堀口恭司、「自分はアホだから」の裏に隠された強さ 人を上回るために必要なのは「のめり込む力」

日本人史上初のBellator世界王者・堀口恭司(アメリカン・トップチーム)が大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」に参戦する。また大みそかの前には初の著書『EASY FIGHT』(7日・幻冬舎)が発売されることもアナウンスされた。ENCOUNTでは“史上最強のMade in JAPAN”こと堀口の自伝的書籍に関する内容の一部を、随時掲載していく。

堀口恭司【写真:山口比佐夫】
堀口恭司【写真:山口比佐夫】

初の著書『EASY FIGHT』は7日発売

 日本人史上初のBellator世界王者・堀口恭司(アメリカン・トップチーム)が大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」に参戦する。また大みそかの前には初の著書『EASY FIGHT』(7日・幻冬舎)が発売されることもアナウンスされた。ENCOUNTでは“史上最強のMade in JAPAN”こと堀口の自伝的書籍に関する内容の一部を、随時掲載していく。

 大みそかの神龍誠との再戦(RIZINフライ級王座決定戦)までひと月と迫ってきたが、8月にあった初戦では、結果的に開始25秒、堀口によるアイポークで無効試合になってしまったものの、試合後の堀口は「(同じ状況でも)自分はやりますね。アホだから」と答えた。
 実はこの「自分はアホだから」の裏にこそ、堀口の強さにつがなる秘訣が内包されているからだ。改めて解説する。

「自分は感情の起伏が激しくない。それは普段から感情を殺すように心がけているからだ。いわばそれも練習の一環だと思って取り組んでいる。自分に関しては、それが比較的容易にできているから、そこは自分の要領がよいのかもしれない。そうやっていかに感情を殺すか。そういうメンタル面に関する考え方も、リング上で相手に勝つためには必要不可欠になる」

 堀口いわく、「それをどうコントロールしていくかを教えていかないと、対戦相手には絶対に勝てない」と説く。

「例えば自分には、対戦相手に対する怖さや恐怖心はない。それは絶対に勝てる、イケるといった考え以外の発想に至らないような練習を普段からしているからだ。

 自分の思い描いた動きをどうすれば実現できるか、この打撃をこの角度で入れるには具体的にはどうするか。 例えばそれをミット打ちなりで試しながら、これが入れば絶対に倒れる、という自信を持てる練習を繰り返す。 どれだけ不利なポジションになっても、いかにそこから自分が有利な体勢に移行できるか。そしてそこからフィニッシュに持っていけるか。それを考えながらつくっていく」

 また、堀口は、これまでことあるごとに口にしてきた「自分はアホだから」の真意について言及している。

「自分は他の人とあまり変わったことをしている意識はない。ただ、少しだけ、考え方がアホなだけでここまで来れたと本気で思っている。これは冗談ではなく、アホは強い」

12月7日には発売になる堀口恭司の著書『EASY FIGHT』
12月7日には発売になる堀口恭司の著書『EASY FIGHT』

堀口恭司が口にする「アホ」とは「いかにのめり込めるか」

 堀口が言うには「自分が口にする『アホ』というのは、いかにのめり込めるかを指している」とのこと。

「結果、のめり込める人がリング上で勝利に近づける方法を手にすることができると思う。一見しただけだと軽く見られるかもしれないけど、真実はそれだ。こねくり回すな。どうすればシンプルに考えられるかを考えろ。勝負の世界は、どれだけ時間があっても足りない。子どもの頃はケンカが強ければ、ある程度はそれで満足だったとしても、勝負の世界では、その程度で勝ち続けることなんて絶対にできない。だからこそ、いかに近道をするか、最短距離を通れるのかを考えないと絶対に勝利には結びついてはいくことはない」

 さらに堀口は、格闘技の世界で時折使われる「相手の心を折る」に関しても解説している。

「格闘技の場合は一般的な職業と違って肉体的な痛みを伴う。要は、精神的なダメージと肉体的な痛みが同時に襲って来る世界の話になる。例えば、出稽古に行ってボコられると、精神的にも肉体的にも大きな傷になるから、人によって行かなくなるパターンが出てくるのがこれに当てはまる。

 自分の場合は、もしそうなったとしたら、『絶対に次はやり返す』と考える。やられたままでは負け犬になってしまう。他の人は知らないけど、自分はいつでも胸を張って生きていきたい。人影に隠れるようにして生きていきたくはない。どうせ生きるなら、堂々と胸を張って生きろ」

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