中村勘九郎&七之助 父・勘三郎さんの十三回忌追善で初役に挑戦「汚さないように務めないと」

歌舞伎俳優の中村勘九郎と中村七之助兄弟が28日、都内で行われた十八世中村勘三郎追善興行合同取材会に出席し、初めて挑む役どころについて語った。

合同取材会に出席した中村勘九郎(右)と中村七之助【写真:ENCOUNT編集部】
合同取材会に出席した中村勘九郎(右)と中村七之助【写真:ENCOUNT編集部】

女形の憧れ八ツ橋「やりたくない女方はいない」

 歌舞伎俳優の中村勘九郎と中村七之助兄弟が28日、都内で行われた十八世中村勘三郎追善興行合同取材会に出席し、初めて挑む役どころについて語った。

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 同公演は、2012年に亡くなった十八世中村勘三郎さんの追善興行。24年2月に歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」、3月には初代勘三郎生誕の地とされる愛知県名古屋市中村区で「名古屋平成中村座 同朋高校公演」として行われる。さらに「陽春歌舞伎特別公演2024」「春暁歌舞伎特別公演2024」「錦秋歌舞伎特別公演2024」「三島村歌舞伎」と、次々に全国巡業や芝居小屋での公演を行う。

 勘九郎は、父・勘三郎が襲名披露をはじめ数々の名演を魅せた当り役の『籠釣瓶花街酔醒』佐野次郎左衛門を初役で務め、七之助も同演目で女方の大役・兵庫屋八ツ橋を初役で務める。同演目は、佐野次郎左衛門が吉原で全盛を誇る花魁・八ツ橋を、別れ話が原因で殺してしまうという江戸時代に実際にあった事件を題材に盛り込んだもの。

 勘九郎は『籠釣瓶花街酔醒』について、「本当にいい芝居です。美しさ、悲しさ、切なさ、悔しさ、怒り、いろんな人間の感情がうずまいている。その中でも次郎左衛門は本当にかわいそうな人」と語り、「(生前の)父の次郎左衛門を見させていただき、『なんていい芝居なんだろう』と。父の次郎左衛門と同じような感情になり、『いつかはやりたい』と思っていた役。汚さないように務めないといけないなという思いです」と語った。

 また七之助は八ツ橋について、「八ツ橋をやりたくない女方はいない」と語り、「女性のかっこよさやきれいさだったり、はかなさだったり、『勤めの身』という心の揺れ。いろいろなことがうずまいている役。先人の素晴らしい役者の皆さまがやってらっしゃる。『やりたいな』と今日まで思っていました」と明かした。

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