実業家の前澤友作氏が27日、都内で行われた「HELLO SPACE WORK ! NIHONBASHI 2023」内特別展オープニングイベントに出席した。イベントには、前澤氏が出演するドキュメンタリー映画『僕が宇宙に行った理由』（12月29日公開）の監督を務めた平野陽三氏も同席。前澤氏は、日本の民間人として初となる国際宇宙ステーション（ISS）に滞在したエピソードを明かした。

　イベントでは日本で初めて帰還モジュールをお披露目。真っ黒な姿の帰還モジュールを眺めながら前澤氏は「一度、ヤマト運輸で再会したんですけど、改めて見てみると焦げてるなと思いましたね。到着したまんまの姿、焦げがリアルなんでぜひ見てください。地球に到着したときは立っていられない状態で、すぐ運ばれたのでじっくり見られるのはうれしいです」と感想を述べた。

　帰還モジュールは大気圏に突入したときに熱を帯びて真っ黒になる。前澤氏は「6Gとか8Gの世界を訓練で体験したんですが、大気圏に突入したときに一番重いG（重力加速度）がかかるんですけどその通りのGがかかったのを思い出しました」と振り返った。

　また、「帰還モジュールでの会話は無線越しになるので、あまり私語をすると船長に怒られるんですね。ただ、どうしても窓から地球を見ると『うわあ、すげえ』と言ってしまうんです。ちょくちょく注意されました」と照れ笑いを浮かべていた。2回目の宇宙渡航を控えているが、「今度は月の周回渡航を予定しています。楽しみにしていただけるとうれしいです」と目を輝かせた。

　同作では、過酷な検査やトレーニングを経て宇宙に飛び立つまでの道のりや、国際宇宙ステーション（ISS）での12日間の滞在、地球へ帰還した後までを密着。宇宙にまつわるバックステージを鮮明に詳細に描いた初めての作品となる。

　前澤氏は「今回は映画を作ろうとして撮影してないので、プライベートのガチの私生活や訓練の様子もいっぱい映っていて、なにも演じてないので、リアルなものを見ていただけるとうれしいです。宇宙に興味をお持ちの方はもちろんですが、夢を持って頑張っている方に見ていただきたいです。宇宙旅行も行くまでに苦労もありましたので、夢がかなうのはまあまあ大変なことなんだなと。勇気を与えたり、背中を押せる映画になっていればと思います」とアピールしていた。

　同展では、前澤氏と平野監督が滞在したISSから地球に帰還する際に搭乗した“ソユーズ”の帰還モジュールの実機や大型のパラシュート、実際に着用した宇宙服などを展示する。