス70巻到達に伴い、集英社青年マンガ誌史上初の累計発行部数1億部(電子版含む)を突破した。紀元前の中国を舞台に、戦国七雄と呼ばれる国の1つ「秦」がほかの6国を滅ぼし、中華統一を目指すストーリーとなるが、23年11月現在、まだどの国も滅んでいない状況。この先、秦はどの国から滅ぼしていくのか、史実をもとに考察する。
史実に沿えば最初に滅ぶのは韓
2006年に『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載開始された漫画『キングダム』(作:原泰久)は、アニメや実写映画も制作されるほどの人気作。9月末には、コミックス70巻到達に伴い、集英社青年マンガ誌史上初の累計発行部数1億部(電子版含む)を突破した。紀元前の中国を舞台に、戦国七雄と呼ばれる国の1つ「秦」がほかの6国を滅ぼし、中華統一を目指すストーリーとなるが、23年11月現在、まだどの国も滅んでいない状況。この先、秦はどの国から滅ぼしていくのか、史実をもとに考察する。
史実では、紀元前232年に番吾の戦いが行われた。この戦いで、秦は趙に敗北してしまう。そこで趙の攻略から手を引き、将軍・騰の軍で韓を狙うように作戦を変える。そして、騰の活躍により紀元前230年には、韓を滅ぼすことに成功した。漫画では261話から描かれている楚、趙、魏、韓、燕の五国合従軍と秦の戦いで、韓が大将軍・成恢を失っており、攻撃してくる秦に対して有効な抵抗ができなかったことが勝利の理由かもしれない。そのため派手な戦闘が少なく、漫画ではあっさりと描かれる可能性もあるだろう。
次に滅ぼされた国は趙。番吾の戦いで敗北を喫した秦は巧妙な作戦を実行する。政治戦略によって、趙の軍を操る最大の敵・李牧を、趙王に命で処刑させることに成功する。さらに、李牧を失った趙は、秦の将軍・王翦率いる軍によって、紀元前228年に滅亡させられる。秦と趙の政治戦略や趙王が李牧を疑う様子が、漫画ではどのように描かれるのかが今から楽しみだ。
翌年である紀元前227年には、燕から仕向けられた刺客・荊軻による秦王・政の暗殺未遂事件が発生。後一歩のところで暗殺は失敗に終わり、激怒した秦王によって燕への総攻撃が発令される。そして紀元前226年に燕の国都薊を落とされ、燕王は遼東に逃亡するのだった。荊軻による暗殺未遂事件は、漫画では李信による助け船が入るかもしれない。燕との戦争以上に盛り上がる名シーンになると予想される。
また、紀元前225年になると、秦は将軍・王賁の軍を魏に派兵し、魏を滅ぼすことに成功する。この際、王賁は水攻めで城を陥落させており、漫画でどのように描かれるか注目しているポイントだ。
漫画では強大な戦力を保有している強国として描かれている楚が、最後に滅ぶ国だと思っている人も多いだろう。しかし、史実では魏の次に滅ぶ国が楚なのだ。楚は紀元前225年に秦の李信と蒙恬の軍からの攻撃を受けるも、激しい抵抗を見せる。しかし、紀元前223年に大軍を率いた王翦によって滅ぼされるのだった。このとき、楚王に立てられていたのは、秦で中華統一の戦略を担当していた中心人物の1人・昌平君だ。かつて仲間だった昌平君との戦いはきっとドラマチックに描かれるのだろう。
紀元前222年になると、遼東に逃れていた燕が王賁によって滅ぼされる。いよいよ最後に残る国は斉のみだ。斉は秦からの賄賂を受け取っていた家臣の進言によって、軍備増強せずにほかの国の滅亡を傍観していた。ほかの国が滅んで慌てて軍備を増強するも時すでに遅し。王賁・蒙恬・李信が率いる軍に攻め込まれ紀元前221年に滅亡した。
史実から見ると、今後の展開も見どころ満載だ。まだ見ぬ武将も登場するかも知れず、最後まで目が話せない展開になるだろう。李信の出世や、中華統一がどのように描かれるか楽しみだ。