伊集院静さん義兄が語った妻・篠ひろ子との“最期の1か月”「告知時には余命半年でした」
直木賞作家の伊集院静さんが24日、死去した。73歳だった。訃報は妻で俳優の篠ひろ子(75)が同日夜、「いつもお世話になっております皆様へ」と題し、本名の西山博子でコメントを発表した。伊集院さんは10月27日に「肝内胆管がん」の治療のため、当面の間、執筆活動を休止すると公表していた。篠が「誰にも会わずに逝ってしまった」とコメントした通り、伊集院さんは病状が悪化しても、身内、友人に知らせることを望まず、篠だけが側にいた状況だった。訃報を知った後、篠に連絡した兄でプロゴルファーの沼澤聖一(77)がENCOUNTの取材に応じ、伊集院さんと篠が互いを尊重した夫婦関係、「最期の1か月」について明かした。
プロゴルファー・沼澤聖一が明かした2人の夫婦関係
直木賞作家の伊集院静さんが24日、死去した。73歳だった。訃報は妻で俳優の篠ひろ子(75)が同日夜、「いつもお世話になっております皆様へ」と題し、本名の西山博子でコメントを発表した。伊集院さんは10月27日に「肝内胆管がん」の治療のため、当面の間、執筆活動を休止すると公表していた。篠が「誰にも会わずに逝ってしまった」とコメントした通り、伊集院さんは病状が悪化しても、身内、友人に知らせることを望まず、篠だけが側にいた状況だった。訃報を知った後、篠に連絡した兄でプロゴルファーの沼澤聖一(77)がENCOUNTの取材に応じ、伊集院さんと篠が互いを尊重した夫婦関係、「最期の1か月」について明かした。(取材・文=柳田通斉)
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沼澤は知人からの連絡で訃報を知り、深夜に篠に連絡していた。
「療養中であることは知っていましたが、深刻な状況であることは聞いていませんでした」
伊集院さんが「肝内胆管がん」と診断されたのは10月10日。その時点でがんが全身に転移し、「余命半年」と告知されていたという。
「伊集院さんは延命の手術を望まずにすぐに死を受け入れたそうです。そして、伊集院さんの希望通り、最期の1か月は誰にも会うこともなく、2人で静かな日々を過ごしていました。伊集院さんはとても付き合いの多かった人ですが、そういう選択をされたことには身内の1人としても納得です」
伊集院さんと篠は1992年に結婚。伊集院さんは3度目、当時44歳の篠は初婚だった。
「兄としての正直な思いは『もらってくれて、ありがとう』でした。その後、すぐに伊集院さんが直木賞を受賞。私もすごくうれしかったですし、誇らしかったのを覚えています」
さまざまな経験があった上での結婚。96年には、篠の故郷である仙台市に転居している。
「私たちが生まれ育った仙台市の自然が豊かな場所に新居を構えました。きっと、執筆もはかどる環境だったと思います。伊集院さんは月の半分は東京にいたようですが、とても落ち着いた互いを尊重する夫婦関係で、時間があると2人で近くのゴルフ場でラウンドしていたようです」
伊集院さんはゴルフ好きとしても知られる。世界の名門ゴルフコースを訪ねた著作『「夢のゴルフコースへ」宮本卓・写真シリーズ』も残している。篠との結婚で義兄となった沼澤さんは、伊集院さんを“特訓”したこともあるという。
「ある時期でしたが、『教えてください』と言うのでレッスンをさせていただきました。とにかくゴルフが大好きな人でしたが、私や博子を含めて5人いるきょうだいのいい相談相手にもなってくれました。気遣いができるし、とても優しい人でした。もっと話をしたかったし、ゴルフもしておきたかったです」
篠は伊集院さんと2人暮らしだった。残された篠は、愛猫と伊集院さんとの思い出とともに生きていく。