井岡一翔、待望の王座統一戦は実現せず8位との防衛戦に…明かした本音「そこだけ目指すのは違う」
ボクシング世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)が27日、都内で会見し、大みそかに東京・大田区総合体育館で同級8位ホスベル・ペレス(ベネズエラ)と初防衛戦を行うことを発表した。待望していたWBC世界スーパーフライ級王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との統一戦は実現しなかった。今回の試合のテーマ、リングに上がる理由はどこにあるのか。思いを明かした。
当日はABEMAが独占無料生中継、12度目の大みそかへ井岡「家族とゆっくり過ごすのは違う」
ボクシング世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)が27日、都内で会見し、大みそかに東京・大田区総合体育館で同級8位ホスベル・ペレス(ベネズエラ)と初防衛戦を行うことを発表した。待望していたWBC世界スーパーフライ級王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との統一戦は実現しなかった。今回の試合のテーマ、リングに上がる理由はどこにあるのか。思いを明かした。
スーツ姿で会見に臨んだ井岡の表情が緩むことはなかった。「12回目の大みそかなのですが、今年の大みそかも戦いたいという気持ちが強かったので、試合をすることに決めました。期待に応えられるように、今年の大みそかも最高にできるようにしたいと思っています」とまずは心境を口にした。
対戦相手については、「まだ、ペレス選手の映像、試合はかなり見たわけではないので、そこまでの情報、印象は薄いんですが、成績もよくて世界経験もあり油断できない選手。キャリアのあるいい選手だと思います」と続けた。
かねてから待望していた相手ではなかったのも事実だ。WBC世界スーパーフライ級王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との対戦は実現せず。直前まで交渉したが、さまざまな条件面で折り合わなかったという。
井岡は「前回の試合を終えて、ほぼそこから陣営にはエストラーダ選手と交渉してもらっていた。長い時間交渉が続いて、選択肢がなくなっていく中で、なかなか条件が厳しくて、エストラーダ選手とできないとなって……。ずっと戦いたいとは言ってますし、陣営もチームも動いてくださっていたんですが、年内は厳しいと。今年の大みそか、僕の可能性としては防衛戦をするのか、試合はやりたかったですし、エストラーダ選手と戦いたいという気持ちの中で、そこだけを目指すのは違う。戦い続けて、最終的には実現させたいですけど、今年の大みそかも期待していただいている方に見てもらいたいという気持ちで試合を決断しました」と内情を明かした。
陣営も2週間前まで対戦の可能性を探ったが、年内の実現にはデッドライン。そこから切り替えての防衛戦となった。モテベーションが上がらなくても無理はないカードだが、それでも井岡は「そこまで苦悩する時間はなかったですし、これまでもそうですけど、切り替えてやっていかないという場面はあった。エストラーダへの執着、実現させたいのはありますけど、それだけじゃないし、戦える舞台があるなら戦いたいと。トレーニングも始めていたので、切り替えてやりましたね」と前を向き直した。
34歳の井岡にとって、ボクシングキャリアは最終章を迎えている。日本人男子史上初の4階級制覇、日本人最多の世界戦21勝の実績。相手を選ぶ権利はある。ペレスとは戦わないという選択肢もあったが、チャンピオンとして大みそかにリングに上がることを選んだ。
「試合を期待してくださるなら試合をしたいと思いますし、家族でゆっくり過ごすということもよぎったんですけど、それはちょっと違うなと。今しかできない現役生活の中で、大みそかは特別な日でもある。今年最後の日に試合をして、みなさんでいい年を迎えたいなと」と言葉に力を込めた。
エストラーダ戦が完全消滅したわけではない。陣営によると、来年5月頃に日本あるいは米国開催で統一戦をというプランも浮上しているという。
「まず勝たないといけない。チャンピオンとして大前提。まずは勝つということと、防衛戦なので圧倒的な差で勝つことだと思う。それをパフォーマンスとして見せないといけないと思っている」
12度目の大みそかのリング。2024年へ夢をつなぐためには、ベルトを手放すわけにはいかない。